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援助者向け

  • 2023-10-22

臨床心理学と数学的発想

臨床心理学は科学だという主張がありますが、そこには数学が不足していたような印象があります。 数学といっているのは数値データを扱うことではありません。計算や集計をすることでもありません。どちらかというと集合論のことです。 データを使って白黒ハッキリさせるみたいなことは「争い」であって「科学」ではないと […]

  • 2023-07-27

AI視点でアセスメントを俯瞰する – DSM-5診断基準を例に

この記事はどちらかというと臨床家向けです。 DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き)の診断基準の一部を、あえてAIのニューラルネットワークで表現してみようと思います。 心理カウンセラーのための、DSM-5を使った人工知能入門でもあります。 なんだか大袈裟なタイトルになってしまいましたが、目的は次の […]

  • 2023-07-08

専門知識つめこみでは、優秀な心理カウンセラーが育成されない(AIメタファーによる暗黙知の理解)

昨今の第3次AIブームは、「専門知識をつめこむことで優秀なカウンセラーが育成できるわけではない」ということを示唆しているように思います。 かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を学んでいた心理セラピストが、AIメタファーによって、心理カウンセラーの暗黙知の理解を試みます。 ※この記事はAI研究から […]

  • 2023-06-26

人工知能からみた心理療法

かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を専攻した心理セラピストが、個人的な視点を呟きます。 ここではAI(人工知能)によって心理療法ができるかという話ではなく、AIを通して心理療法の理解を深める試みをしてみます。 (認知科学では、実際の脳の詳細構造を明らかにするのではなく、むしろ単純化されたモデル […]

  • 2023-04-19

心理支援の統合アプローチ:IT業界の標準化を参考に

情報科学/IT業界を経験しております私からすると、心理とITは共通する部分があります。 コンピュータシステムせよ、管理システムにせよ、機械的な理想論ではなく、人間の心理を踏まえた現実論が生き残ってきました。 臨床心理学は各業界の中に潜んでいるのですが、ここでは2つ業界そのものについて感じることを書い […]

  • 2022-08-30

公認心理師制度の気になるところ

気になるところを書いておきます。 参入障壁が目的みたいになっている 学歴による参入障壁のための制度みたいになってしまっています。 「院卒でないと受からないくらい難しい試験」ではなくて「院卒でないと受験させない試験」となっています。 「私たちは大学院で頑張って学んだのだから、そうではない人たちに受験資 […]

  • 2022-07-20

虐待は善悪の問題か?

第5回公認心理師試験の問78について、私の考えを書いてみます。 虐待という問題を善悪で捉えるのかというテーマと関係しているかと思います。 問78はこんな内容 小児科外来で、医師が2日前に階段から転落した乳幼児の診察中に、虐待が疑われる外傷を認めた。医師が更に診察を行う間、乳幼児を連れてきた親の面接を […]

  • 2022-03-29

「洞察はときに盲目の原因となる」

洞察はときに盲目の原因となる ポール・ワラウィック そうだなと思います。 短期療法という言葉は、過去や原因を扱わずに、解決に焦点をあてようという意味で説明されること後多いです。 精神分析の提供する原因論は役に立たないと。 私は短期療法で、解決に焦点をあてますが、精神分析(ただし本人中心の)や原因探し […]

  • 2021-12-26

当事者は支援から逃げたくなるもの

ネイティブセラピストの特徴に当事者視点があります。それは支援者都合の支援、社会都合の支援 へのアンチテーゼでもあります。 社会都合の支援は「ありのまま」をゆるさない 社会都合の支援とは、たとえば就労させることを目的とした自立支援福祉サービスなどです。 支援者都合の支援というのは、症状を消す目的だけの […]

  • 2021-12-16

標準化できない心理セラピー

心理療法の分野では標準化されたものがよいという価値観もあります。 標準化というのはマニュアル化されていて、誰がやっても同じ結果が期待できるるというような意味です。 ※工業やIT分野では異なる意味で「標準化」という言葉が使われていて、興味深いです。(参考:) でもそれは、研究者や行政にとってよいってこ […]

  • 2021-03-07

採用担当者のためのトランスジェンダー入門

主に広義トランスジェンダー女性の雇用について、採用関係者のあなたが困っている本当の理由。 差別反対の文章でもないし、対策ガイドでもありません。 ここではリアルな当事者体験から意見を書いてみます。 最重要ポイント 機会か、対策か トランスジェンダー採用について何らかの対応を検討するとき、次のうちどちら […]

  • 2020-07-14

余計なアドバイスは赦しのプロセスを妨げる

よく対人支援(とくにカウンセリング)やお友達の悩みを聴くときに、「余計なアドバイスはしない方がよい」と言われます。 これを形式的に学んだカウンセラーが何も意見を言わずに「そうですか」しか言わないなんて不満を聞いたこともあります。 また、友達の悩みに対してアドバイスしたら、「アドバイスなんか求めてない […]

  • 2020-03-28

「死ぬな」と言うのが対人支援とは限らない

私はご本人からの依頼しか個人セッション(カウンセリング)を提供していませんが、「あの人を助けてください」と言われることはたまにあります。 「私の息子が死にたいと言っています。カウンセリングで止めてください」というご相談。 こういうのは引き受けません。息子さんにお金を渡して、息子さんが依頼してくるなら […]

  • 2020-02-07

「二次利得」という言葉で人を裁かないで

二次利得という言葉 心理支援の分野に「二次利得」という言葉があります。これは病気やトラブルを抱えている人が、それによって得ていること(優しくしてもらえる、仕事をしなくていいなど)のことです。 本人が病気やトラブルを手放そうとしない原因を説明するために使われます。 「二次利得」、ときに人を馬鹿にした言 […]

  • 2020-01-30

私が尊敬する心理カウンセラーの特徴

私が尊敬する心理カウンセラーは、私がクライアント(来談者)として訪れたとき、例外だらけの私から学んで私にセッションを提供しました。そうして、それまでに出会った支援者たちが扱えなかったテーマを解決に導いたのです。 本物の心理カウンセラーというのは、学術文献や養成所で学んだことを成果としてカウンセリング […]

  • 2019-10-26

ファシリテーターのコンテイン力とホールド力は別物

セラピー的な場のファシリテーターへの指導で、参加者が感情的になった場合に「コンテインせよ」というのがあります。一般的な研修講師に求められる「ホールドせよ」と混同されているようなので、それらは全くべつのことという私の見解を述べています。 コンテインは溢れ出した感情を安全に受け止めるという感じです。それ […]

  • 2019-05-30

セラピーの適切介入

カウンセリングやセラピーでの「介入」とは、ちょっと話の腰を折ったりすることを指します。 たとえば、「本当の問題は何か?」という介入があります。 前提として、人は本当の問題を偽の問題にすり替えていることが多いということがあります。 たとえば、「営業成績を上げるには?」という相談テーマ。本当の問題は「営 […]

  • 2018-12-04

技術や心理学を学んでもセラピストにはなれない

技術や心理学を学んでもセラピストにはなれないと思います。 それは、いくつかのちょっとドキッとする実体験から学びました。その話はしませんが… 心理学や手法手順を学んでもなれないのは、葛藤に付き合う場面があるからです。 それは「あなたは何を恐れていますか?」という質問をする役みたいなものです。 ※実際に […]

  • 2017-12-14

ダイバーシティへの2種類のアプローチ

LGBTQ・ダイバーシティに関する世の動きをみていて思うこと。「緊急的な差別対策」と「本当のダイバーシティ推進(多様性の受容れ)」は、別の活動ではないかと。つまり、ダイバーシティには、2つのアプローチが存在していると思います。 アプローチ1:LGBTは変ではない 1つは、「LGBTは異常ではない」と […]

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