- 2023-04-24
「だって本当のことじゃないですか」と自己一致
心理セラピストは言葉の言い表す内容よりも、なぜそれを言うかに敏感です。そこを扱わないと人の悩みが解決しないからです。 「だって本当のことじゃないですか」 たいていの場合、本当のことだからという理由では人は発言しません。 食事をしながら、「海は青い」とか「6の2倍は12だ」とか突然に言ったりはしません […]
Kojunの心理セラピー(心理療法)では、感情処理を深く扱い、TA・ゲシュタルト・再決断・インナーチャイルド、人間性心理学、実存主義を統合しています。その立場や経験から、心理セラピーでなにをしているのか、物事の捉え方などを紹介します。教科書のウケウリではなく、クライアントと共に作り上げてきた世界観を使って説明します。
心理セラピストは言葉の言い表す内容よりも、なぜそれを言うかに敏感です。そこを扱わないと人の悩みが解決しないからです。 「だって本当のことじゃないですか」 たいていの場合、本当のことだからという理由では人は発言しません。 食事をしながら、「海は青い」とか「6の2倍は12だ」とか突然に言ったりはしません […]
ACT(Acceptance and Commitment Therapy)という心理療法(の総称?)があります。これについて私なりの解釈をしてみたいと思います。 ※ここでは独自の解釈や想いを書きますので、一般的なACTの説明はヘイズ氏などの著作をご覧ください。 ACTの超概要 ACTでは次のような […]
トラウマインフォームドケアが大切なものと指摘するHEARTSというのがあります。そのなかの「H(Hope)-希望」について書いてみます。 私の心理カウンセリングで実感するのは、他者の事例が希望になるということです。プライバシー保護のために仮想事例を話すことになるのですが、あるいは詳しく話さなくとも、 […]
ある心理セラピー(心理療法)に効果エビデンスがある(統計的に成績がよい)とされるとき、次の2つの情報を含んでいるように思います。 効果エビデンスのWhat情報 たとえば、認知行動療法のエビデンスは、「自動思考や中核信念を変更することで、悩みが解消する」という原理が多くの対象者に成り立つことを示唆して […]
クライアントさんに変化が起きるとき、心の振舞い方が変わります。それはパーソナリティの変容とも呼ばれます。生きづらさから解放されてゆくときもそうですし、ある種の精神疾患の回復にも関係します。 ここでは、狭い意味での「認知の修正」アプローチとは異なるセラピーがあることを例を挙げてみてみます。 認知の修正 […]
Kojunは「認知の修正」という言葉が好きではありませんが、認知療法の元祖であるA.エリスの論理療法はちょっと好きだったりします。 ※論理療法の発展形である論理情動療法は人間性心理学であるという解説もあるようです。 それもまたクライアントの信念を変更するのですが、A.エリスの論理療法では変更先のこと […]
「短期」の意味 短期療法と言っても、必ずしも時間制限をすることで急かすわけではありまん。セッション回数や時間制限を設ける手法もあるようですが、時間を意識はするもののそのような制限を設けない短期療法もあります。 短期療法の共通点は、目標を定めて焦点化するという点と説明されることが多いようです。 ※「治 […]
現在進行形の家族の問題は、Kojunのところでは主テーマとしてあまり扱わないですが、それでもよくある家族のコミュニケーション問題について、入門的な視点を書いておきます。 円環的悪循環を扱う必要があるかどうか 家族の問題はコミュニケーションのやりとりが、相互に影響して問題を悪化、または維持している場合 […]
よくある誤解 なによりも最初に指摘しておかなければならないことは、「怒りを表出することで怒りをおさめる」のが怒りの感情解放セラピーではないということです。ほとんどの解放セラピーへの批判は、この誤解をターゲットとしたものです。 感情解放モドキのあるあるに、「怒りが止まらないんです」という相談者に対して […]
感情の解放について書いてみます。今回扱う感情は「恐怖」です。 感情のコントロールとの違い 恐怖の感情コントロールの究極は、回避・麻痺になりえます。トラウマは過剰な感情コントロールの結果とも言えます。ですが、その回避・麻痺は緊急対応としては自然なこととも言えます。 慣らすことは解放ではない 「恐怖対象 […]
自己肯定感の大事な理解 「周囲に優れた人たち、素晴らしい人たちがいると、自己肯定感が上がらない」というのは、注意を要する捉え方かと思います。 確かに、そなように感じるのは自己肯定感が低い状態かもしれません。 しかし、他者と比べなくても大丈夫なのが自己肯定感です。 このことは、自己肯定感の低い人にとっ […]
解決について考えるか、問題について考えるか。目標か課題か、願いか不満か、目的か原因か。 心理カウンセリングなどにおいて、原因とか課題とかについて考えることはあります。心にある克服が容易でない問題のことを、私も心理課題と呼んだりすることがあります。 なぜなら解決に役立つことがあるからです。 解決志向の […]
心理カウンセリング/心理セラピーの世界において、「手法にクライアントを合わせるのではなく、クライアントに手法を合わせるのだ」ということが言われます。 これは、手法にクライアントに合わせようとしてしまうことはよくあるという戒めrえでしょう。 セラピストやカウンセラーも全てを理解しているわけではないので […]
人生を支配する感情パターン/対人関係パターンのお悩みを扱う場合は幼少期に触れることが少なくありません。 アダルトチルドレンや機能不全家族の影響について扱う場合ももちろん幼少期に触れます。 「あの頃」と「いまここ」 ただし、深層心理に変化を狙う場合は、ゲシュタルト療法や力動アプローチを取り入れます。 […]
感情体験を重視する力動的なセラピー、本人主導を重視する人間性アプローチというのは、手順よりもセラピストの生き様などが影響を与えやすいものです。それゆえ、マニュアル化、標準化しにくく、さらに効果検証、エビデンス研究が困難です。 そのことを具体的なイメージで説明してみましょう。 例1:マニュアル化すると […]
私は元ゲーム業界でゲームを企画開発していました。そして今、心理セラピストです。この二つの仕事には似ているところがあります。 それは、偶然の力を使うということです。 偶然の反対は作為です。開発側からみたゲームとは偶然を取り入れた作為のことです。 王様と占い師 参謀が王様に対して、「この戦争は撤退したほ […]
悩みの解決とは、どうしようもないことを諦めて、出来ることをすること、とも言えるかもしれません。 生きづらい人は、あるテーマについて、変えられない過去を諦めずに、変えられるはずの未来を諦めているということがあります。 過去を諦めない人は、未来を諦める 心理セラピーは未来を変えるために行うものです。です […]
心理セラピーでは非常識なことを話したりします。 ですから、古来では神殿とか教会とか山の寺とか、世俗から離れたところで精神に関わる儀式は行われてきたのでしょう。 また、とくに感情を扱う儀式には、「よい意味で諦める」というものがあります。 諦めの境地をみるために非常識が必要 心理セラピーでも「よい意味で […]
心理セラピーで過去を扱うことについて、以前はよく「未来を変えるために、過去を扱うんだよ」と説明していました。 親を恨むとか、出生を呪うとか、過去に囚われるためではないということ。 そして、過去に対する感情を扱えた人は、未来へ向けた再決断などができます。目的と手段の関係なんだよって説明です。 それはそ […]
認知再構成法(CR)というのは狭義の認知行動療法です。昔は認知行動療法(CBT)といえばこれのことを指していましたが、いまではいろいろな認知行動療法が出てきたので、ここでは認知再構成法(CR)と呼ぶことにします。 Kojunは狭義の認知行動療法はあまりカウンセリングで使わないよと言っていますが、たま […]
未来志向は未来を志向することです。過去から目を背けることではありません。 ポジティブ vs アンチネガティブ ポジティブ心理学というのも、おそらく本来はポジティブを扱うということであって、ネガティブから目を逸らすことではないはずです。 しかし、「ネガティブに向き合えないからポジティブ心理学を好んでい […]
Kojunから見た解決志向アプローチ(以下、SFA)を語ってみたいと思います。 SFAはもともと家族療法に縁のあるものだそうですが、Kojunの心理セラピーは短期療法という接点があるように思います。 ウェルフォームド・ゴールを発掘する カウンセリングにおいて、原因について掘り下げる作業をケースフォー […]