他者の態度が失礼とか冷たいとか感じる原理については様々な可能性があります。
たとえば、過去に経験してきた別の他者を投影しているとか。あるいは内なる隠された自分を投影する場合もあります。
もちろん、相手が実際に失礼な場合もあります。(笑)
ここでは、情報科学的な仮説を述べてみましょう。
再帰性感覚入力原理
神経科学に再帰性感覚入力原理というのがあります。人間の眼球は動いているのですが、風景は揺れて見えない。眼球を動かしている脳は網膜像が揺れることを予測して補正すすことにより、、網膜像が動いても風景は動いていないように知覚します。
だからでしょうか、私は見ようとした方向に風景がすーっと流れるように見えることがあります。疲れのせいか眼球運動がサボるので、補正だけが起きるのかもしれません。
眼球運動だけでない
同様の原理は眼球だけでなく、首振りにも起きているようです。VRゲームで酔ったり慣れたりすることとも関係しているでしょう。
乗り物についても働くようです。駅のホームから見ると列車が動き出したように見えますが、列車の中から見るとホームが動き出したようには見えません。
イメージワークや悪夢も!?
私はイメージワークのれませんが、箪笥(たんす)を見ながら、自分が後ろにバックしていることを想像すると、箪笥が追いかけてくるように見えます。
もしかしたら、恐怖症や悪夢などのイメージもそのように作られているのかもしれません。何かが猛スピードで追いかけてくる夢は、自分とぴったり同じ速さで追いかけてきて、「逃げるのをやめたら奴も止まった」ということもあるようです。
人間関係にも!?
愛してるけどそれを表現できない人は、「なんで愛しかえしてくれないの!」と怒ったりしますね。これも予測(この場合は期待といいますか)が裏切られたときに起きるという原理に気づけるかもしれません。
自分が発した予測信号による補正は無意識的に起きるということ知っておくことは参考になるでしょう。
一般的な説教では自分の行いを自覚していない(補正がない)ことが指摘されることはありますが、逆もあるということですね。
つまり、自分の期待や予測を自覚することは世界を変える方法の一つということです。
参考
- 『イメージ脳』乾敏郎