心理セラピストが栄養学を学ぶとき

心理職として、いくらか関心があるのは「よい睡眠のためにどんな食事をすればいいですか?」みたいな問いです。まあ、そういうことは、保健師とか栄養士とかAIに尋ねてくださいと言いたくなるけれど、私もなんとなく気になってきます。ホルモンだのビタミンだのについて知りたくなります。

そんなこんなで、栄養や健康の本を読んでみますが、情報が多くて嫌になります。

ですが、ここからが心理セラピストらしいところです。たぶん…

情報が多くても嫌にならない自分とはどんな自分だろうかと考えます。すると、その分野の全体像とかロードマップがある人ということになります。

たとえば、「必須ビタミンは13種類ある」なんてことです。よく「そんなの試験に出ない」とか「そんな数字を覚えても役に立たない」と言われます。たしかに直接は役に立たないのですが、個々のビタミンについて学ぶときの心理的負荷が軽くなるという意味で役に立つのです。(人によって違いもありますが)

「13個の中の一つについて学んでいる」という文脈と「いくつあるか知らない(なんとなく無限にあるかのように思える)中の一つについて学んでいる」という文脈では、情報の入りやすさが違うのです。また、「13種のうちの5つについてはよく知っている」というように自分の位置もわかります。位置感覚と結びつくことで記憶はしやすくなります。簡単に言うと、情報が無味乾燥ではなくなるってことですね。ですから、可能なら13という数をとっとと覚えてしまおうとします。

「え、そこから?」と言われます。そうです。

素数かあ。

13というと、家族人数より多く、学級生徒数より少ないくらいですね。学校の先生の仕事よりは楽そうです。

コンビニのポテチの種類と同じくらいでしょうか。タバコの種類よりは少ないですね。コンビニ店員さんよりは楽そうです。

精神疾患の診断マニュアルのカテゴリー数に近いか。

とはいえ、この数字を覚えるのもなかなか難しいです。すぐに忘れてしまいます。

そこで、AIに「必須ビタミンが13種類である理由を述べよ」と無茶振りをしてみます。AIは「必然性はない」としたうえで、必然性がないからこそ素数なんだとか、人間は歴史的に素数を尊んだり怖れたりしてきたなんてことも言い始めます。

まあ、「人間や生物の進化の過程が計画的ではなかった」なんてことがジワジワと感じらてきます。そうすると、割り切りのよい数字で作られた、24節季とか12タイプとか4分類とか自然科学ではなくて、人間の「分かりたい」という欲望を押しつけて作られたものらしいと思えてきます。

これはクライアントを無理やり心理学に当てはめるのか、ありのままのクライアントを見るのか、みたいなことにも似ています。

13には必然性はない。では、次に人類の歴史の中で「13」はどのように扱われてきたのか? 無視されてきたのか? キリストを裏切ったのが13番目の弟子であったとか、イレギュラーの象徴のように使われる傾向があります。「割り切れないもの」ですね。そうすると、必須ビタミンの数は、人体の神秘が「割り切れると思うなよ」と言っているのようにも思えてきます。

はい、これで「必須ビタミンは13種」というのを覚えることが出来ました。これは、意味ネットワークに組み込むか、エピソード記憶と繋げるかすることで、記憶を定着させるという、認知科学的な学習アプローチでした。

これが心理セラピストの学び方…私だけか。

ちなみに、発見されている素粒子は17種だそうです。必須ビタミンも必須アミノ酸も抜かされましたね。というか、素粒子の種類よりも少なく抑えた人体ってすごいですね。

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