クライアントに大きな変化があっても感動せず

体験的技法は短期間に急激な変化が起きますので、対人支援業のブログやSNSには「クライアントに大きな変化があって感動しました」という呟きが多いです。

私はそういうの、あまりないです。

私がクライアント(来談者・相談者)の変化に感動したと呟かないのは、何故かしら。

「人間ってすごいな」という想いを持つことはありますけど、「クライアントに大きな変化があって感動しました」というのはないです。

どうやら・・・

変化に表裏の両面を見てるようです。

人が何かを克服したときに、「せつない」と言うことがあります。それはセラピーが成功したときに起こります。

何かを解決したり、望みを叶えるとき、それまで大切だったものを手放したり、自分を守ってくれていたものとのお別れと表裏だったりする。

だから、大事な変化があったときは、祝杯をあげる感じではないです。

むしろ、クライアントが祝杯ムードになるのは、ちょっと誤魔化したときです。

もう一つ、その感動は現場だけのもの、ってこともあります。それは、その時その場にあるものであって、伝えることはできないもの。たまに伝えるときもあります。ワークショップなどで当事者目線で事例(をもとにした物語)を話す。話すというよりも、再現します。ワークショップの参加者も涙を流して聞いています。

「クライアントに大きな変化があって感動しました」ということに興味がない。再現することには興味がある。

これまでのクライアント(相談者)はやって見せてくれました。私もやって見せる、再現することに関心があります。

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