心理療法(心理セラピー)に浅い、深いという区別がでてきました。以前は深いのがよしとされていたのですが、浅いセラピーも流行しています。深いセラピーはセラピストの人柄や生き様に依存することと、相談者(クライアント)のニーズとしても浅い好み、深い好みに分化しているようです。
自分で自分を苦しめる癖があるような場合について、あくまで一例ですが、心理療法・カウンセリングの選択肢を挙げて比較してみたいと思います。
たとえば、「苦しい、苦しい、自分は価値のない人間だ。あんたも価値のない人じゃないか」「人がどう思うか気になってしかたない」「つい〇〇から逃げてしまう」などのような感覚が頭の芯にしみこんでいると訴える人がいます。このしみ込んでいるものを「余計な信念」と呼ぶことにします。これによって世界の見え方、他人の言葉の意味などがどう聞こえるかが大きく影響をうけて、生きることが苦しくなっているというようなケースです。
解消方法をざっと大まかに分類すると、下の表のようなかんじになりそうです。上部が短期間に深いセラピーで、深い成果を狙うもの、モチベーション(苦しみ)ある人向けです。下部は気楽な感じかもしれません。ご本人の意向によるところなので、参考にしてみてください。ただ、ここでいう深い/浅いは主にどこを狙うかの話で、表の下部にあるアプローチでも深い体験はありえます。
また、かかえている心理トラブルによる向いている向いていないもあります。それについては見立てのできる心理支援者の意見を参考にしてよいかと思います。
短期療法セラピー | 1~3回のイメージワーク的なセッションで隠れた感情にアクセスして、深層心理の不要な信念を解除してゆく。苦しみと希望の両方が強い人は深い癒しが得られる。 |
直面化的 | 何が起きているか、場合によっては指摘をうけたりしながら、考え方の癖を修正してゆく。非常に高度でできる心理支援者が少ない印象あり。 |
認知行動療法・論理療法 | 振返り等のワークによって自分で考え方の癖に気づいゆく。セルフヘルプも可能。 |
傾聴アプローチ・対話アプローチ | ほとんど意見や指摘されることもなく、ただ聴いてもらいながら話してゆくうちに、自然と気づきや赦しが得られてゆく。一般的に時間がかかる。 |
ちなみにKojunのところで提供しているのは「短期療法セラピー」です。
あらためて俯瞰してみると、私の経験的な個人的な印象は、浅いセラピー=穏やか、深いセラピー=面白い、といった印象です。深いセラピーをおどろおどろしいものだと言って浅いセラピーを宣伝している病院などありますが、実際には深いセラピーはユーモアに満ちた世界です。深いセラピーは、たとえば悪しきものとして隠されていたことに対しても「黒いもの出ました。あはははは」みたいな感じです。