今回は心理セラピーの技法のお話。心理セラピーもいろいろあるのですが、多くのカウンセリングに共通なこと。
セラピスト/カウンセラーはクライアントの話に対して、次のことをしています。
・解釈
・反射
「解釈」は、知識や経験をあてはめて推測した仮説を伝えます。私の個人セッションでも、心理相談の中で使います。相談者のお悩の根本原因を推測したり、解決策を提案したりします。
このブログからお察しのとおり、一般の方がもっている常識や信念とはかなり違った見方をすることがありますが、実体験と専門知識を照合した根拠のある解釈です。
「反射」は、本人の感覚をくみとること。変容プロセスを進めるにはこれが必要とされています。心理相談の中でも、ご自身で探求していただく面で必要となります。
また、「解釈」によってはクライアントの変容プロセスを進めることができなきため、心理セラピーでは「解釈」がさらに減って「反射」が多くなります。
「オウム返し」は、「反射」が習得できていないカウンセラーでも「解釈」しないモードができる方法です。ですので、カウンセリングスクールなどの入門で教えられていたりします。
さて、プロでも習得が難しいと言われる「反射」ですが、なぜ難しいのか。
これはその瞬間に現れる独特のニュアンスのくみ取りです。これは心理学などを勉強するほど「解釈」化して、的を外してしまいます。ですので、セラピストは、勉強した以上に自分の中で情緒の揺れを体験しておく必要があります。セラピストがどれだけ自分と向き合ってきたか、試されるわけです。
一般の方がちょこっと心理学を勉強したばかりに、「反射」できなくなっているということがよくあります。
それと、綺麗じゃないもの、間違ったことを出せない人も「反射」が苦手です。ある意味で、クライアントと一緒に汚れに堕ちることができる必要があります。
常に綺麗な心でいたい人はセラピスト向かないのかもしれません。
どおりで、私が学んだ師匠たちも綺麗すぎない人たちが多い。私がクライアントなら、一緒に汚れてくれるセラピストを信頼します。