なんだかとても恐ろしい感じがする。自分にとってショッキングな刺激があって動揺している。「あー、どうしよう、どうしよう」と敏感になり過ぎている。絶望が迫ってくる。
人が恐い、実行できない、焦りまくる、など、不安が状態では、消耗し、冷静な判断がむずかしくなります。
様々な技法を参考に、当事者たちと一緒に試しながら統合したものです。役に立ったとの感想も頂いています。
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不安への対処法7ステップ – 歩きながら、心理の内緒話 | stand.fm
Step1 何を想像しているかを知る
あの人の機嫌を損ねてしまった、失敗するかも、それは自分の想像であるという事実を知ります。
「そうなるとどうなる?」を繰り返して、本当に恐れているイメージを見つけてください。たとえば、人から嫌われて困るのは、怒鳴られるイメージでしょうか、他の人に悪口が広まることでしょうか。
※認知療法には「自動思考」という概念がありますが、不安については自動想像を特定するのがよいと思います。
※不安の正体が孤独である場合は、他の対処法も必要かもしれません。
Step2 現実を見て触れる
想像を恐れているとしたら、現実は何でしょうか。ポジティブな想像ではありません。“想像ではないもの”です。それは、いま目の前にあるもの、いま手を触れることができるもの。現実を見て触れてください。周囲にあるモノの色や形を観ます。周囲のモノに手で触れます。これにより、想像と現実とを区別します。
※グラウンディングと呼ばれる技法をクイックに取り入れたものになります。
Step3 あらためて不安の想像を見る
自分を不安にしている 想像を見てください。スクリーン越しに見るように。それは起きていないことであるとこを知ります。それを恐れている自分を受け入れます。これにより、自分の味方になることができます。
※トラウマ治療で行われる「記憶への暴露」と同じ原理を記憶(過去)ではなく想像(未来)に応用したものともいえます。
Step4 少しだけ恐がる
無理のない範囲で、不安の想像が当たるとしたら、どうなるか、少しだけ自分に対する想像をします。「恐くてもいい」と言ってみます。感情があるとしたら、それを感じてください。恐い以外の感情もあるかもしれません。感情にその役割を果たさせます。しかし、独りでは深入りしないように。恐がっていることを認める程度です。
また、必要に応じて身体に触れたり撫でたりしてください。
ここは必要ならセラピストと一緒にやってもよいです。
※これは感情処理の一種です。
Step5 深呼吸する
身体に触れるか、自分の手を握って、ゆっくり深呼吸してください。
このステップは Step2の現実を見て触れるというのと似ています。
※これはリラクゼーションも意図したものですが、この段階でまだ不安が強い場合は、深呼吸に代えて呼吸法(吐く息を長くする)を試してもよいです。
Step6 よい可能性も想像する
最初に見つけた「不安の想像」とは異なる、別の可能性も想像します。不安な事が起こらないケース、起こってもなんとかなるケースなどを想像してください。どちらもあり得ることとして、平等に扱います。
※認知療法と似てますが、ここでは思考よりもイメージを重視します。
Step7 行動する
行動は不安の特効薬と言われます。
小さな一歩がよいです。サポーターを得るというのもよいです。
注意点があります。「やっぱり不安が当たった」と不安を証明しようとしないように、行動の選択、行動の結果の解釈に気を遣ってください。大胆過ぎない、不安を無視しない行動がよいかと思います。不安の意見も聞きましょう。
おさらいミニゲーム
※タッチパネル(スマフォ等)を推奨します。
おわりに
そして、全てのステップを実行することに拘る必要はありません。不安が解消すればよいです。
最後の「行動」まで必要と思いながら、行動が思いつかない、決められないという場合はこちらもご参考に。
また、根底に不安があるかもしれないけど、行動ができない、動けないという苦しさの場合には、こちらを参考にしてみてください。