国家資格試験の結果

※この記事が無断で教材販売に使われていたそうですが、私はそのような教材は使っていませんし、販売もしていません。

合格発表があったので、自分の気持ちも振り返っておきたいと思います。

試験の結果

Kojunの合格通知も届きました。

192点(得点率83%)、今回の合格者の中で上位3%(約16,000人の中で約500位)でした。1

私にとっての試験と登録

身近な人の命に関わる諸事情あって受験どころじゃなかったのですが、今後のために受けました。

「知識は人を救わない」という信条は変わりませんが、関連分野について広く浅く学ぶ良い機会になりました。

私は試験や単位のために心理支援の勉強をしたことはなく、クライアントと自身のためだけに実践を学んできました。そんな私からみると、テキストには当事者の声や視点が殆ど全く含まれてい印象ではありました。

試験対策勉強はほどほどに、自分が大切と思う関連資料や関連書籍を読んで過ごしました。有志の自主勉強会には、福祉/教育分野の実務者たちの経験と臨床心理テキストの知識を結びつける役割で参加しました。

資格登録

「資格がないとクライアントが不安になる」と言う専門家もいますが、クライアントに尋ねると不安にならないと言われました。

資格があるから信頼させる心理セラピストか、資格がなくてもクライアントが身を投じてくる心理セラピストか、どちらでありたいかというと後者です。ですが、国家資格となると様々な影響2はありますので、柔軟に考えることにしました。

あらためてクライアントたちに尋ねると「権威や勢力に支配はされてほしくないけど、資格の有無はどちらでもよい」とのことでしたので、諸事情を考慮して、資格登録することにしました。

公認心理師制度の好きなところ

よく考えられた試験問題

第5回は試験問題の質が良くなりました。それまでの暗記知識ではなく理解を試すように変わりました。おかげで私は助かりました。

試験委員の先生たちが業界の将来を想いながら試験問題を作っているらしく、メッセージ性があります。出題の意図を推測する面白さがありました。

公認心理師制度の気になるところ

参入障壁が目的みたいになっている

これは試験委員の先生たちのせいではないのですが、参入障壁のための制度みたいになってしまっています。

ちなみにIT業界は真逆で、誰でも参戦できます。情報工学を専攻していない人がスマフォ・アプリを開発・販売しても文句を言う人はいません。みんな自信がありますから。

オープンにするほど良い人材が集まりIT業界の技術者の収入や待遇はかなり上がりました。高学歴の専門家は、低学歴の技術者を追い出すのではなく、多様な技術者が活躍できるように基礎を整備してくれます。

料理業界も、「調理師免許のない素人は飲食店をするな」などと言いません。みんな自信がありますから。最低限のための食品衛生責任者養成講習会はありますが、参入障壁にはしません。

医師免許の真似をするよりは、オープンにする方が、心理職の低待遇は改善されるのではないかと思います。

ピアノを弾く人が増えたほうが、専門教育を受けたピアニストの価値は上がるでしょう。

地位を高めたいなら、なんでもかんでも業務独占を目指すのではなく、心理支援をする人が増えるほど公認心理師の価値が上がるようにするほうがよいと思います。

均一化と多様性排除

受験資格を大学ルートに限ってゆくのは危険なことだと思います。ルート(受験資格の取り方)は幅広いほうがよいように思います。

というか、多様性を全体の質の向上につなげる(補い合ったり、教え合ったり)ことが出来ないような人たちが心理の専門家になってもしかたないと思います。

全員でなくてもよいですが、社会人経験(その他の様々な経験)をもった心理専門家が心理師の中にいることが必要かと思います。

大学に行ったことがない人がカウンセリングできないというのであれば、社会人経験がない人も、トラウマを克服したことがない人も、カウンセリングできないとも言えるでしょう。

私もたくさんのカウンセリングや心理療法を受けてきましたが、最も助けになった心理カウンセラーは高卒の方でした。

大学で学んだ人しか心理支援ができないというのは本当でしょうか。全ての心理師が同じことを出来なくてもよいでしょう。大学で学んだから出来ること、社会人経験があるから出来ること、元教員だから出来ること、元当事者だから出来ることがあると思います。

大学・大学院でみっちり勉強する公認心理師カリキュラムからは、多様性を広く見渡して業界を作ってくださる視野の広い先生たちが誕生してくることを期待します。

参考リンク

※当サイトの記事には私見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

※当サイトの事例等は複数のケースや情報を参考に一般化して再構成、フィクション化した説明目的の仮想事例です。学術目的の研究事例ではありません。

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