心理セラピスト、心理支援者の種類について、また一つの観点で書いてみます。
今回の観点は、たくさん助けたいセラピストと、ひとりを助けたいセラピスト。
※「助ける」という言葉が上から目線かどうかの議論はここではしません。
もしかすると、あなたは多くの人を助けている支援者(カウンセラーなど)を探していませんか? 有名な人、行列のできるお店に人は行きたがりますね。
「たくさんの人を助けたい」という支援者がいます。多くの人に効果のある手法を学びます。40%の人に効果があった手法よりも70%の人に効果のあった手法を好んで身に着けます。たくさんの人に対応できる、来談された方に高い確率で成果を出すためでしょう。
「ひとりを助けたい」という支援者もいます。そんな表現はしないかもしれませんが。
そもそも心理セラピーとか心理療法というのは、普通の人と同じように出来ないなにかがある、常識的な解決法がうまくいかない、病院や公的なガイドラインにのっかれない人たちが利用していました。公的なところから見捨てられた人たちがたどり着く場所でもありました。
ですので、70%の人に効果がある手法が知られているのなら、ぜひ残りの30%の人たちを支援したいと思う支援者もいるわけです。そのような人たちは、どの手法の成績がいいのかではなくて、自分が得意なことはなんだろうかと考えます。また、「自分のところで上手くいかなかったら、せめて次を探す手懸りを掴んでいただきたい」と考えていたり、ひとりひとりによる違い、まだ答えのないケースに付き合ってゆくことに重きをおいたりします。
答えのある問題が好きか、答えのない(未だない)問題が好きか、とも言えるかもしれません。
「手法に人を合わせることをしないでほしい」と思ったなら、後者のタイプの支援者を探すのもよいかもしれません。
行政も臨床心理学者も「多くの人を助けたい」と思っている。たから、「その人にしか当てはまらないこと」を嫌い、関心がない。
私も「70%に効果があった」なんて言われてもワクワクしない心理セラピストです。
「それでは全ての人を救えないでしょ」と言われたことがあります。ですが、全ての人を救おうと思わないから救える人がいます。相性が合えば例外を扱えるからです。
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