「過去指向の罠」と「未来指向の罠」を超える

「過去をほじくりまわす」だけのカウンセリングは、自分が不幸である理由がわかるだけです。人生で起きるできごとを、過去のことによって解釈しながら生きるという制約を背負ってしまいます。これを「(間違った)原因論(過去指向)の罠」と呼んでいます。

「過去をないことにする」カウンセリングもあります。「原因論(過去指向)の罠」への反省から生まれた、未来のことだけを考えるべきだとするアプローチです。これは逆効果になる場合があります。意識は目をそらしても、無意識の奥から人生に影響をおよほぼし続けるものもあります。過去から目を背けることで、必死に過去から逃げる人生となってします場合があります。これを「未来指向の罠」と呼んでいます。

※それ以外から目をそらすという意味で、「志向」ではなくて「指向」と書いておきます。

では、私の心理カウンセリング/心理セラピーでは、どのようにしているか、説明します。

ステップ1:

「現在、本当に困っていることは何か?」

「これからどう変わりたいのでしょうか?」

について、お話します。

この段階では、過去の出来事にはあまり囚われないようにします。「子供の頃に受けた暴力の影響をなくしたい」ではなくて、「とつぜん襲ってくる不安な感じをなくしたい」というように、いまここにある悩みの根本をみつけます。

掘り下げて、根本原因というものをみつけます。それは、「なにもしていないと、罪悪感を感じる」とか「自分には価値がないと思っている」などの、悩みを引き起こしている自分の性質を探るものです。

根本原因を掘り下げるというのは、過去にさかのぼることではありません。

過去の出来事は変えることができません。セラピストは、変えることができないものを「根本原因」とは呼びません。

主に「心理カウンセリング/セラピー事前相談」のサービスで行います。

ステップ2:

根本原因について、ご本人がそれを変えたいと思っているということを意思確認します。

根本原因について、むすびついている感情をさぐってゆきます。必要に応じて過去の出来事にも触れます。(特定の出来事が想起されない場合もあります)

その鍵となる感情や身体反応に対して、適切なケアを行います。言葉を言っていただいたり、セラピストやアシスタントが背中に手をあてたりしながら、イメージワークを行います。

過去の出来事については、イメージワークの後、あまり気にならなくなってゆきます。(記憶が消えるわけではありません)

主に「心理セラピー」のサービスで行います。

ステップ3:

日常生活の中で、変化を捉えてゆきます。

かつて「原因論の罠」に生きた人も、「わたしって、幼少期にこんなことがあって、そのせいで・・・・」と人に話したくなることは減ってゆきます。

一般的には、「過去のことに触れると、過去のことを気にする生き方になる」と思われていますが、それは間違いです。実際には逆で、「過去のことを思い出したくない」という人ほど過去の話ばかりして生きています。ただほじくりまわすのではなく、そこにはちゃんとしたやりかたがあるのです。

何を信じるかは、あなた次第だと思います。

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

※当サイトの事例等は事実に基づいてはいますが複数のケースや情報を参考に一般化して再構成、フィクション化した説明目的の仮想事例です。

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