クライアントがカウンセラーに「はじめてわかってもらえました」とか「はじめて聴いてもらえた」と言うことがあります。
心理支援の教科書や心理職の資格試験によると、カウンセラーが「あなたの気持ち(あなたのこと)が分かりますよ」と言ってはいけないとなっています。「わかるよ」と言うのは、個別性を否定するものだという意見があるようです。
「わかるよ」にもいろいろあるように思います。「私がもっている経験や知識と同じでしょ」という意味なら、個別性の否定でしょう。でも、「私がもっている経験や知識と共通点がありそうですね」という意味なら、そんなにおかしくなさそうに思います。まったく同じだと言っているのではなくて、共通骨格があると言っているわけです。
教科書的によっては、話を聴いて「そうなんですね」と受け止めることが共感的理解だとされています。
でも、それをされて「カウンセラーって共感しようとしてくるからキモイよね」という言われているのも聞いたことがあります。なんかわかる気がします。←共感的理解(笑)
*でもやっぱり「あ、それわかる」って言ってもらいたいという気持ちもあるのではないでしょうか。
セクシャルマイノリティの気持ちをセクシャルマイノリティではない人から「わかるよ」とは言われたくないですが、別のセクシャルマイノリティから「わかるよ」と言われて救われることはあります。
ただ、マニュアル化するとすれば「わかるよと言ってはいけない」が正解でしょう。1それもわかります。
逆転の共感的理解
ところで、Kojunのカウンセリングではどうなっているかといいますと・・・・
よく言うのは、「こんな感じなら分かります。あなたがこれと同じだとは言いませんが」と言います。そして、クライアントの反応を受け取るわけです。
つまり、「わかる」と言っていいかどうかというよりは、クライアントの自由な反応を重視するのです。仮説をぶつけてみる感じですね。
そして、一般的なカウンセリングの共感的理解と逆のこともします。
カウンセラーが分かるのではなく、カウンセラーの語りに対してクラインが「それわかるわー」と言ったりします。
共感的理解をするのはカウンセラーではなくてクライアント側だったりします。(笑)
目的は共有できる主観を見つける1ことですので、どっちでもいいのです。