親子の心理的な別れと再会

別れは再開に先立つ

私のクライアントは中年期の方が多いので、幼少からの親子関係、家族関係の葛藤の問題がテーマになることも多いです。

理想的には、子は親から心理的に離れて、そして親が老いたときに再会するというのが健全なシナリオとなると言われています。ですが、離れるフェーズが上手くいっていない場合は、人生の後半に苦しみになることも多いと思います。

ヘンな関係が続いているケースだけでなく、「あんな親なんか知るか!」と切り離しているのも、離れるフェーズが上手くいっていないケースになります。

私のクライアントは、早い(といっても中年期ですが)段階で、その家族葛藤と向き合うためにいらっしゃるのが典型です。そこでは、影響の「断ち切り」の心理ワークによって悩みを解消することが多いように思います。

ただ、「断ち切る」と言っても、それは心理的な作業であって、実際に親との縁を切るとか、介護しないとか、そういうことになるわけではないですと説明することが多いです。むしろ断ち切れていないから縁を切っている場合もあります。

すなわち、別れれができていないと、再会ができないわけです。

健全に離れることができた親子が、再会が可能になると言われています。そこをリカバリーするわけです。もちろん、その後に親とどのように関わるか、関わらないかは人それぞれです。

すでに介護者経験を終えられてから、ご自身のメンテナンスに心理セラピーに来られる方もいます。

ただ、そのような葛藤を背負わされた人がなぜか兄弟姉妹の中で親の介護を引き受けることになるケースは多いように思います。家族システム論的にもそれは大いにありそうなことですし、当事者家族の会の方のシンポジウムでもそのような例が報告されていました。

この問題を予感して中年期に心理セラピーを探している人もいるのではないかと思います。

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

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