「後悔」の癒し方

「後悔」に向き合う内なる作業は、とても繊細で深いプロセスとなります。難しいですが、癒しや成長にもつながる大切な時間にもなり得ます。

ステップ1 後悔の内容を言語化する

まず、何に対して後悔しているのかを具体的に言葉にしてみます。

  • 何が起きましたか?
  • 自分はどうしたかった(出来なかった)のですか?
  • どんな結果や体験を引き受けることになりましたか?

その事件に名前をつけるとしたら?

ステップ2 当時の自分を理解する

後悔とは、今の自分が過去の自分を責める現象です。ここでは過去の自分を扱います。

後悔している今の自分を離れ、時間を巻き戻し、当時の自分を思い出しましょう。

なぜその選択をしてしまったのか? 何がその選択をさせたのか? それを言葉にします。

  • どんな状態でしたか?
  • なにが欠けていましたか?(情報、サポート、気持ちの余裕など)
  • そう選択させた(あるいは選択を妨げた)ものは何ですか?
  • その選択をした背景や考えは?

それらを一言で言うと?

ステップ3 感情を所有する

その後悔はどのような感情でしょうか? それは悔しさ、悲しみ、怒り、罪悪感、恐れ、恥、喪失感、驚き(ショック)、無力感? その感情を味わい、観察してみましょう。ひとつひとつの感情を感じることで、感情の整理や癒しが始まります。

何が苦しいのでしょうか? ぴったりの台詞(「まさかそんなことになるとは」「申し訳ない」など)はありますか? 思い浮かぶ象徴的なアニメーション(荷物がこぼれ落ちる、沼に囚われる、嘲笑されるなど)はありますか? それらを書き出したり、描いたりするのもよいです。

何か別の過去と関係がありますか? そこにいない誰かと関係がありますか? 

苦しみそのものを、目の前に置くように捉え、その本質に触れましょう。

ステップ4 セルフ・コンパッション

そうせざるを得なかった自分に共感し、後悔している自分(の価値観)にも共感し、恥や自責を解毒します。

いまここで後悔している自分が、親友からかけられるべき言葉を自分で探します。

  • たとえば、怒りに対して「それは当時なりに最善だった」
  • たとえば、恥に対して「それでもあなたの価値は素晴らしい」
  • たとえば、絶望感に対して「それは取り返しがつく」
  • たとえば、罪悪感に対して「しかたないさ」

もし友人が後悔していたら、それをよく理解したうえで何を伝えたくなりますか?

ステップ5 価値を見つける

あなたが後悔するのは何を大切にしているからなのか知りましょう。

あなたはなぜそれほどに傷つくのか? 守りたいもの、渇望しているもの、失いたくないもの、どうしても実現したいこと。

そして、本当に大切にしたかったものを思い出します。

ステップ6 未来へ贈る

見つかった価値観をふまえて、今後の自分に、どう活かしてゆくか?

  • 今後は異なる選択をしますか? どの程度出来そうですか?
  • いま出来ることはありますか?
  • 似たことが起きる可能性に対して、どのような心を持ちたいですか?
  • 似たようなことが起きたときに思い出すとよいことは?
  • 今後は何に意識を向けますか?

まとめ 予め選ばれた後悔

以上のような作業は心理セラピーの中でサポートを得ながら進めるともできます。

自分は選択をしているのだという意識が芽ばえたり、自分の選択の影響を自覚するようになれることが、一歩ずつの心の成長に繋がります。

「後悔する」ことは、「後で後悔するなんて思っていなかった」ことを含んでいます。後悔する(ような結果になる)可能性を予測・覚悟すると、さほど人生がバラバラにならなくて済みます。そのような後悔は「予め選ばれた後悔」となります。

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