老年期理論から中年期を生きるヒントを得る

老年期に関するトピックは学びの宝庫かと思います。

多くの人は老年について考えるこたを避けます。考えると老けるから、実感がない、思い当たることから目を背けたいなどの理由があるようです。

しかし、これに目を背けると社会や人生が見えなくなってしまいます。超高齢化社会は、高齢者が増殖するのではなくて、あなたが高齢になる社会です。

生きづらさのある人が中年期を生きるヒントでもある

老年期に関する各論は、なんらかの生きづらさを持つ人、「普通」を生きることができない人に生きるヒントを与えます。

老年期を幸せに生きるというテーマの各論はポスト・トラウマ・グロースと何かが似ているように思います。

知っておきたいキーワードは「エイジング・パラドックス」「統合か絶望か」「老年的超越」「SOC理論」です。

エイジング・パラドックスとPTG

エイジング・パラドックスは、歳をとると能力や可能性などを失ってゆきますが、ある時点から悩みが減り、幸福を感じるようにもなるという現象をさします。

これが起こり得ることであるということを知っておくことは有益でしょう。

これは起きてしまった不運な出来事を通過した人が幸せになる過程にも似ています。

トラウマのセラピーなんかでも、不運な出来事や生い立ちがなかったことになるのではなく、それを超越してゆくということが起こります。

「統合か絶望か」はエリクエリクソンの有名なライフサイクル論で老年期の心理発達課題を表す言葉です。

統合とは、それまでの人生の清濁を併せ飲むようになることと言えるでしょう。

これらもPTG(ポスト・トラウマ・グロース)に似ています。

苦しみを授かった人は、老年期に得られる英智と早くに出会う運命と言えるかも知れません。あんまり嬉しくはないかも知れませんが。

クライアントがセラピー後にみせる笑顔を想います。

老年的超越と自己一致

老年的超越は最近亡くなったトーンスタム氏の理論で、老いによって、他者の評価に支配されなくなったり、歴史や人類との一体感を味わうようになったりするというものです。

他者の評価に支配されなくなる等は、セラピーのクライアントの変化とよく似ています。

歴史や人類との一体感はいわるゆワンネスのことでしょう。

これらは心の苦痛をやわらげます。この苦痛はネガティブ感情のことではなくて、スピリチュアルペインと呼ばれているものでしょう。

身の危険を感じるなどのネガティブ感情は動物にもありますが、スピリチュアルペインは人間特有です。

Kojun流に説明すると、スピリチュアルペインは「自分を責める苦痛」です。

SOC理論と「いまここ」「あるがまま」

SOC理論は「選択して、最適化して、補う」という老年期の適応方略のことで、これも生きづらさを持つ人の方略に似ています。

「選択」は何かを手放すということ。「最適化」は標準に支配されなくてよいということ。「補う」は自分以外の力を使う、助けを受け取るということ。

マウンティングの必要ない生き方とでも言いましょうか。

参考
『老年的超越―歳を重ねる幸福感の世界』ラーシュ・トーンスタム著

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