マインドフルネス、瞑想、ポージングなどは作為的な思考も含めて「なにもしない」状態をつくるんだけど。
「考えるな」という助言はあまり上手くいきません。
「雑念を否定してはいけません」というのも上手くいかないです。
瞑想などの実践について、よく聞かれる「無になるってことですか?」という質問に対して私は「たぶん違うと思います」と答えています。
たしかに、普段の忙しい心の状態よりは、なにもしない、なにも考えない、考えちゃいけないとも考えないわけですが。それは目標の状態。
目標の状態と、方法は別のこと。
他者に誘導を提供する立場なら、マインドフル状態とマインドフルネス法、瞑想状態と瞑想法は区別したほうがよいです。
講座やワークショップの参加者で瞑想が苦手とうったえる人は、道場で目標状態を指示されて、「あなたはまだ出来てません」と言われ続けたと言う。
「思考をやめようのも、それも作為的な思考だからやめなさい」なんて言われると、いじわる禅問答みたいなる。
「するな」という指示はとてま難かしいのです。
「しない状態」をつくるためな「するな」と指示をする道場方式では習得に時間がかかります。
「18回くらい座禅会に通えば、分かる日がきますよ」みたいなね。「2年間くらい修行が必要です」なんてのも聞いたことがあります。
「するな」という指示でできる人は1/3くらいかと思います。
犬恐怖症のひとに「犬を恐がるのをやめましょう」、うつ病でグルグル思考の人に「グルグル思考するのをやめましょう」と言って止まるくらいなら、誘導はいらない。
「する」指示で「しない」状態をつくり、そして出来た時に「それです」と言っさしあげるのが優しいよ。
具体的には「雑念に気づいて戻る」というタッチ&リターンという方法がお勧めです。身体感覚や目印などの戻り先を決めて、揺れては戻るというようにします。チベット僧の瞑想も脳波測定でそうなっていたそうです。