心理セラピーと原因論の罠

以前にも書いていますが、もう一度書いておこうと思います。

たとえば、お悩みが「やっかいな対人反応パターン」だどします。その根本原因は無意識レベルのなにか、たとえばトラウマ、恐怖症、愛着不安定などなど)です。そして、それがつくられたきっかけが、たとえば「ネグレクト」や「家族機能不全」1ですね。きっかけはしばしば原体験と呼ばれます。

こんな感じです。

過去現在
やっかいな性格/反応パターン (Z)
ネグレクト/家族機能不全など (X)(原体験)  →  トラウマ/深層心理/中核信念 (Y)(悩みの原因)

混乱している当事者の方々は、XとYを混同していることが多かったように思います。

「X→Y→Z」の矢印は因果関係を表していますが、「X→Z」のように捉えると、変えられない過去の出来事を原因と捉えてしまい、解決不可能になるのです。これが因果論の罠と呼ばれるものですね。

過去をほじくるばかりだと批判されてきのは、Xばかりにを触れてYを扱わなかった場合のことかもしれません。

精神分析も本来は現在起きていることとの関係を重視するはずです。

Kojunの心理セラピーでも、仮説を見立てるのはYについてです。

そしてYを解くために、Xの記憶を扱うわけです。Xを使ってYを解消するわけです。ここでXは手段にすぎません。それを原因とは呼びません。

大昔の精神分析が「煙突掃除セラピー」と呼ばれたのも、これと同じ原理だったろうと想像します。それが形骸化してしまうと過去をほじくるだけというイメージができるのでしょう。

参考ブログ記事

心理セラピーでは、変えられない過去を「原因」と呼ばない

心理セラピーは過去をほじくる?

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