ちょっとした不安で動けない場合や、広義トラウマや愛着などの深層の心の問題が概ね解けている場合、行動が不安を解消してゆくことがあります。
行動は不安の特効薬とも言われるのは、そのような場合のことを言っているのでしょう。
さて、それが自分に有効かどうか、検討するときに次のようなことが参考になるかましれません。
行動するのは目的か手段か
上記のような戦略では、行動は心の状態を変えてゆくための手段です。
多くの支援や助言は、行動させることが目的となっていますので、それらとは区別してください。
行動すると不安などが減り、その結果行動がしやすくなるので、行動と不安解消は鶏と卵ですが、ここでは行動が手段として機能しているかに注目します。
なぜ行動が活性化するのか感じとる
行動すると行動がしやすくなるという好循環(?)、行動活性化にはいくつかのパターンが考えられます。
自分に起こっているのはどれでしょうか? または、起こって欲しいのはどれでしょうか?
不要な不安が解消されるシナリオ
行動に対してイメージしている結果についての不安が解消されてゆく場合です。
たとえば、「意見を言うと笑われる」という心配なら、「意見を言っても笑われなかった」という体験が不安反応を消去してゆきます。(弱化の原因となる随伴性の消去といいます)
ここで説明しているのは認知の修正とは異なります。(それも起きるかもしれませんが)
類似の行動もブレーキが弱まり、行動しやすくなるかもしれません。
案ずるより産むが易しシナリオ
また、似たようなパターンとして、「行動したら辛さが減った」というのもあります。
辛さとして典型的なのが、「行動しないことによる不安」です。
先の例のように、意見を言ったら嫌なことが起きるかもしれないという不安ではなくで、「意見を言わないままだと、後で後悔する」というような不安です。
こちらはブレーキが弱まるというよりは、少し動機づけられる感じになります。
(負の強化といいます)
似たような行動に限らず、似たような結果を得ることに挑戦しやすくなるかもしれません。
深層の心の問題が概ね解消している場合と上述しましたが、これから深層の問題を解消しようとしている方も、気軽な占いや浅層のカウンセリングなどを体験して行動活性化して深層セラピーに来られることもあります。
自分を褒める・・・より、そっと味わう方がよいことも
行動活性化ぽいものに、自分で褒めるとか、達成感を味わうみたいなのもありますが、それはなんか違う感じがします。
(正の強化と言います)
よく自己啓発セミナーなんかで、行動したときに大袈裟に喜んだり、お祝いをすることが勧められていましたが、あれは上の2つとは違う感覚です。
それらはあんまり困っている人向けではないかと思いますので、それとは別に上の2つを試すのがよいでしょう。
それで上手くいかない場合は、深層の心理セラピーも検討してみてよいかもしれません。