感情処理
- 2023-02-23
感情処理と論理療法の使い分け
これは単純に言い切ることは出来ないのですが、大まかなイメージを「怒り」の例によって描いてみたいと思います。 ※事例は仮想事例です。 論理療法を優先したいケース 例1ー1 あなたが自転車で小道を進んでいると、数人のグループが道幅いっぱいに広がってあるいていた。あなたが通れないことなど知ったことではない […]
- 2023-02-21
例「セクハラや誘いを拒めず、怒りが止まらない」
ここに記載するのは仮想事例です。 主訴 上司(男性)が自分(女性)の肩を揉んでくる。または、食事に誘ってくるのを断れない。それに対して怒りが止まらない。 ※似たような構造としては、悪口を言われるとか、ずるいことをされるというようなバリエーションもあります。 なにが起きているか 心理カウンセリングによ […]
- 2022-12-20
感情の解放ってなに? 「怒り」編
よくある誤解 なによりも最初に指摘しておかなければならないことは、「怒りを表出することで怒りをおさめる」のが怒りの感情解放セラピーではない(とはかぎらない)ということです。 ほとんどの解放セラピーへの批判は、この誤解をターゲットとしたものです。 怒りの解放ガス抜きだと思っている人が多くいますが、その […]
- 2022-10-22
苦しい考えに囚われるのは幸せのヒント
アダルトチルドレンが守っているもの とくにアダルトチルドレンや長期化する広義トラウマのある人は、苦しさの外的要因が加わり続けているわけではないのに、その苦しみをなかなか手放さないということがあります。 環境は解決しているのに、心は囚われている。 そして、周囲の人はというと、明るく気持ちを切り替えるよ […]
- 2022-07-06
涙を拭かない心理セラピー
Kojunの心理セラピーは、感情に触れてもらうセラピーですが、感情を出させるというよりは、感情を大切にするという感じです。 感情を大切にするってどういうことなのか、今回は涙について、具体的な例を挙げながら書いてみます。 あなたは誰かが泣いていたらティッシュやハンカチを差し出しますか? Kojunのグ […]
- 2022-07-02
トラウマ克服のために恐怖や怒りの感情を扱う
暴力被害トラウマなどの場合は、恐怖や怒りの感情の扱いについて書いています。実際には様子をみながらカスタマイズして行います。 また、様々な手法があるので、ここに挙げていることが全てではありませんし、異なる立場をとるものもあります。 ここではよく知られたPE、CPT、IPTなどとは少し異なるところを挙げ […]
- 2022-06-23
「それじゃだめだ」と思い知らせたくなる感情反応パターン
他人のことについて、これはダメだなあと思ったとき、それを思い知らせたくなりますか? イライラしながら教えたくなりますか? ゆるせませんか? それとも、イライラしながら、そんな自分を見つめますか? 私の経験則では少なくとも二通りの克服シナリオがあるように思います。 克服のヒント1:ちゃんと泣く 克服で […]
- 2022-03-20
認知行動療法(狭義)が難しいケース
認知行動療法(狭義)はライフハックスキルにもなりますので、機会あれば経験しておいてよいかと思います。 ただし、似たようなお悩みでも認知行動療法(狭義)などの認知技法が上手ういかない場合もあります。 たとえば、ちょっとヘンな例ですが、「遠くに出掛けることができない」というお悩み(主訴)を取り上げてみま […]
- 2022-02-23
ネガティブな感情は持たないほうがいい!?
一般の人たちからは、「ネガティブな感情を持たないようにする方が幸せになるでしょ?」と、ときどき言われます。 悩みぬいた人たちは、そうではないことに薄々気づいているのではないでしょうか。 ネガティブな感情については、「持たない」「手放す」「感じないようにする」「完了させる」などのまったく異なるものが同 […]
- 2021-12-29
感情を扱うセラピーが形骸化している
感情の表出を促す心理セラピーは、古くて新しいです。古くは煙突療法とか解除反応などとも言われていて、力動アプローチという心理療法の主流の1つに含まれます。ですが、時代とともに変化もしています。 一方で、最近は「感情をアップしない」のが心理療法の流行りです。感情表出に否定的な先生方もいます。 感情を表出 […]
- 2021-12-08
家族システムと感情焦点化/力動アプローチ
家族システムに関わるお悩み ある人が精神的なトラブルを発現しているけど、実は家族システムの問題がその人に表れている、ということがよくあります。 家族システム論では、その人のことをIP(Identified Patient)と呼びます。「患者として認識された人」というような意味だと思います。 私は「S […]
- 2021-08-25
感情処理はセラピストを選ぶ
ここでは感情処理に基づく力動的なアプローチを感情力動アプローチと呼んでいます。 精神分析と感情力動の違い どちらも無意識に触れてゆくアプローチではあります。 「意識化する」 ≠ 「頭で理解する」 無意識にあったものが、意識できるようになる。涙がボロボロこぼれたり、鳥肌が立ったりします。これは「頭で理 […]
- 2021-06-16
感情焦点化/力動アプローチの「手順ではない何か」
感情力動(感情焦点化、感情処理にもとづく精神力動)アプローチでは、抑圧された感情に触れてゆきます。 たとえば、あがり症の人は、具体的な話になると緊張場面に対して「平気です」と言ったりします。本当は恐いのですが、その感情を抑圧しているわけです。または、人を恐がっていることを認めたとしても、それがどうい […]
- 2021-03-18
精神力動アプローチは呪術儀式みたい!?
心理セラピーの精神力動アプローチは感情に触れて涙や怒りの動作を表しますので、呪術儀式みたいと言われることがあります。そうだと思います。昔の人たちは人間に必要なことをよく分かっていたのだと思います。 病院や他の技法の協会のホームページに「当方では、過去のことを思い出す苦しいセラピーをしません」というよ […]
- 2021-01-18
感情処理による心理セラピー
ここではKojunの心理セラピーの土台の1つ、感情処理に基づく力動アプローチ(感情力動アプローチと呼ぶことにします)について書いてみたいと思います。 そのルーツ 「精神力動アプローチ」はずっと遡れば精神分析から派生いした心理療法の主流の1つです。人間の無意識を扱うというのが特徴です。 比較的新しいと […]
- 2020-08-02
「感情に支配される」の逆は「感情をコントロールする」ではない
「感情に支配される」の逆は「感情をコントロールする」ではありません。少なくとも感情を扱う心理セラピーでは。 感情の所有 感情に支配されている人はこんな感じです。 「あなたは今、怒ってますね」 「怒ってなんかいませんよっ!! あいつが悪いという事実を言ってるだけですよ!!」 冷静に「別に怒っていません […]
- 2019-10-25
憤怒が適切に感情処理されると、この先が見える
適切に感情処理がなされると、無益な憤怒(身を守るためではない、怒りのような反応。思い通りと違う感じ)が解消することがあります。 憤怒の対象であった事柄が、ただのミス、ただの役に立たないコメント、ただの間違い、ただの誤解、ただの事故になってゆきます。 憤怒が解消してゆくと、なにかが残ります。怖さとか、 […]
- 2019-09-25
「ゆるす」とは、自分の怒りをゆるすことでもある
「ゆるせない」という体験を通り抜ける 私ね、殺したいほど腹立つ人がいます。拳で私の頭を叩いてきたあの人よりも、馬乗りで私の服を脱がそうとしたあの人よりも、騙してお金を取ろうとしたあの人よりも、その人だけはどうしてもゆるせません。 でも、平気なふりをしてきました。そうしていないと、暴れてしまいそうでし […]
- 2019-06-19
怒ることができないと、怨みやすい
心理カウンセリングなどの心の旅の中で、「怒り」と「怨み」の区別を学ぶことがよくあります。 誰かのことを批難して吊し上げているとき、「怨み」になっていことが多いです。 わかりやすい場面としては、「あなたは怒ってますね」と言ってみると、「別に怒ってなんかいません! アイツがけしからんと言っるんです!」と […]
- 2019-05-24
「感じなさい」にもいろいろあります
「頭で考えるのではなく、感じなさい」などと言われますが、「感じなさい」にもいろいろあります。 グランディングを意図している場合 瞑想やボディワークでしばしば用いられます。 この場合の「感じる」は、いま、ここに意識を集中したり、身体感覚を取り戻すというものであることが多く、「未来の心配」「過去の後悔」 […]
- 2017-06-13
「感情豊か」と「感情的」のちがい
「感情的」であることは、理性(気づく能力)を妨げる悪いこととされてきました。ふむふむ、そうですね。 「感情豊か」であることは、感性(感じる能力)を高める良いこととされています。ふむふむ、そうですね。 「感情はよいもの?わるいもの?」という問いをやめて、「感情的にならずに、感情豊かになるには?」という […]
- 2017-05-26
2種類の「あきらめました」が人生を左右する
今回は、あきらめたときの注意点とでもいうようなお話を。 人が「あきらめました」と言うとき、心理状態としては全く異なる2種類があります。 これらの区別は本人にとって難しいものです。 「あきらめる」ということの本来の意味は(A)です。そこには悲しみがあります。そして、悲しみは人間にとって必要な感情です。 […]
- 2015-02-20
「なんで私がこんな目にあうのですか」
カウンセリングについての議論で、こんな話題がありました。 ひどく苦しい状況の人に、こう聞かれたら、どう答えるか。 「なんで私(だけ)がこんな目に会うんでしょうか・・・」 これ、お気持ちのよくわかる、大きなテーマ(問い)ですよね。 試練には意味を見出すアプローチ 「この試練には何らかの意味があるはず」 […]