私は心理のテキストを鵜呑みにせず、体験を通して確かめる。
テキスト通りではないことはとても多い。
臨床といいながら、理論の多くの部分が推測でつくられている。
学ぶことで、人そのものが見えなくなる理論も多い。
治療者が治療者のために(治療者が傷つかないために)作られたものも多く含まれる。
「クライアントから目をそらして知識を見にゆくな」というのが、セラピーの先輩たちから学んだこと。知識を得ることは、クライアントから目をそらす先をつくることでもある。
テキストに書いてあることと、目の前のこと、どちらを信じるか問われるときがある。気づきたときには、何かが起きている。
知識はとらわれないためにつくられる。が、知識を学べば、それはとらわれるために使われる。