自分の内面に目を向けると、相手の気持ちをわかる準備ができる

感情知性とは自分をみつめる力、「心の闇」に先を越されないで。

営業さんの例

ある会社の営業グループでの講演セミナーで、「大切なのは自分の感情に気づくこと」というお話をしました。

見込み客が遠ざかるときには、

「あの人が商品を買ってくれないのは、その必要性をちゃんと理解していないだからだ」

というように、相手に目を向けるだけでなく、

「自分はいま売れなくて焦っている」

というように、自分に目を向ける必要があります。そうしないと、相手の気持ちがわかりません。

自分を観ないと相手が見えない

逆説的ですが、相手に目を向けていると、相手をありのままに観ることができないのです。

自分に目を向けると、相手の気持ちがわかるのです。

そのように自分に目を向けることをEQ/EI(心の知能/感情知性)の高さと言ってもよいかと思います。

しかしながら、自分に目を向けることは人にとって難しいのです。自分が見えなくなることを「心の闇」と呼んでいます。闇と言っても、必ずしも邪悪という意味ではありません。

自分が見えなくなるだけでしたら、無意識という言葉でもよいかもしれませんが、闇は相手までも見えなくしてしまうのです。

自分の闇が作ったイメージが相手に投影される場合は、シャドウ(影)と呼びます。

先の営業の例では、「理解しようとしない客(頑固だ、馬鹿だ、素直じゃない)」というのがシャドウです。

本当は営業マンが必死すぎてキモチ悪いのかもしれません。本当は買わない理由を教えてもらうチャンスなのに、それは尋ねていないかもしれません。

闇を解く方法

相手の気持ちをわかる準備は、自分の気持ちに目を向けることです。

ただし、多くの人は「自分の気持ちに目を向けよ」と言われると、「あの客は素直じゃない」というのが自分の気持ちだと思ってしまいます。それは気持ちではなくて、シャドウです。

闇を解くコツは、それが感情ではなくて思考であることに気づくことです。

ヒント1:「あの客は素直じゃない」は主語が自分ではなくて相手です。

ヒント2:「あの客は素直じゃない」は理由説明の文章です。

闇は手ごわい

あなたは自分に目を向ける(自分の感情・気持ちに気づく)ことが出来てると思いますか? ふふふ、「心の闇」の力をなめてはいけませんよ。

そのセミナーの直後、参加者の一人である営業マンが言いました。

「ほっとしました。いままでは見込み客がなんで買ってくれないんだと苛立っていました。これからは、買ってくれないときには、この見込み客は感情知性(EI/EQ)が低いんだなと思えば気が楽になります」

※面白いように脚色しています。ですが、このようなコメントは結構あります。

この営業マンの方、相手ではなく自分に目を向けることが大切であることを学んだ直後に、その知識を使って、自分ではなく相手に目を向けています。

心理を学べば、「心の闇」はすぐにその知識を使い始めます。

学んだ感情知性はすぐにその場で実践しなければ、「心の闇」に先を越されるわけです。

その営業マンの方が特殊なのではありません。これが誰もが持つ「心の闇」のおそろしい力なのです。

この文章を読んでいるあなたも、自分の周りにもそんな人いるかなと思ったり、誰かさんのことを思い出したりして、もう他人に当てはめようとしていませんか? 「あー、あの人のことだな」って。

そんなことはないと思っているあなたも、数日後にはやってるかもしれませんよ。

実践する勇気がなければ、すぐに闇に先を越されます。心理学を学べば学ぶほど闇に落ちてゆくのです。

その勇気を光(闇の対義語)と呼んでもよいでしょう。それは闇を克服するモチベーションのようなものであり、心理セラピーではクライアントのそれ(光)を見つけるのが心理セラピストKojunの仕事です。

詳しくは、実践講座Journey編で扱います。

自分の「心の闇」を見たくない方は、リンクをたどらずにページを閉じましょうね。もう遅いか(笑)

参考

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

※当サイトの事例等は事実に基づいてはいますが複数のケースや情報を参考に一般化して再構成、フィクション化した説明目的の仮想事例です。

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