心の自由とは、自分を信頼できるということ

Kojunの心理セラピーのクライアントの多くが共通して「自由になりたい」と言います。

心の自由を得るために来るのです。

心の自由と不自由

それはトラウマ的な刷り込みに支配されずに、考えたり行動できたりするようになるということでしょう。あるいは、時間が止まっていた心の成長を復活して、自分に従って生きるということでしょう。

では、不自由とはなんでしょうか?

好ましくないとわかっている感情反応や対人関係のパターンを止めれないこと。本当はやりたくないことをしてしまうこと。本当はやりたいことができないこと。

そもそもどうなりたいかわからないということ。

まずはそのように悩みの自覚が必要です。自分の人格特性(身に着けたパターン)のうち、変えたいことはなんなのかを知ることです。

ただ、これでは、心の不自由という心の病を治しましょうみたいな捉え方になってしまいます。つまり、問題を定義しただけで、解決像(どうなりたいかのイメージ)が未だありません。

たとえば、「やりたい仕事ではなく、世間が勧める職につく」という心の不自由を考えてみましょう。このような人が自由になるためには、世間の言いなりにならないということを学ぶ必要があるでょう。しかし、精神的に不自由な人に「世間の言いなりになるな」と教えても、ただ反抗的な感じにしかなりません。

一貫性と臨機応変

解決像、すなわち心の自由のイメージを描くための観点として、一貫性について考えてみましょう。

自己啓発などでは、ブレないことや、一貫性があることは、評価されます。

ですが、ブレないということは、変更しないということではありません。

一度決めたら変更できないというのは、不自由です。

つまり、臨機応変というのは、ブレることではないということです。

臨機応変とブレるの違い、そこに心の自由の解決像を得るヒントがあります。

私は次のように思います。

一貫性のある人は信頼できるが、一貫性を習得した人は信頼できない。

営業などで人を説得する場合、一貫性があると効果的だそうです。リーダーシップなんかも同様ですね。

「やったほうがいい」と本心から思っている人は、言うことが一貫しています。ですので、一貫性のある人は信頼できそうなのです。

だからといって、一貫性のあることを言うように訓練された人というのは、本心から思っていません。

ですから、「あ、その場合は違うかもしれませんね」とか言える人のほうが信頼できます。臨機応変です。

作られた一貫性は信頼できないとも言えます。

一貫性の習得を超えて臨機応変に達すると、より信頼されるかもしれません。

自分自身へリーダーシップを考えるとき、目指すべきは、一貫性がなくても信頼される人になることだと思います。

心の自由は臨機応変

心の自由というのは、臨機応変ができること、すなわち予め決めた態度とは異なる態度をいまここで作り出す権限が自分に与えられているということでしょう。

たとえば、怒りっぽい人が「怒らないぞ」と決意するのは、臨機応変ではないのです。

その瞬間に怒るか怒らないかを決めることができるのが、心の自由です。

つまり、心の自由というのは、現場で予定を変更できる権限を自分に与えているということ。それだけ自分を信頼できるということです。

「怒らないぞ」と決意してたけど怒っちゃったというのは、臨機応変ではありません。自由ではありません。

「怒らなくてもいい」自分を獲得したけど、場合によっては怒るよというのは、臨機応変です。自由です。

つまり、予めプログラムするのではなく、そのときになって応変できるのが自由の特徴です。

ブレるというのは、臨機応変ではありません。

ブレると臨機応変の違いは、精神的に自由かどうかです。

後悔するのは心の不自由の結果でもあります。

後悔することをやめれば精神的に自由になれるということではありません。

決定や実行した時点で精神的に自由であれば、あまり後悔しないという意味です。

「反省はいいけど、後悔はするな」とよく言いますが、反省しても幸せへ向けて改善しないことがあります。

悔やみ反省するなら決定や実行に対してではなくて、精神的に自由でなかったことを悔や後悔しましょう。

勝者は自由で自然にふるまうことができる。彼は前もって決定された、融通のきかないやり方で反応する必要がない。状況の変化に応じて自分の考えを変えることができる。
※引用者注:「勝者」は交流分析の用語で、良好な人生脚本のモデル。

M.ジェイムス/D.ジョングウォード『自己実現への道 ― 交流分析(TA)の理論と応用』p.6

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