Points of Youとマインドフルネス

Points of You 実践講座 Just be編 – あるがままを観る(マインドフルネスで心の目を開く)

の補講です。

投影か五感か

Points of Youのプロセスは、知識や世界観の投影を現実と混同することを退けて、あるがまま観察(五感やinner search)を促すという点で、マインドフルネスと重なるところが多いです。

ここ10年間で脳科学の研究は進んで、「モードやネットワーク(脳の活性パターン)」という観点で脳の活性化状態をみています。

今日では、講演や研究会でも、著名な脳研究者の口から「右脳・左脳」という言葉は数時間に1回も出てきません。脳の活性分布図は横から観た断面図ばかりで、左右を眺める上からの図がスライドに出るのも見かけません。

これが仏教瞑想の実践とちゃんと対応することが解ってきている、というのがマインドフルネスですね。長い歴史を持つ仏教概念も「モードやネットワーク」に対応しています。

「あの人は左脳型だ」というような、観てもいないものを、観ているかのようにとらえるのは投影になりがちです。右脳や左脳が見えると信じて人を見るとどのようなエラーが生じるかは、講座内でいくつか例を挙げました。

モードやネットワークというのは「雑念に気づいた瞬間」というように、わりと明確に観察できます。ですので、瞑想では「気づきましょう」というディレクションはあっても、「右脳を使いましょう」というような観察不可能なディレクションはないわけです。(思考や感情は観察体験できますが、感情的になることが発想によいとは言えません)

モードが観察可能というのは、講座内の体験で、「これとこれが同時に観えますね」と確認した五感体験や、一つの写真から目が離せなくなってしまったというような具体的な動作がそれです。

2つのマインドフルネス実践

マインドフルネスはFA(Focused Attention)とOM(Open Monitor)の実践(モードの使い方として解明されつつある)があります。

FA – 雑念と仲良くしながら集中する。

OM – なんでも判断なく観察する。(あるがまま)

Points of You Methodに照らしてみてみましょう。

1.ポージング

FAもOMも有効かと思われます。

FAに近い仏教的表現が「止(し)」であることを考えると、ポージングではFAを重視してみてもよいかもしれません。

その場合、雑念を中断して”戻ってくる”という体験を重視します。
雑念に気づく瞬間に前部帯状回(脳のやや前にある)が活性化するということが解っています。サマタ瞑想(≒FA)ではここを鍛えているわけです。

戻ってくる先も必要なので、身体感覚、呼吸、周囲の気配などの注意先をガイドしてもよいかと思います。対象者が子供とかでないかぎり、「数を数える」はあまりお勧めしません。(理由説明は省略)

あ、音楽も戻り先になります。刻一刻と変化するものはフォーカス先に適しているようです。そういう意味では、宗教に念仏や讃美歌があるのも納得です。

ファシリテーター自身がこのモードを実感として知っていることが望ましいので、苦手な人はまずタッチ&リターンのワーク(実技は講座内で)で感覚をつかむとよいかと思います。

2.拡散フェーズ

OMを重視するとよさそうです。仏教的表現では「観(かん)」です。写真観察では「観えているが、判断しない」、心の状態としては「想っているが怖れない」(Open Heart)、「気づいているが囚われない」(Open Mind)です。コーチングゲームであれば、この状態になるように質問して、この状態になったら次の収束フェーズへ移るようにすれば、マインドフルなセッションということになります。

この状態もファシリテーター、セッショニストが体験を通して知っていると判りやすくなります。セッションや見学のときに意識してみてください。

3.収束フェーズ

ここでは、OMの状態を残したまま発見し、FAを使ってそれを意識化します。仏教関係者の言葉を借りると、「放心(OM)」と「求心(FA)」を同時にということになります。たくさんの情報や思いつきに対して心が開いていながら、大事なことにグイグイ惹きよさられているような状態です。Points of Youではよく見かける、おなじみの状態ですね。

写真カードを使うと、まず言葉にならない何かを掴んでから、それを言葉にしてみるということがしやすくなります。

4.行動

これについては今回は省略します。

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

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