- 2024-03-13
グループセッションと場の理論
クルト・レヴィンという社会心理学者が物理学から取り入れた「場の理論」について、私の実践的解釈を紹介したいと思います。 場作りの「場」 グループワークや会議などで、「場作り」が大切とされます。しかし、なんとなく雰囲気のことと思っている人が多いかも知れません。 また、社風や虐めなども「場」の問題でしょう […]
クルト・レヴィンという社会心理学者が物理学から取り入れた「場の理論」について、私の実践的解釈を紹介したいと思います。 場作りの「場」 グループワークや会議などで、「場作り」が大切とされます。しかし、なんとなく雰囲気のことと思っている人が多いかも知れません。 また、社風や虐めなども「場」の問題でしょう […]
私は自然科学(と科学哲学)を学んだことがあります。そんな人に心理を扱えるわけないと言う人もいますが、物理化学の出身の心理の専門家はけっこういます。 心理セラピーを学ぶ人たちに興味をもたれる反還元主義について書いてみます。 還元主義の限界 還元主義とは部品に分解することで理解できるという考え方です。正 […]
臨床心理学は科学だという主張がありますが、そこには数学が不足していたような印象があります。 数学といっているのは数値データを扱うことではありません。計算や集計をすることでもありません。どちらかというと集合論のことです。 データを使って白黒ハッキリさせるみたいなことは「争い」であって「科学」ではないと […]
DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き)の診断基準の一部を、あえてAIのニューラルネットワークで表現してみようと思います。心理臨床家のための、DSM-5を使った人工知能入門でもあります。 なんだか大袈裟なタイトルになってしまいましたが、目的は次のとおりです。 なお、話はとっても単純化しています。 […]
昨今の第3次AIブームは、「専門知識をつめこむことで優秀なカウンセラーが育成できるわけではない」ということを示唆しているように思います。 かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を学んでいた心理セラピストが、AIメタファーによって、心理カウンセラーの暗黙知の理解を試みます。 ※この記事はAI研究から […]
かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を専攻した心理セラピストが、個人的な視点を呟きます。 ここではAI(人工知能)によって心理療法ができるかという話ではなく、AIを通して心理療法の理解を深める試みをしてみます。 (認知科学では、実際の脳の詳細構造を明らかにするのではなく、むしろ単純化されたモデル […]
情報科学/IT業界を経験しております私からすると、心理とITは共通する部分があります。 コンピュータシステムせよ、管理システムにせよ、機械的な理想論ではなく、人間の心理を踏まえた現実論が生き残ってきました。 臨床心理学は各業界の中に潜んでいるのですが、ここでは2つ業界そのものについて感じることを書い […]
第5回公認心理師試験の問78について、私の考えを書いてみます。 虐待という問題を善悪で捉えるのかというテーマと関係しているかと思います。 問78はこんな内容 小児科外来で、医師が2日前に階段から転落した乳幼児の診察中に、虐待が疑われる外傷を認めた。医師が更に診察を行う間、乳幼児を連れてきた親の面接を […]
洞察はときに盲目の原因となる ポール・ワラウィック そうだなと思います。 短期療法という言葉は、過去や原因を扱わずに、解決に焦点をあてようという意味で説明されること後多いです。 精神分析の提供する原因論は役に立たないと。 私は短期療法で、解決に焦点をあてますが、精神分析(ただし本人中心の)や原因探し […]
ネイティブセラピストの特徴に当事者視点があります。それは支援者都合の支援、社会都合の支援 へのアンチテーゼでもあります。 社会都合の支援は「ありのまま」をゆるさない 社会都合の支援とは、たとえば就労させることを目的とした自立支援福祉サービスなどです。 支援者都合の支援というのは、症状を消す目的だけの […]
心理療法の分野では標準化されたものがよいという価値観もあります。 標準化というのはマニュアル化されていて、誰がやっても同じ結果が期待できるるというような意味です。 ※工業やIT分野では異なる意味で「標準化」という言葉が使われていて、興味深いです。(参考:) でもそれは、研究者や行政にとってよいってこ […]
主に広義トランスジェンダー女性の雇用について、採用関係者のあなたが困っている本当の理由。 差別反対の文章でもないし、対策ガイドでもありません。ここではリアルな当事者体験から意見を書いてみます。 最重要ポイント 機会か、対策か トランスジェンダー採用について何らかの対応を検討するとき、次のうちどちらな […]
よく対人支援(とくにカウンセリング)やお友達の悩みを聴くときに、「余計なアドバイスはしない方がよい」と言われます。 これを形式的に学んだカウンセラーが何も意見を言わずに「そうですか」しか言わないなんて不満を聞いたこともあります。 また、友達の悩みに対してアドバイスしたら、「アドバイスなんか求めてない […]
私はご本人からの依頼しか個人セッション(カウンセリング)を提供していませんが、「あの人を助けてください」と言われることはたまにあります。 「私の息子が死にたいと言っています。カウンセリングで止めてください」というご相談。 こういうのは引き受けません。息子さんにお金を渡して、息子さんが依頼してくるなら […]
二次利得という言葉 心理支援の分野に「二次利得」という言葉があります。これは病気やトラブルを抱えている人が、それによって得ていること(優しくしてもらえる、仕事をしなくていいなど)のことです。 本人が病気やトラブルを手放そうとしない原因を説明するために使われます。 「二次利得」、ときに人を馬鹿にした言 […]
私が尊敬する心理カウンセラーは、私がクライアント(来談者)として訪れたとき、例外だらけの私から学んで私にセッションを提供しました。そうして、それまでに出会った支援者たちが扱えなかったテーマを解決に導いたのです。 本物の心理カウンセラーというのは、学術文献や養成所で学んだことを成果としてカウンセリング […]
セラピー的な場のファシリテーターへの指導で、参加者が感情的になった場合に「コンテインせよ」というのがあります。一般的な研修講師に求められる「ホールドせよ」と混同されているようなので、それらは全くべつのことという私の見解を述べています。 コンテインは溢れ出した感情を安全に受け止めるという感じです。それ […]
技術や心理学を学んでもセラピストにはなれないと思います。 それは、いくつかのちょっとドキッとする実体験から学びました。その話はしませんが… 心理学や手法手順を学んでもなれないのは、葛藤に付き合う場面があるからです。 それは「あなたは何を恐れていますか?」という質問をする役みたいなものです。 ※実際に […]
LGBTQ・ダイバーシティに関する世の動きをみていて思うこと。「緊急的な差別対策」と「本当のダイバーシティ推進(多様性の受容れ)」は、別の活動ではないかと。つまり、ダイバーシティには、2つのアプローチが存在していると思います。 アプローチ1:LGBTは変ではない 1つは、「LGBTは異常ではない」と […]
ざっと知っておこう。そんな方のための入門ガイドです。 このページ(の前身)、社内勉強会でも使われているようです。 企業の反応 企業CM 時代を反映するとも言われる企業CMを見てみましょう。 This is wholesome 健康な家族(非典型な家族を指しているようです)に健康な食事。同性愛カップル […]
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