嫌な過去を忘れるべきか

嫌な過去を忘れるべきか? 結論から言うと、「忘れるべき」は不正解であることが多いと思います。

自然に忘れてしまうならよいでしょうけど、忘れようとするのはそれとは違うかもしれません。

心理セラピーでは、過去にまつわる感情を解放したりします。その場合は、「忘れるのではなくて、解放しましょう」ということになります。それは最初は心理セラピストのガイドが必要かもしれません。

その手前で、自分独りでも意識してみることができるかもしれない観点を紹介します。

それは、「嫌な過去を忘れるか、忘れないか」ではなくて、

「未来を考えるか、考えないか」が大事というもの。

これを未来志向と呼ぶなら、未来志向は「過去を考えないこと」ではなくて、「未来を考えること」。

と言ってもすぐに、逆にとる人が多い。「過去を忘れた方がいいですね」と。

その罠を未来指向の罠と呼んでます。「未来を思え」(未来志向)が「未来だかを思え、過去を思うな」(未来指向)にすり替わっちゃうのね。

現在に生きるということは彼自身の過去のことを愚かにも無視することではないし、また将来のための準備をしない、ということでもない。そうではなく勝者は自分の過去を知り、現在をよく認識し、現在に生き、そして期待を持って未来を見つめる。

M.ジェイムス/D.ジョングウォード『自己実現への道 ― 交流分析(TA)の理論と応用』p.5

それと過去に囚われている人で多いのでは、過去のことを考えたり語ったりしていることが問題ではなくて、その考えや語りが真実や自分の気持ちではななく怖れや怨みであることが問題であるケースです。

いろんな問題が「過去は忘れましょう」と雑に表現されているのだと思います。

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

※当サイトの事例等は事実に基づいてはいますが複数のケースや情報を参考に一般化して再構成、フィクション化した説明目的の仮想事例です。

\(^o^)/

- protected -