正体の分からない不安

正体の分からない不安があることは、時に行動を制約することがあります。

正体を知ること

一般的には不安の正体を知ることは有効で、「何を心配しているのてすか?」とか、「行動するとどんなことが起きそうで心配なのですか?」との問いかけに対して、不安の正体が見えることがあります。

イメージの中に対象がある場合

たとえば「犬に噛まれるかも」であれば、犬が対象(加害物)になります。「人に怒鳴られる」であれば人が対象です。

その場合は、その被害イメージを修正する、被害イメージに対する境界の回復などの心理セラピーが有効となる場合があります。

心理セラピーをせずとも、正体がわかっただけで不安が解消する場合もあります。

イメージの中に対象がない場合

その不安や恐怖の正体が自分でなかなか分からないとき、

あるいは対象(加害物)がはっきりしないケース、「~がない」という不安かもしれません。例えば、「助けてもらえない」や「誉めてもらえない」といった「ない」系の不安です。

具体的な対象(加害物)や行為がないために自覚が難しいことがあります。また、それを自分側必要としていると認めることも必要なので、自覚しにくいという側面もあります。

心理セラピストやワークショップの場から「ないもの」に代わる支えを得てはじめて気づけるこもあります。心理セラピストとの相性(治療関係)が重要になるケースです。

「犬に噛まれる」のが怖いのと、「犬に噛まれたときに助けてもらえない」という2つの異なる恐怖は、それぞれに解決方法が異なります。後者は恐怖症のセラピー(簡単なのでよく行われている)は効果が薄いかもしれません。

通常の恐怖症のセラピーとは異なり、この場合は少し複雑な要素が絡んでいます。「ないことを恐れるということを許す」(その結果、ないことを恐れていることを自覚でき、ないことの恐れが減る、ないものを手に入れる/手放す)という独特な態度が必要であり、前提として心理セラピストがその一連の性質を持つ人である必要があります。

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

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