「感情的」であることは、理性(気づく能力)を妨げる悪いこととされてきました。ふむふむ、そうですね。
「感情豊か」であることは、感性(感じる能力)を高める良いこととされています。ふむふむ、そうですね。
「感情はよいもの?わるいもの?」という問いをやめて、「感情的にならずに、感情豊かになるには?」ということをお勧めします。
ポジティブな感情が「感情豊か」で、ネガティブな感情が「感情的」というわけではありません。感情の種類がポジティブかネガティブという話ではありません。ここだけはお間違えないように。試合に負けて悔しがったり、お化け屋敷で友達にしがみつくのは「感情豊か」だったりします。
具体例
ある職場で、マネージャーが、ノルマのプレッシャーに負けて、部下に怒鳴り散らしている。これは感情的ですね。
ある学校で、数人の子供が一人の子供をからかっていて、歓喜の声を上げています。これも感情的ですね。
カウンセリングルームで、誰かが号泣しています。感情豊かです。
ある店のオーナーが、他の客に迷惑をかける人を「二度と来るな!!」と追い出しています。感情豊かです。
受け容れるか支配されるか
こんな風に覚えておくのはいかがでしょうか。
「感情豊か」は、「感情を受け容れる」。
「感情的」は、「感情に支配される」。
上述の店オーナーは、「そのような人には来てほしくない。他の客を守りたい」という感情を自覚しています。これを感情豊かと呼びましょう。感情自体は揺れるものですが、感情を受け容れていれば、なぜか安定感があります。望みと言動が一致しているからです(ここは、ちょっと難しい話かも)。ともかく、感情豊かな人には、安定感があります。
上述の怒鳴り散らしてるマネージャーの場合、「プレッシャーに負けている(やばいと感じている)」感情を自覚していません。もしかしたら、自分が怒鳴り散らしていることも自覚していないかもしれません。これを感情的と呼びましょう。
*まずは自分のため
「感情豊か」は、自分を大切に感じてる。
「感情的」は、自他を評価している。
前者であれば、それを大切な時間にしてください。後者であれば、手放してよいでしょう。
未来をつくる感情
もしピンとくるのであれば、こんな捉え方もよいかもしれません。
「感情豊か」は、未来をつくる。
「感情的」は、過去に囚われる。
イヤな過去は忘れようという意味ではありません。感情を味わった結果、道が開けるかというような意味です。未来指向というような単純な話ではありません。考え方ではなく、体験のしかたです。
あらゆる問題の解消の鍵でもあります。
実践はセラピーや講座で扱います。
そして、繰り返しますが、ネガティブ感情が感情的とはかぎりません。
怒ることができる人は社交的。
泣くことができる人は前向き。
恐がることができる人は勇敢。