相談したいけど、秘密を話したくない。人に言えない悩み。
はたして、秘密をばらされることが心配なのでしょうか?
本当は何を心配しているのか?
もしかすると、説教されると思っていませんか?
一例として、「リストラされたが、どうしていいか分からない」という状況を挙げましょう。
人に相談すると、「現実をみましょう」とか、「自分の人生は自分の責任です」、「会社は悪くありません」というようなことを言われたりします。ネット上にも自業自得だというコメントが沢山あります。
人の弱さを見ると喝をいれたくなる人もいます。親身に相談にのろうと思っている人も、相談者がグズグズしていると、ついそのようなことを言いたくなるわけです。
まあ、正しいのでしょう。正論というものです。
一方で、あがらえない大きな力に襲われたとき、ある種のトラウマ的な状態が発生します。
リストラの例ですと、体験した人にしかわからない「ドスで刺されたような感じ」というのが起きて、感情麻痺かつ不安定というような状態が続きます。(心が弱いからそうなるのではありません。再就職支援会社が必ずそうなる心理技法を教えているだけです。それに耐えられない人が防衛反応として「ちょうどいい機会だ辞めてやらぁ」となるように。あんまりバラさない方がいいのかな)
リストラの例に限らず、あなたが同様の切羽詰まった心理状態のとき、心理セラピストやカウンセラーを訪れるとしたら、反省や対応決断の前に、その特殊な心理状態に対処する必要があると直感的に分かっているのでしょう。
あなたがそれを話しずらいのは、秘密をばらされることを心配しているのでしょうか? 秘密の問題はあるでしょう。しかし、本質的には、誰かに説教されるのではないかと心配しているのではないでしょうか?
あなたが探している相談相手は、秘密を守ってくれる人というよりは、説教しない人かもしれません。
相談すると何が得られるのか?
さて、切羽詰まった心理状態のとき、心の中のある部分がへし折られていたりします。それを修復する方法というものがあります。そうすることでやっとまともに考えることができるようになります。心理セラピストはそこに関心があります。
自業自得であろうと、なかろうと、それは起きるわけです。
セラピストは正論に関心がありません。そんなことは、本人も知っている、もしくは後で自分で気づけばいいことです。
※ある種の対人不安がある場合、説明や沈黙が説教のように感じられることはあるようです。そのときどうするかはご自身で決めることができます。
問題の心理状態が起きるメカニズム、解消するメカニズムには、正論はほとんど関係ありません。この機会に社会に適応する人間になってもらおうなんてことは、正直どうでもよいです。ですので、ある種のまともなセラピストは社会通念が弱かったりします。
自業自得かどうかは関係ありません。人生に起きるすべての事は自業自得ですが、それが何か?