対人支援サービスには、対象者の捉え方によって1~3次のレベルがあります。自分のお悩みが必要としているのはどのレベルか、いま検討しているサービスはどのレベルか意識してみることをお薦めします。
一般の人向け支援サービス(1次レベル)
一般(全ての人)向けの支援サービス。
向き不向きはあるにしても、マジョリティに向けて設計されています。
研修やセミナーなどで幸せにならない人は、たまたまその研修が合わなかったのかもしれませんし、2次、3次の支援サービスが必要なのかもしれません。
一部の人向け支援サービス(2次レベル)
一部の人たち(マイノリティ)向けに設計された支援です。特定の疾患、障害、性格タイプ、目的などでラベリングされるような人たちを想定しています。
たとえば、アルコール依存離脱のためのプログラムとか、薬物療法のエビデンス統計とか、標準化(マニュアル化)された心理療法とかです。
「科学的」とうたわれるのは、たいてい2次レベルの支援です。
特定のマイノリティの中のマジョリティに向けて開発されています。
どの2次レベル支援にも当てはまらないとか、対象者のはずなのに合わない感じがする、という場合は、3次レベルの支援が向いているかもしれません。
特定の人向け支援サービス(3次レベル)
特定の個(あなたひとり)を扱う支援サービスです。
ほとんどの療法やメソッドは2次レベルであることに気づきましたか?
よく聞く「心理専門家のところで〇〇法はやりましたが、うまくいきませんでした」というのは、2次レベルは提供されたけど、3次レベルは提供されなかったという場合が多いです。
※そもそも手法の選択が的外れだったというのもありますが、そうでなくても上手くいかないのは2次レベルの限界です。
多くの心理セラピストにとって、習った手法が効果を発揮する2次レベル相性のクライアントは「嬉しいクライアント」です。
Kojunは、2次レベル支援からこぼれた人たちが好きです。自分がそうでしたから。
3次レベルを求めてくるクライアントは、「それも以前やったんですけどねえ…」と首を傾げながらワークを始めます。そして最後には上手くいかなかった理由をすらすらと説明します。
3次レベルの支援はあんまり科学的ではありません。もちろん手法は使います。勘と経験も使います。
勘は「検証されていない仮説」ではありません。経験は「サンプル数の少ないデータ」てまはありません。それらは、無知の領域、不正解を探検する脳力です。
正解を提供するのが1次、2次レベルの支援サービス。
不正解に意味を見出すのが3次レベルです。
もし、「上手くいかない」が宝として蓄積されている感じがするなら、相性のよい3次レベル支援サービスかあるかもしれません。