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ショックトラウマ/心の傷

ある出来事によるショックトラウマ(単回性トラウマ、広義PTSD)などについて、人間の正常な反応として捉えた立場からのブログ記事です。

  • 2024-10-20

PTSDやショックトラウマは専門家の助けがなければ回復しないのか

これについては混乱があるようですので、私の意見を書いてみます。 PTSDとASDの区別 まず、PTSDは時間の経過とともに自ずと解消されてゆくものではないのですが、それはいわば定義のような側面があります。自ずと解消してゆくものは急性ストレス障害(ASD)と呼ばれて、区別されています。つまり、「PTS […]

  • 2024-06-13

ポリヴェーガル理論への想い

私は日本でまだポリヴェーガル理論が広まっていなかった頃から、当時ひっそりと開催されていた講座などに参加して学んでいました。ですので、ポリヴェーガル理論に親しみを持っています。ポージェス博士のメッセージにも賛同するものです。私のトラウマ当事者、サバイバーの声を代弁する「正そうとしてむ上手くゆかない」と […]

  • 2023-03-26

トラウマにおける「希望」

トラウマインフォームドケアが大切なものと指摘するHEARTSというのがあります。そのなかの「H(Hope)-希望」について書いてみます。 私の心理カウンセリングで実感するのは、他者の事例が希望になるということです。プライバシー保護のために仮想事例を話すことになるのですが、あるいは詳しく話さなくとも、 […]

  • 2022-12-21

トラウマと恐怖症の違い

Kojunはいわゆるショック・トラウマの他に、アダルトチルドレン(AC)の悩みを広義トラウマと呼ぶことがあります。トラウマがその全てではありませんが。 ※「広義」とつけるのは、診断名PTSDに限定しないという意味です。 ここでは医学的な診断基準や学術的な権威ある定義の説明ではなく、私の考え方を三校と […]

  • 2022-12-09

性被害トラウマのセラピー・アプローチの観点

性暴力被害トラウマについて、アプローチを考えるために私がクライアントと話し合う観点を紹介します。 ここではあえて観点のみを挙げて、どの場合はどの手法がよさそうという意見は書かないことにします。 ご自身が何を望んでいるかを知るヒントになればと思います。何を望んでいるかを知ることで、克服・回復への行動が […]

  • 2022-09-29

ポスト・トラウマティック・グロース

ポスト・トラウマティック・グロース(PTG)について、「頑張って乗り越えたら人生の価値になる」と説明されていることがありますが、ちょっと違うのではないかなと思います。 なにもストレスがないよりも、適度に苦難がある方が、人は幸せになるということは統計研究がいろいろあるようです。 ですがそれは適度なスト […]

  • 2022-07-16

「ゆるす」とは「ゆるさない」こと

被害体験のある人から「ゆるすってどういうことですか?」と訊かれることがよくあります。セラピストから「ゆるす」という危うい言葉は使わないのにです。 前提は「ゆるせない」苦しみ セラピストが「ゆるせない」苦しみを知らなければ、その問いの意味すらわかりません。 ですから、支援者が答えても答えなくても、クラ […]

  • 2022-07-09

ショックトラウマの扱い

ある出来事(虐め、性暴力、暴力、裏切り)のショックを身体や心が覚えて現在の生活に影響が起きているようなケースをショックトラウマとか広義PTSDと呼んでいます。 ショックトラウマのご相談もありますし、他のお悩みを扱う心理セラピーの一部としてそのテーマが表れることもあります。 PTSDに適応する心理療法 […]

  • 2022-07-02

トラウマ克服のために恐怖や怒りの感情を扱う

暴力被害トラウマなどの場合は、恐怖や怒りの感情の扱いについて書いています。実際には様子をみながらカスタマイズして行います。 また、様々な手法があるので、ここに挙げていることが全てではありませんし、異なる立場をとるものもあります。 ここではよく知られたPE、CPT、IPTなどとは少し異なるところを挙げ […]

  • 2022-06-26

社交不安・対人不安が解消した人たち

社交不安について、次のような解説がよくあるそうです。 「不安は必要なものであり、なくすことは困難。よって、不安と適切に付き合ってゆくことが治療目標である」 最近は「with 〇〇」が流行っていますので、「with 社交不安」も今風かもしれません。 しかし、深層セラピーをしていると、解消しちゃう不安の […]

  • 2022-03-30

専門家は当事者ほどショックトラウマを知らない

専門知識と「知っている」ではない 症状について熟知していても、当事者を診たことあるとしても、それはPTSD等のショックトラウマを知っていることにはならないと思います。 ある女子中学生が同級生たちに継続的に性暴力を受け続けて自死に至った事件がありました。 自殺に先立って精神科医からPTSDの診断を受け […]

  • 2022-03-27

「広義PTSD」という言葉を使う理由

私のところで扱う虐め被害や性暴力被害のPTSDについて、少し以前から広義PTSDという表記にしています。医学的診断名と区別するためですが、それについてちょっと書いてみます。 ※追記 かつてはショックトラウマと呼んでいたのですが、それに戻してもよいかなと思っています。 流行りの症状-診断名-療法選択モ […]

  • 2022-02-02

老年期理論から中年期を生きるヒントを得る

老年期に関するトピックは学びの宝庫かと思います。 多くの人は老年について考えるこたを避けます。考えると老けるから、実感がない、思い当たることから目を背けたいなどの理由があるようです。 しかし、これに目を背けると社会や人生が見えなくなってしまいます。超高齢化社会は、高齢者が増殖するのではなくて、あなた […]

  • 2022-01-11

トラウマを治すのではなくトラウマを癒す

トラウマに限らずですが、個人の心理的な問題の解決支援には、いくつかの層があるように思います。それぞれについて書いてみます。 あなたが必要とする支援を探すヒントになるかもしれません。 お勧めしていないアプローチ 報酬と罰で人を変えようとする これは叱る、説教するというアプローチです。家族が電灯を消さな […]

  • 2021-12-29

恐怖に関するお悩み

ラザルスという人の認知的評価理論によると、恐怖が強まるのは次の2つがYESと認知された場合だそうです。 A.それは脅威(危険)であるB.それは対処できない これを参考に、恐怖に関するお悩みについて、大雑把に異なる種類があることを見てみましょう。 ここでの分類は一般的な診断基準とは異なります。心理セラ […]

  • 2021-06-15

性暴力/虐め被害 – 「闘い」は「戦い」とは限らない

差別との闘いについての議論で「戦わなければ負けだ」という言葉を聞いて、ふと思い出しました。それは違うと言っておきたいと思います。その議論を聞いていた人の中に、暴力被害者がいるかもしれないと思ったからです。 ※閲覧注意。暴力に関する記述あり。 虐めや性暴力の被害者で、腕力での抵抗(戦い)をあきらめた人 […]

  • 2021-04-29

トラウマ克服のアフターケアと再決断療法

心理セラピーに手応えがあったとき、Kojunがよく「その感覚をよく覚えておいてください」と言います。 それはせっかく解消したトラウマに戻ってしまうのを防ぐためです。 ※ここに書くのは、権威者による定義・解説の二次情報ではなくて、私の私見です。 「再決断」はコミット宣言ではない Kojunの心理セラピ […]

  • 2021-04-26

大人の虐め被害、過去の虐め被害によるトラウマ

職場の虐め被害、および子供の頃の虐め被害によるトラウマ、すなわち大人のケースについて書いておきたいと思います。 自分原因、他者原因 ひと昔前は、大人が職場で虐められているという場合、「ご自身の中にも原因(虐められやすさ)がある。それを解消しない限り職場を変わっても同じことが繰り返されるでしょう」とい […]

  • 2021-01-07

「性被害」の心理セラピー

主に当方で行っている性被害トラウマに関する心理セラピーを説明します。 ※ショック反応がある方は無理して読まないようにご注意ください。 性被害セラピーの対象 長期化する側面 性被害については、出来事からある程度年数が経過した心の傷を主に扱います。 「嫌いな人を拒むことが難しい」「好きな人に近づけない」 […]

  • 2020-12-27

性暴力被害の直後の相談

Kojunのところでちょっぴり多め 私は性別越境しているせいか、ずっと人に話せなかったという性暴力被害のトラウマに関するご相談がちょっぴり多めです。 Kojunの心理相談/心理セラピーに来られる方の依頼で多いのは、ある程度時間が経過した過去の出来事についての心の傷の癒しやPTSD症状の緩和です。 ど […]

  • 2020-06-14

恐怖や不安について思うこと

恐怖とか不安というようなものについて、思うことがあります。 たとえば犬恐怖症の場合、犬に噛まれることを自動的に想像していたりします。 そんな人に「噛まないよ」と助言する人がいますが、ちょっと外している感じがします。「噛まれそう」ということと「噛まれたら大変」ということは別のことなんですね。 恐怖や不 […]

  • 2019-12-19

心血を注いだ仕事をクビになったときのショックについて

終身雇用の神話が崩れた今日、心血を注いだ店舗や仕事をクビになるということが、人生の中で起きることがあります。 収入面の心配だけではなくて、「あなたはいらない」と言われたことのショックが起きるかれません。 「クヨクヨしていても仕方ないので、次へ向けて進んでいく」ことになります。が、新しい状況に進んでも […]

  • 2019-09-25

「ゆるす」とは、自分の怒りをゆるすことでもある

「ゆるせない」という体験を通り抜ける 私ね、殺したいほど腹立つ人がいます。拳で私の頭を叩いてきたあの人よりも、馬乗りで私の服を脱がそうとしたあの人よりも、騙してお金を取ろうとしたあの人よりも、その人だけはどうしてもゆるせません。 でも、平気なふりをしてきました。そうしていないと、暴れてしまいそうでし […]

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