「感情豊か」と「感情的」のちがい

「感情的」であることは、理性(気づく能力)を妨げる悪いこととされてきました。ふむふむ、そうですね。

「感情豊か」であることは、感性(感じる能力)を高める良いこととされています。ふむふむ、そうですね。

「感情はよいもの?わるいもの?」という問いをやめて、「感情的にならずに、感情豊かになるには?」ということをお勧めします。

ポジティブな感情が「感情豊か」で、ネガティブな感情が「感情的」というわけではありません。感情の種類がポジティブかネガティブという話ではありません。ここだけはお間違えないように。試合に負けて悔しがったり、お化け屋敷で友達にしがみつくのは「感情豊か」だったりします。

具体例

ある職場で、マネージャーが、ノルマのプレッシャーに負けて、部下に怒鳴り散らしている。これは感情的ですね。

ある学校で、数人の子供が一人の子供をからかっていて、歓喜の声を上げています。これも感情的ですね。

カウンセリングルームで、誰かが号泣しています。感情豊かです。

ある店のオーナーが、他の客に迷惑をかける人を「二度と来るな!!」と追い出しています。感情豊かです。

受け容れるか支配されるか

こんな風に覚えておくのはいかがでしょうか。

「感情豊か」は、「感情を受け容れる」。

「感情的」は、「感情に支配される」。

上述の店オーナーは、「そのような人には来てほしくない。他の客を守りたい」という感情を自覚しています。これを感情豊かと呼びましょう。感情自体は揺れるものですが、感情を受け容れていれば、なぜか安定感があります。望みと言動が一致しているからです(ここは、ちょっと難しい話かも)。ともかく、感情豊かな人には、安定感があります。

上述の怒鳴り散らしてるマネージャーの場合、「プレッシャーに負けている(やばいと感じている)」感情を自覚していません。もしかしたら、自分が怒鳴り散らしていることも自覚していないかもしれません。これを感情的と呼びましょう。

水に溺れている人が水をじっくり楽しめない状態にあるのと同じで、感情に溺れている人は感情をじっくり味わえない状態にあります。

杉原保史『プロカウンセラーの共感の技術』p.71

まずは自分のため

「感情豊か」は、自分を大切に感じてる。

「感情的」は、自他を評価している。

前者であれば、それを大切な時間にしてください。後者であれば、手放してよいでしょう。

未来をつくる感情

 もしピンとくるのであれば、こんな捉え方もよいかもしれません。
 
「感情豊か」は、未来をつくる。

「感情的」は、過去に囚われる。

イヤな過去は忘れようという意味ではありません。感情を味わった結果、道が開けるかというような意味です。未来指向というような単純な話ではありません。考え方ではなく、体験のしかたです。

あらゆる問題の解消の鍵でもあります。

実践はセラピーや講座で扱います。

そして、繰り返しますが、ネガティブ感情が感情的とはかぎりません。

怒ることができる人社交的。

泣くことができる人は前向き。

恐がることができる人は勇敢。

参考

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

※当サイトの事例等は事実に基づいてはいますが複数のケースや情報を参考に一般化して再構成、フィクション化した説明目的の仮想事例です。

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