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Kojun

  • 2021-08-29

Q&A 人の悩みを聞いて苦しくなりませんか?

心理セラピーをしていると、人の苦しみを扱います。小児期逆境体験、寂しさ、暴力被害、理不尽な体験などなどのエピソードもよく出てきます。対人支援の者が相談者お話を聞いたりしていて、しんどくなってしまうことを「もらっちゃう」と言います。 私は「もらっちゃう」がありません。 苦しみに共感はしますが、私が元気 […]

  • 2021-08-25

感情処理はセラピストを選ぶ

ここでは感情処理に基づく力動的なアプローチを感情力動アプローチと呼んでいます。 精神分析と感情力動の違い どちらも無意識に触れてゆくアプローチではあります。 「意識化する」 ≠ 「頭で理解する」 無意識にあったものが、意識できるようになる。涙がボロボロこぼれたり、鳥肌が立ったりします。これは「頭で理 […]

  • 2021-08-22

「自殺防止」という言葉に冷淡さを感じます

ずっと前から、叩かれそうになりながら、ひっそりお伝えしていますが、私は「自殺予防」とか「自殺防止」という言葉に違和感を持っています。 これまで自殺防止とは、たいていはゲートキープ(自殺しそうな人を止める)のことを指していて、それはそれで必要なことでもあるのですが、そもそも死にたくなる事態をなくさなけ […]

  • 2021-08-12

「専門家の規範」への微妙な違和感

「専門家としての姿勢」みたいな話 専門家としてふさわしい価値観や倫理をもつべしというものです。 専門家の言動が人に与える影響というものをよくよく配慮しましょうという説明もされていて、それはまあ分かります。なので、全面反対ではないのですが、この言葉にはかすかに、微妙な違和感を感じます。 感じる違和感 […]

  • 2021-08-11

生活ゲームの再構築、その枠組み

前回()の続きです。 報酬システムのフロー さて、中毒性のあるゲームがどうなっているかみてみましょう。 ※中毒性といっても、ギャンブル中毒は別のメカニズムなので対象外とします。わりと健全にゲームにはまっている状態(まともな金銭感覚があってもついお金を払ってしまうあたり)を想定しています。 人気スマホ […]

  • 2021-08-08

生活ゲームの再構築という考え

私の心理職経験とゲーム会社勤務の経験から、生活ゲーム再構築セラピーというのを考えてみます。 方法というよりは、自分の幸せへの答えを探すための枠組みです。答えがすぐに見つからない場合も多いかと思います。 概要 生活の変化を目的とするセラピープロセス(現状から抜け出してゆく)の中に「楽しむ」を取りいれる […]

  • 2021-07-23

あなたも高齢者虐待の当事者になりえる

高齢者虐待(暴力、ネグレクトなど)の話を聞くたびに感じることがあります。 私のクライアントは中年期の方が多いですので、親の介護が近づいている方、親の介護などを終えてから自分の人生の宿題をやりにくる方もいます。4人に1人が高齢者という時代となり、自分が高齢者でなくとも今後ますます、身近な話題となるでし […]

  • 2021-07-18

ライスワークと心の自由

ライスワークというのは、ライフワークの対義語みたいなもので、生活費を稼ぐためにする仕事っていう意味です。 「仕事に遣り甲斐を見いだせない」というお悩みが多いです。これは、今やっている仕事に遣り甲斐がないということではなくて、遣り甲斐のある仕事が見つからないというような意味です。仕事が長続きしないこと […]

  • 2021-07-15

心理セラピストに、なんとかしてほしいけど、余計なお節介は困る

心理支援の探し方について、記事タイトルの観点で俯瞰してみたいと思います。そして、私の心理セラピーではどんなふうにしているかも書いてみようと思います。 フルディレクションとノンディレクション まずは、両極のスタイルをみてみましょう。 フルディレクション(ゆるぎない指示) これは、プロセスの正解を知って […]

  • 2021-07-11

私が心理セラピストをしている動機

心理職をする動機として、「感謝されたい」「人を助ける自分になりたい」「人の役に立ちたい」というようなのは、あまりよくないと言われます。わかります。 たしかに、「あなたを助けることで私は価値のある人間になるのだ」って思っている心理職に出会うと、相談できないことってあります。 「助ける側の人間に価値があ […]

  • 2021-07-08

ネガティブに耐性がないのは本当はポジティブではない

ボジティブシンキングな支援スタイルの限界 カウンセリングやセラピーの中には、ネガティブな考えをポジティブな考えに変えてゆこうとするスタイルがあります。 それが効果があるケースもあるのですが、一時的に気分が良くなって後に元に戻るというケースもあります。 問題の根っこが心の浅いところにあるお悩みの場合は […]

  • 2021-07-02

Kojunの声は、倍音を多く含む1/fゆらぎ波長

私はホルモン投与や手術などの性適合治療へ向けて進むことはしませんでした。ときおり涙を流すことはありますが、フツーの女性になるよりも、自分の魅力を追求したいと思います。 いろいろあるジェンダー要素の中で、「声」についてはちょっと特別です。 私の声には倍音成分が多く含まれています。有名人では美輪明宏さん […]

  • 2021-07-02

積極的だが「なおさない」セラピー(2)

悩みの解消だったり、心の成長における、「なおさない」「治療しない」というのは、どういう感じのことを言っているのか、もう1つ例を挙げてみたいと思います。 たとえば、暴力被害トラウマのケース。心理セラピーでトラウマは解消はします。ですが・・・ なおるんだけど、なおすわけではない。 「なおす」スタイルの例 […]

  • 2021-06-30

積極的だが「なおさない」セラピー(1)

私はカウンセリングやセラピーの特徴として、よく「なおさない」だねと言われてきました。 で、私の「なおさない」というのは、どういう感じのことを言っているのか、例を挙げてみたいと思います。 「なおす」スタイル 世間から叩かれる不安を背負っている相談者の例です。 相談者が「僕は世間から叩かれているゲイです […]

  • 2021-06-16

感情焦点化/力動アプローチの「手順ではない何か」

感情力動(感情焦点化、感情処理にもとづく精神力動)アプローチでは、抑圧された感情に触れてゆきます。 たとえば、あがり症の人は、具体的な話になると緊張場面に対して「平気です」と言ったりします。本当は恐いのですが、その感情を抑圧しているわけです。または、人を恐がっていることを認めたとしても、それがどうい […]

  • 2021-06-15

性暴力/虐め被害 – 「闘い」は「戦い」とは限らない

差別との闘いについての議論で「戦わなければ負けだ」という言葉を聞いて、ふと思い出しました。それは違うと言っておきたいと思います。その議論を聞いていた人の中に、暴力被害者がいるかもしれないと思ったからです。 ※閲覧注意。暴力に関する記述あり。 虐めや性暴力の被害者で、腕力での抵抗(戦い)をあきらめた人 […]

  • 2021-06-09

映画『ある少年の告白』を心理セラピストが観た

主人公の少年が同性愛者を矯正する「救済プログラム」に参加させられた実話を元にした映画です。この矯正セラピー(コンバージョンセラピー)は今でも行われているそうです。 映画『ある少年の告白』オフィシャルサイト あらすじ 牧師の息子であるゲイの少年が救済プログラム(ゲイであることをやめさせる心理セラピーも […]

  • 2021-06-05

カウンセラーに話を聴いてもらえないと思ったら

心に課題をもつ人が「カウンセラーに話を聴いてもらえない」と言っていたら、私は「おしい!」と思うことが多いです。 それは自己メンタライジングへの機会 「話を聴いてほしい」「聴いてもらえなくて、私は・・・だ」と言えるまで、あと一歩です。自己メンタライジングの可能性が開けたということかもしれないのです。 […]

  • 2021-05-24

「愛着安定化」の心理セラピー

愛着安定化のためのセラピーについて書いてみます。 ラベリングに関する注意点 単に「愛着障害を解決したい」というだけではセラピーは始まりません。どうなりたいかが大事です。 「愛着障害」はラベルであって、愛着理論に着目したアプローチや方法があるだけです。そのアプローチがご要望を叶えそうなら、その心理セラ […]

  • 2021-05-20

「迷い」の心理相談

迷いについてのご相談にはいくつかの方法があります。 ちなみに、私がご相談内容を聴いたあと目を閉じて考えているのは、どのアプローチが馴染むかを捉えようとしています。 「覚悟を促進する」アプローチ 選択による望みと痛み(恐れ)を問います。いわゆるメリット、デメリット比較に似ています。ただ、何を望んでいる […]

  • 2021-05-03

宮廷道化師は王様の心理セラピストだったと思う

宮廷には宮廷道化師というのがいます。いわゆるピエロですね。 あれは王様向けのカウンセラー/セラピストだったんだと思うんですよ。しかも、傾聴スタイルではなく、直面化ありスタイルのね。 普通は家臣が王様に「ほんとは恐いんでしょ」なんて言おうものなら、首を切られてしまいます。だからだれも言えない。 ところ […]

  • 2021-04-29

トラウマ克服のアフターケアと再決断療法

心理セラピーに手応えがあったとき、Kojunがよく「その感覚をよく覚えておいてください」と言います。 それはせっかく解消したトラウマに戻ってしまうのを防ぐためです。 ※ここに書くのは、権威者による定義・解説の二次情報ではなくて、私の私見です。 「再決断」はコミット宣言ではない Kojunの心理セラピ […]

  • 2021-04-26

「希死念慮」の扱い

神経症的な希死念慮については、対処法の違いから主に2つのタイプがあるように思います。各タイプの呼称はここだけの便宜的なものです。私のところで扱える可能性があるのはタイプ2です。 タイプ1)状況要因の希死念慮 これは経済苦、虐めなどのによる環境的な苦痛が要因となっているケースです。つまり「死にたい」と […]

  • 2021-04-26

大人の虐め被害、過去の虐め被害によるトラウマ

職場の虐め被害、および子供の頃の虐め被害によるトラウマ、すなわち大人のケースについて書いておきたいと思います。 自分原因、他者原因 ひと昔前は、大人が職場で虐められているという場合、「ご自身の中にも原因(虐められやすさ)がある。それを解消しない限り職場を変わっても同じことが繰り返されるでしょう」とい […]

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