感情解放セラピーの注意点

感情を解放するセラピーはセラピストを選ぶということを以前書きました。当たり前すぎて書き忘れていた大事なことを補足します。

感情の解放とは

解放というのは、抑圧や防衛機制などにより無意識に押し込められた本当の気持ち、隠れた感情を感じたり表現したりすることです。感情を出すわけです。これが「感情を出し切る」セラピーという誤解を招いています。

抑圧された感情や苦しみが形を変えて現れるのが、心の病、対人反応パターンの悩みである場合、解放によりそれらが解消するのです。

抑圧が解けて救われることをセラピーでは「解放」とか「カタルシス」とか言ったりします。

ですが、注意があります。

むやみに抑圧を解いてはいけない

抑圧は傷つかないために生じるものですので、深刻なテーマの抑圧を暴いたり解いたりすることは、その人の半生を守ってきたの鎧を脱がせることでもあります。

痛みを知らず、治療効果しか見えない治療者的な人がなどと扱うのは危険となるのはこのためかと思います。

「感情を出させるセラピー危険」などという意見は、そもそも治療者のためのセラピーが背景にあるように思います。

まず第一に、そのプロセスはクライアントが自ら望んで進めるものでなければいけません。ですので、「感情を出させる」は間違いです。ただ、本人の望みに呼応して背中を押すことはありますので、手順マニュアルとしてそれを表現することはできません。

第二に、解放する感情は、解決しようとしているお悩みの原因になっているものを扱います。試行錯誤することはあっても、すべての抑圧を解こうとしているのではありません。ですので、「すべての感情を出しきれ」は間違いです。(セラピストを目指すなら一度やってみてもいいかもしれませんが(笑))

感情を出すことは一側面にすぎない

抑圧は生き延びるために必要であった大切な鎧です。本来はむやみに脱がせるべきものではありません。それを人を変えるために脱がせるというのは、その抑圧の起源となった体験の再現に近いです。

感情を扱うと再トラウマになるなどと誤解している人は、治療者都合で鎧を脱がせるセラピーを見たのでしょう。

何から守ってきたのか知らずに鎧を脱がそうとすると、抵抗が起きて当たり前。

「抑圧」もまた生きてきた自分そのものであり、救われるべきものです。

感情力動の心理セラピーでは、抑圧を解くだけでなく、鎧の代わりになる守りを提供しなくてはなりません。

技術としてセラピーを学んぶサイコロジストは、抑圧を解くことだけ行おうとするので上手くいかないのではないでしょうか。

鎧の代わりが得られるとはどういうことか、それは体験によってしか学べません。セラピスト自身がその体験を知っている必要があります。

実は「感情」だけではない

感情の解放とはいっても、実は扱っているのは感情だけではありません。Kojunは感情に限らず抑圧されたものをLeft behind(置き去りにされしもの)と呼んでいて、それは子供のころの自分であったり、かつて描いた夢、裏切られた期待などでもあります。あるインナーチャイルド系セラピストは「真実」と呼んでいました。

「解放」も感情の解放だけではなく、自分の失われた部分を取り戻すことになります。それは感情的になることではなくて、ゆるすことです。

感情体験を通して、自分をゆるすことを学んでいるわけです。

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