苦手だなあ、イヤだなあと思うと、その人の投稿に「いいね」押してしまう。場合によっては、シェアまでしたりして。そして、コメントまで。ずぼらな自分が、苦手な人に限って漏らさずコメント返信してしまう。
分かりやすい時代になりました。
「いいね!」を押したくて押しているのか、押さずにはいられないのか? 自由なのか自由じゃないのか? どうすれば自由になれるのか?
嫌いなものに対して逆の態度や行動をとってしまうことは、精神分析では「反動形成」という防衛機制として説明されますが、その説明だと「あー、それは反動形成ですね」「そうたんですか。なんとなくかっこ悪いからやめよかな」みたいになりがちです。
ここでは分析よりもアウェアネス(自分に起きていることを頭で理解するよりも、実感として丁寧に触れる)を重視して、「感情豊かな怒り」と「感情的な怒り」の観点で見てみましょう。
感情的な怒りは、こんなこど起こっていたりします。
怒りを感じる。(無意識)
↓
ネガティブな感情はダメだと思う。もしくは人に知られたくないと思う。
(無意識)
↓
バランスをとろうとする。ポジティブで中和しようとする。ポジティブな行動でネガティブな心を変えようとする。
(無意識)
↓
笑顔をつくる。「いいね!」押す。親切にする。
↓
報われない。
↓
抑圧された怒りが爆発!!
ちなみに、爆発しない場合は、体が不調になったりします。それもできない場合は、家族におかしな事が起こります。
一方で、感情豊かな怒りはこんな感じです。
怒りを感じる。(無意識)
↓
抑圧されていない怒りが出たーっ!!
子供がケンカして、その後また仲良く遊んでるみたいなのがそれです。
こうなった後は、その人のことを忘れてしまうか、仲良くなるか、といったところです。
精神リハビリ施設では、障害により感情を抑制できない人たちともご一緒したことがあります。結構あっさりしてました。感情豊かというより、感情的に見えましたけど、ここでいう意味では感情豊かに近いかもですね。
現実的には、人前では一旦抑圧して、その後すみやかに解放するのがよろしいかと思います。
それと、上述の「いいね!」についてですが、押すのをやめましょうと言っているのではありません。そんなことが起こっていたら、そんな自分に気づいてあげればよいかと思います。責める必要もないでしょう。
「反動形成だわ」よりも「怒り/不安があるんだなあ」「それを隠したいんだなあ」と向き合う方が大事ってことです。
ちなみに、本当の気持ちに触れることを避けるため、「反動形成だわ」という分析を好むことを「知性化」と言い、これも防衛機制の一種です。心理学を学ぶほど、心の病が解けなくなります。(笑)