自分の本当の感情に気づいたときの注意点

私は、自分の本当の感情に気づくことをお勧めしています。ですが、もう一つ大切なこと、気づいてどうするかということを書きます。

気づくというのは、たとえばこんなことです。

「あの人にアドバイスしたい。それはその人のためだと、意識では思っている。しかし、その裏に怒りの感情が隠れていた」

さて、そんな風に気づいたら、なかなか優秀です。感情知能が高いということになります。

ですが、気づいて感情を正そうとすると幸せにならないことが多いです。

上記の例ですと、「怒っていることに気づいた。よし、怒らないようにしよう」と。それだと、心理課題のトラップにはまります。

「ぞの感情があることを認める。しかし、否定しない」というようにしてください。自分の感情を否定するのではなく、大切にする。

否定すれば、気づく前の状態と同じに戻ってしまいます。それを「抑圧」といいます。

心に問題をかかえるというのは、たいてい、「気づかない」か「気づいて否定するか」のどちらかしかできなくなっていて、その間にある「気づくけど、否定はしない」というところに留まれなくなっているわけです。

あがり症のようなケースでは、手足震えながら「緊張してません」と言ったり(気づいていない)、緊張していりことを必死にやめようとしたり(気づいたけど否定している)しています。どちらにしても、自分が緊張している状態を受け入れない、赦さないというのが心理トラップです。

怒り症とでもいうケースでは、「怒ってなんかいませんよ!(怒)」と机を叩いたり(気づいていない)、怒らないようにしなきゃと感情コントロールしようとしたりしています。「私は怒っています」に留まれなずに、感情コントロールに走ってしまうのです。

「気づいたら否定する」という心理パターンです。

セラピストは「気づきましょう」と言っていますが、「気づいて直しましょう」とは言っていません。

自分の感情に気づこうが気づくまいが、否定しようが、それはあなたの行動を支配します。気づいて否定しないことを「(自分の感情を)所有する」とも言います。

所有ができた後に、その感情を表現するか、さらに奥をさぐるか、感情の大切にする適切な方法はケースによります。それをガイドするのが心理セラピーです。それを独りで実践するのは難しいかもしれません。とりあえず、否定せずに大切にすると覚えておいていただければ、少し幸せに近づくかと思います。

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