Points of You って何だ!?(入門ガイド)
知る人ぞ知る幻の Points of You アドバンストレーナー/心理セラピスト Kojunによる入門ガイドです。
どんなもの?
コミュニケーション・ツールです
写真カードを使うことで、話しやすく、聴きやすくなります。
ナラティヴなカウンセリング、表現療法が深層レベルで可能になります。
インスピレーション・ツールです
写真カードを使うことで、気づきや発想が促されます。
投影外在化により自己との対話が可能になります。無意識と偶然の相互作用により言語を超えた気づきを扱うことが可能です。
応用分野
NASAの宇宙飛行士トレーニング、シルクドソレイユのコーチング、先進企業の社内会議、チームビルディングなどにも使われていて、活用分野によって雰囲気はかなり異なります。Kojunはフォトセラピーのツールとしてグループセッションに取り入れています。
基本的な原理
写真カードを使い投影という心理現象を応用しています。
投影の応用という意味ではロールシャッハ検査や主題統覚検査のような心理テストにも似ていますが、検査者が解釈する心理テストではなく、参加者自身が気づきを得たり、語りを通して癒されたりします。
趣旨としては表現療法や遊戯療法のほうが近いかと思います。
また、コーチング、ミーティングなどでは、メタファーという機能が多用されているようです。
どんなことをするの?
自分自身へのコーチング/カウンセリング、1対1の対人セッション、グループセッション、ワークショップ等に使われています。
Kojunによる音声解説
(音声解説・5分:コミュニケーションとインスピレーション)
セルフワーク/1対1セッション
セルフ・コーチングやセルフ・カウンセリングに使うことができます。自身がプロセスに慣れれば、他者をガイドして1対1セッションに応用することもできます。様々な手法や理論と組み合わせて活用されています。
セッションの様子を見てみよう その1
典型的な1対1セッションの様子を動画で見てみましょう。(約3分間)
この例では、クライアントは「妻との関係」というテーマを選び、5枚のカードを観ながら、いくつかの質問に答え、最後にテーマに関する気づきをメモしています。
「質問に答えながら自ら答えを出す」というのは、いわゆるコーチングのようなプロセスですが、そこに写真カードがあると何が起きるのでしょうか?
Kojunの講座では、心理学、脳科学、マインドフルネス、仏教などの面からメソッドを研究したり、ご自身に合った使い方(スタイル)を探していただいたりします。
セッションの様子を見てみよう その2
別のワークを動画で見てみましょう。これは「パンクタム」というツールを使ったセッションの一例です。こちらも、ざっと雰囲気を見てみましょう。
この例は「今年の私のキャリア」というテーマです。今年に大切にしたいことを4枚の写真から選んで、その意味を言葉にしてゆきます。いったん非言語(写真)を使って考えてから、言葉にすることで、心の奥底に隠れていたことが言葉になります。写真に含まれるたくさんの偶然が作用して、新たな気づきが得られることもあります。
初心者でも、けっこう面白いことが起こります。講座では、活用目的に合わせて、深くメソッドを使いこなす方法も学べます。
ワークショップ
ワークショップも様々な分野に応用されています。基本的なメソッドはあるものの、多様にアレンジして使用者がオリジナルのワークを作っています。Points of You®創始者も想定していなかったような応用が可能です。
コミュニケーション・ツールとしても使用します。人によって視点が違うということを受け容れたり、視点の違いを積極的に活用することで、影響しあったり、協力しあったり、チームを作り上げたりすることもできます。
「人を責めるのではなく、事について話し合う」「視点の違いによって決別するのではなく、視点の違いによって発想を拡げる」というように。
2017年あたりからでしょうか、「研修やコーチングの技術として取り入れたい」というよりは、「まずは自分を大切にしたい」「自分自身が新たな一歩を求めている」という入門者が増えてきたようにも感じています。
Kojunはセラピストなので、遊び心のある会話や、グループ・カウンセリング的なプロセスを重視しています。
日本国内のワークショップ事例はこちら。
⇒Points of You® Japan 公式サイト | 活動報告
ナビゲーションのスタイルは、ファシリテーターによっても異なります。実践を始めると、様々なファシリテーターやトレーナーから、様々なスタイルを学ぶことになります。
※追記:現在では公式プログラムは世界本部によって手順が決められています。ですので、参加者の要望によって臨機応変にプログラムを変更するKojunは公式プログラムを担うのをやめています。
Points of You の名前の由来
「Points of You」は”points of view”(視点)から派生した造語で、「多様な視点」を表しています。
同じ写真を見ても、人によって解釈が違います。たとえば、走っている人の姿が「追いかけている」ようにも、「逃げている」ようにも見えます。見る人の心が見えるものに反映されることを、心理では「投影」といったりしますね。
もう一歩進めると、同じ人が同じ写真を見ても、様々な見方ができることに気づきます。普段の思い込みを超えて(一つの投影に縛られることなく)、さまざまな視点をみつけることもできます。それを応用して、悩みの解決ヒントや、アイデアを生み出すことが可能です。「Break patterns(パターンを壊す)」は、Points of You®の目的の1つとされています。
さらに、視点の違いを扱うことに慣れると、「意見が違っていても、私たちは共にあることができる」という体験もできます。それを応用して、チーム作りのようなグループワークを開発することができます。
自分とは視点が異なる相手とも対話できる。あるいは、いろいろありながらも共存できる。そのような挑戦を「Big Baloon」コンセプトと呼んでいます。
「多様な視点」がコンセプトの根幹にあり、ブランド名になっています。
さっそく、やってみよう
英語ですが、オンラインで「コーチング・ゲーム」を体験ができるWebページがあります。
⇒Points of You® – The Digital Experience(所要時間の目安20分)
不均一な写真カード
Points of You® は、このような写真カードを使います。
これらの写真の特徴、わかりますか?(少しだけ時間をとって、考えてみましょう)
・・・・・
世界中のカメラマンか撮影した写真。それらが独特の編集方針で編集されています。
- 被写体の全体像が見えないトリミングや、情報不足
- モチーフが統一されていない
まず、情報が不足していることで、意味や解釈が固定されにくくなります。1つの写真でも、いろんな解釈ができます。
そして、Points of You® の写真は「お花」とか「人物」というような統一性がなく多様性です。ですが、「人物写真」、「モノクロ」などの類似点もあります。
土に返る素材
次に、パッケージを見てみましょう。すべて土に返る素材でできています。
(小さな端末の方は拡大してみましょう)
ミシン目まで見えましたか?
布素材で、使い込むとフニャッとしてきます。
動画でも見てみましょう。英語の説明がわからなくてもよいので、モノに注目して、手触り感を想像してください。
動画中に気になるカードがあれば、覚えておくとよいでしょう。
(約2分間)
ちなみに、動画中で話している人は、創始者の一人ヤーロン・ゴーラン氏です。「これがあなたの人生に役立つものか、ご自身で確かめに来てください」と言っています。
きわだった特徴
他のツールやメソッドを比較して、Points of You®が特徴的だと思う点を挙げてみます。
応用分野・スタイルが多岐
先に述べているとおり、各自が独自に応用ワークを開発することができ、無限に広がる可能性を持っています。
トレーナーのバックグラウンドも様々です。教え方や価値観、雰囲気まで違います。創始者のコピーをするのではなく、それぞれのPoints of You®を実践します。「正解がない」というよりは、「正解がたくさんある」といった感じです。「たくさんの視点」というコンセプトが根幹にあるので、意見をぶつけ合うこともありながらも、私たちは共存しています。
※2019年から「創始者のコピー」のように台本通りに提供するワークショップが公式となりました。この記事はそれ以前にPoints of You Japanが成果をあげた実践コンセプトに基づいています。
一見すると対立するようなこともあります。しかし、コンセプトを実践することで、よい結果を探求します。Points of You®のコンセプトの1つ「Trust the process」と言います。
答えや意味が用意されていない
開発者が予め用意した尺度やカテゴリーによる「診断結果」や、占いのような「お告げ」がありません。意味はセッションのたびに創造されます。
予め用意された着地点がないという怖れを乗り越えます。これもまた、「Trust the process」でしょう。
これはコーチングやカウンセリングに通じるところがあります。セッショニストは何かを教える人ではなく、プロセスを支援する人になることができます。Kojunの養成講座では、「やり方」だけでなく「あり方」を学びに来る方が多いです。
清濁あわせ呑む
好き嫌いが分かれる写真も含まれています。「自然が人を癒すから、自然風景ばかり集める」というようなものではありません。明るい方だけを見るのではなく、あらゆる視点を見つけます。
これはセラピストとして興味深く思うところです。ポジティブなことだけを扱えば無難かもしれませんが、ネガティブなことが大切な場合もあります。「嫌い」は大切なことの表れかもしれませんし、自分にとっての気づきの機会かもしれません。このあたりを興味深く学ぶ方々もいらっしゃいます。これもまた「Trust the process」であり、そのような清濁合わせ呑むプロセスを体験した人は、誰かのプロセスに寄り添い支援することができます。これは体験を通して、人から人へと恩送りされるものです。このような恩の連鎖は、Points of You®のコンセプトの1つ「Pay it forward」と呼ばれます。
ツールやメソッドの力を借りて、多様な視点に対して心を開き、既存のパターンを壊してゆく体験を通して、「Trust the process」「Pay it forward」を実感してゆきます。それは心の実践ですが、写真カードという具体的なモノを通して実践されるので、その体験は分かり易く共有されます。
Points of You Japan な世界に参加する
興味をもたれましたら、その世界に参加してみましょう。
かつては日本独自の資格制度があり、その上級資格者は上級というよりは世話好きな裏方みたいな感じでした。
かつては個性豊かな実践者がいて、それぞれにワーク開発や分野開拓する拡がりモデルでしたが、新制度によって均一化されたプログラムが全面に打ち出されました。
詳しくはこちらも。
目次 1 イベントに行ってみる2 資格をとる、とらない3 アカデミーって何? イベントに行ってみる ワークショップイベン…