こわがらないと、こわくなります。そして、喧嘩になります。
反射的に言い返すのは恐がっているから
例えば、店主(自分)が客から不満を言われたとします。「悪いのはあんただ」と、心の中でそのように思う。
例えば、セミナー講師(自分)に参加者が嚙みついたとします。そこで、「上手くいかないのはあなたのせいです」と言い返す。
言い返してしまう(相手を批判してしまう)のは、自分が恐さをを密かに感じたからです。そして、その恐さを隠そうとするからです。
このメカニズムにより、人と仲良くするのが難しいという感情パターンの人もいます。
恐がることが怖い人は騙されやすい
また、このメカニズムを使って、相手を攻撃的にさせることで罠にはめる悪質な人もいます。
なので、恐がることが苦手は人(恐がっていることばバレることを極度に怖れる人)は、悪徳商法などに騙されやすくもあります。
怒るべきタイミングと、怒ってはいけないタイミングが逆転してしまうのです。
恐がれないことで、恐さに支配されてしまうのです。
隠れたメカニズム
恐がることが怖い人は、恐がるとトラブルになると思っています。まあ、そのようなこともあります。
しかし、言い返してトラブルになったとしたら、それは恐がったからトラブったのではありません。
恐いのを隠すために、相手を批判したから、トラブルになったのです。
そもそも恐くなければ、言い返したくもなりません。
しかし、「恐くない」のと、「恐いのを隠している」のとでは明確に行動や反応に違いが表れます。
しかし、本人にはその区別がつかないことが多いのです。自分自身に対しても隠しているから、意識することが難しいのです。
すぐに気づけるレベルなら潜在意識とか前意識といいます。気づけないレベルなら無意識といいます。
克服への道
恐くても、それを自分に対して隠さなかった場合は、言い返したくなる自分を適切に扱える可能性があります。
また、言い返してしまったとしても、その後の対応ができます。
慣れてくると、言い返す必要がなくなってきたりもします。そして、あまり恐がらなくなってもきます。
恐さをゆるせば、トラブルを引きづったり拡大したりしにくくなります。恐さをゆるせば、恐さは最小化されます。
恐さを否定すれば、恐さの上に、恐さがバレる怖れが加わり、影からあなたを操ります。自分が恐さゆえに言い返しているということも分からないまま、状況を悪くする言動を続けます。
このような無意識を私は「心の闇」と呼びます。邪悪だと言っているのではありません。見えにくくて、厄介なものという意味です。
自分に心の闇があることを認めると、それは最小化されます。逆に、自分に心の闇があることを認めることを怖れると、闇は深まり、あなたを操ります。
自分と向き合うことが、あらゆることの解決の鍵になります。
そうすることで、たいていは、邪悪ではない何かが「心の闇」から見つかります。
具体的な悩みがあるとき、それはレッスンのチャンスです。