守秘義務で安心するとは限らない
カウンセリングの最初に「ここで話された秘密は守られますので、ご安心ください」と言うという作法があります。 それを言われて安心する人も、それを言われて不安になる人もいます。客層によって傾向が異なるのかもしれません。(またどこかの権威に怒られそうですが) それを言うと安心すると思っているカウンセリング講 […]
心理支援業界の舞台裏など。
カウンセリングの最初に「ここで話された秘密は守られますので、ご安心ください」と言うという作法があります。 それを言われて安心する人も、それを言われて不安になる人もいます。客層によって傾向が異なるのかもしれません。(またどこかの権威に怒られそうですが) それを言うと安心すると思っているカウンセリング講 […]
占いを嫌う心理カウンセラーっています。まあ、わからなくもないです。似ている生業だからでしょう。 苦しんでいる人たちからお金を騙し取っているみたいな・・・・。 心理専門家の実証主義が、占いやオマジナイなどへの反発心であるは、よくあることかもしれません。 それによって症状が治ったか治らなかったか(改善率 […]
精神分析の先生と認知行動療法の先生の間でありがちな討論を書いてみます。 認知行動療法の先生(以下、C先生)は思想だのが嫌いで実証研究が人を救うと信じています。(すべての認知行動療法家がそうではありません) で、C先生は精神分析の先生(P先生)に言います。「で、けっきょく精神分析で治るんですか、治らな […]
診断基準の内容を熟知して、診断ができるとしても、それはPTSDを知っていることにはならないと思います。 ある女子中学生が同級生たちに継続的に性暴力を受け続けて亡くなった事件がありました。 自殺に先立って精神科医からPTSDの診断を受けていたそうです。 PTSDになるということは、なんらかの事件に巻き […]
一度意見をまとめておこうかと思います。まとまらないですけど。 事例については、ネットや本で読んだものは含めず、自身で直接見たもの、体験者から直接聞いた話に基づきます。 よくある論理 インチキ心理支援が乱立している状況を改善しなければならない。 心理カウンセラーには高度な専門性と倫理観が必要である。 […]
心理支援は統計的な効果検証であるエビデンスに基づくものでなければならないというのが流行しています。 あちこちでインテリさんが「エビデンスはあるんですか?」と言うのが流行ったそうですが。あなたの職場でも流行らせてはいかが? 私は次のように思います。 (A)「エビデンスがある方法は効果の期待がもてる」 […]
私の感情を出す心理セラピーは、古くて新しいです。古くは煙突療法などとも言われていて、力動アプローチという心理療法の主流の1つに含まれます。ですが、時代とともに変化もしています。 一方で、最近は「感情をアップしない」のが心理療法の流行りです。 地位の高い先生方とお話していると、感情を表出する心理セラピ […]
ネイティブセラピストの特徴に当事者視点があります。 それは支援者都合の支援、社会都合の支援 との対比です。 社会都合の支援とは、就労させることをを目的とした自立支援福祉サービスなどです。 支援者都合の支援というのは、性暴力被害者のPTSD症状を消す目的で心理療法をする、薬物依存者を社会復帰させるため […]
エビデンスに基づいたカウンセリングやセラピーをしましょうっていうのが流行っていて、業界団体なんかもそんなことをうたっています。 私はクライアント側の立場では、セラピストや医師の勘と経験にずいぶんと助けられてきたので、勘と経験に対して謝礼を払うのはやぶさかではないです。 「勘と経験だけではなく、実証的 […]
教科書的に正しいこと以外は間違っているという風潮 そんな風潮が臨床心理の世界にはあるようです。 教科書に従っていない心理支援者を「自己満足のカウンセリングをしている」とつるし上げる風潮。 「最新の学術情報を知らないんですかあ?」と非難するみたいな専門家もいるそうです。 教科書に従って仕事をする専門家 […]
開業セラピー/カウンセリングというのは、機関に属していないのでチーム医療といった感じではないですが、たまにクライアントに医療を勧めたり、紹介したりすることはあります。 たとえば、摂食障害でガリガリに痩せているとしたら、根本原因が心因だったとしても、医療には接しておいたほうがよいでしょう。ちゃんと内科 […]
先日、心理カウンセラーの育成のしかたについての討論を聴きました。ある先生たち曰く、日本は変だという。カウンセリングをほとんどしたことがない人が大学でカウンセリングを教えていたするんだとか。日本では投資家として成功していない人が大学で経済学を教えているなんて話に似ていますね。 そういえば、心理療法はや […]
サイコロジストの最終段階はネイティブセラピストのスタート段階に似ている サイコロジスト(心理士)の成長モデル(六期モデル)というのがあるそうで、大学で心理学を学んだ人たちを対象に調査して作られたので、当然ながら大学で心理学を学んだようなサイコロジストに当てはまるモデルです。 その最後の段階の説明とし […]
あなたは、どう思いますか? これは、長期にわたって心の悩みと向き合っている人、カウンセラーやセラピストを探している人は、一度考えてみてよいかと思います。 心理カウンセラーや心理セラピストに学歴は必要か? 大学で心理学心理学部を卒業している必要があるか? 大学院までいってないとダメとか、アメリカに留学 […]
と言っても・・・いろんな心理セラピストがいます。精神科医もいろんな側面があるでしょう。 なんですが、精神科医っぽい態度(サイコロジストも含む)と心理セラピストっぽい態度について、こんな傾向があるんじゃないかなという観点を書いてみます。 医療モデルと心理支援モデルとでも呼びましょうか。 アセスメントの […]
ずっと前から、叩かれそうになりながら、ひっそりお伝えしていますが、私は「自殺予防」とか「自殺防止」という言葉に違和感を持っています。 これまで自殺防止とは、たいていはゲートキープ(自殺しそうな人を止める)のことを指していて、それはそれで必要なことでもあるのですが、そもそも死にたくなる事態をなくさなけ […]
サイコロジスト的なスタイル 私のスタイルとは異なりますが、サイコロジストのお仕事なんかだと「適切な心理アセスメント」が必須とされています。こんな感じでしょうか。 アセスメント → 手法の選択 → 説明 → セラピーの実施 そうしないと、間違った手法でダラダラと費用と時間を使わせてしまうということです […]
すべてにおいて正反対とは言いませんが、「科学主義」と「本人中心主義」を比較してみようと思います。 科学主義 「支援者の勘や経験に頼らず、エビデンスに基づいて判断する」 エビデンス エビデンスというのは、主に統計的手法によってい、治療法の効果が検証されたことをいうようです。 こちらの記事に、その限界を […]
近年の心の悩み当事者の傾向として、悩みを克服したいというよりは、治してもらいたい/助けてもらいたい/ケアされたいという人が増えているように思います。 以前は制度や権威のない世界でしたので、当事者は自分で支援者を探し回ったり、いろいろなアプローチを試したりしていたので、自ずと主体的になっていたと思いま […]
「カウンセラーの共感しまっせな構えがキモい〜」 そんな話ありますね。私は「業務スキルくささ」と呼んでますが。 「傾聴」にまつわる技法の変遷を見てみましょう。 二十年前くらいは非指示療法(ノンディレ)が流行しました。カウンセラーは話を聴くだけで指示も助言もしないというものです。 カウンセラーは意見のな […]
当事者と心理支援者の両面から見ていた時代の目撃者として、日本での心理セラピー(心理療法)の歴史を書いておこうと思います。 たくさんの感動や悲観を経験してきたので、客観的な文章にするのが難しいのです。むしろ研究論文ではないので、ちょっと面白めに書きます。心理支援業界がユーモアを失ったらおわりと思います […]
エビデンスが必要な領域 質問紙などの心理検査 質問紙心理検査は統計的な整合性や妥当性を使ってアセスメントの一助とするためのものですから統計的根拠を重視するのは当然です。 アセスメントは客観的(統計的)な検査、間主観的な対話、カウンセラーの経験などから成ります。 その中であえて大切な主観を捨てて統計的 […]
「エビデンスがない」ことをするのは自己満足か? 「エビデンスのない心理療法をしている連中がいる。それは自己満足以外のなにものでもない」と言う心理師がいます。 私もエビデンスのない手法を使うことがあります。クライアントの望みを聞いて、提案して、クライアントがやってみたいと言って、結果にクライアントが満 […]