心理セラピストは声なき声を聴く

この世がどんな葛藤に満ちているか、この世はどうなろうとしているのか、それは声なき声として聞こえてきます。

それは心理学以上に心理セラピストにとって大事なこと。

もちろんクライアントの声なき声も聴くわけですが。

どちらも社会経験とセラピー当事者体験があってこそ、聞こえてくるようになります。

自分の知ってる人が自殺して、成長企業でヒット商品を出し、零細企業で変な仕事して、大企業の会社員になり、リストラ目的のカウンセリングを受け、前科のある人と楽しくお酒のんで、不労所得で生活できるようになった友達の家で遊び、ナイトワークして、クラブで男子にモテて、ドラッグ売人にかばってもらい、人から罵倒され、手術して体に秘密を持ってしまった人に抱きしめられ・・・

そんな経験をしてきて、いろんな声なき声が、なんだったのか少しは分かるようになってきました。

人の悩みや苦しみって、時代や社会によって、起きることも、意味も変わっているように思います。

世間と人の間で何が起きているか関心のない治療者は、すべて患者が持っている疾患として扱う。

「異性装」もかつては疾患、倒錯だった。治療者から見て異端だから。

学校がない国や時代に「不登校」という問題はあるだろうか。

前科者に助けられたことがある人は、給食の残りパンを盗んだ同僚を見捨てるだろうか。

心理学は昔のことや、正しいことしか教えてくれない。セラピストに必要なのは声なき声への関心かと思います。

それでは、よいお年を。

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