インターネット検索だけで解決しない心の問題

心の問題を解決するために調べるとして、インターネットで調べても出てこない情報というのがあります。

インターネットで調べて分かることなんて、けっこう薄っぺらい知識だったりすることもあります。統計情報などは役に立つことがあります。

とくに、インターネットで自分の悩みのついで調べて、「○○障害、当てはまるわー」みたいなことで、情報を得たと思わない方がよいです。ただラベリングの罠にはまっているだけ、ということが多いです。

「知識は心の問題を解決しない」と心理療法家のある師匠は言いました。

体験者や関係者の生々しい声を直接聴きに行く必要があります。やらかしたこと、迷惑をかけたこと、ずるいことした、諦めたこと、など一筋縄でいかないどろどろな話を先人から聞きます。答えのないところに、どうやって答えをつくったかです。

テキストにならない情報

これは話の文脈やタイミングを図らないと伝えることができない情報です。聞き手の体験を伺って、それを前提にしないと言葉が選べないというもの。

これは体験を通さないとわからない内容と言い換えてもよいです。人に変化をもたらすのはこのような体験に結びついたインタラクティブな情報です。

当事者やその家族の生々しい話などもテキストでは伝わらないことが多いです。

ネット上に書けない情報

ネットで公開できない情報があります。例えば、社会の常識に反することや、誰かにとって都合の悪いこと、情報提供者の秘密に関わることなどは、ネット上には書かれません。

たとえば、専門家が役に立たなかったという情報も書きにくいです。個人的な悪口ではなく、ここで言うのはもっと大局的な情報です。家族の会や支援団体が大規模に活動する中でわかった「権威ある専門家が役に立たなかたこと。それはなぜか」などの重要な情報は大きな声では言えないことがあります。講演などでは「大きな声では言えませんが」と話されることがあります。

人間の弱さや醜さにかかわることなど、こちらが赤裸々な開示をしないと教えてもらえないこともあります。

これこそが本当の「情報」と呼ぶにふさわしいと思います。

また、「就労を引きこもり支援のゴールにしてはいけない」とか「べつに男性同士でセックスしてもよいと思います」とか、時代によっては言ってはいけない真実もあります。

心の悩みの克服プロセスでは「カウンセリングで傷つくのもプロセスのうち」なんてことも大切な学びになりますが、そんなことを心理職が書いたら不道徳だと叱られます。

アクセスを集めない情報

ネット上の情報は多くの場合、アクセスを集めるために公開されています。ですので、誰かの商売に誘導できる情報、ウケのいい情報などが主になります。

たとえば、ある種の心の病については「あなたの周りの困った人」というような記事は多くありますが、その当事者の役にたつ情報は不足しています。以前「新型ウツは経済損失」という記事はよく売れましたが、当事者の役に立つ記事は売れませんでしたので、殆んどありませんでした。「厳しく指導すべきだ」といった医者の意見などはウケがよかったので掲載されていましたが、赦しの中で成果を出している施設の実態などは記事になりませんでした。

おなじテーマでも、ネット上の記事はウケいいように編集されていることを知って起きましょう。そして、なかなか解決しない悩みに必要な情報はたいたい世間のウケの悪い実践が含まれています。

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