自己一致すると見えてくるものがある

自己不一致が解ける具体例と、心理セラピストの探し方について。

自己不一致

「自己不一致」というのは、自分に正直ではないことを言います。それは人間だれしも持っているものだと思います。

一般的には「自己一致していない」と言うのでしょうけど、私は完全一致を目指すよりも、必要に応じて不一致を解消することをお勧めするので、「自己不一致」という言葉を使います。

分かり易い例では、「怒っていませんっ!」と声を荒げているような状態です。

例:離婚や失恋のトラウマ

Cl(クライアント)「彼と別れてから何年も経つのに、悲しみが止まりません」

Th(セラピスト)「拳を握りしめていますね」

Cl「あっ、そうですね。私怒ってるのかしら」

Th「ためしに『腹立つわー』と言ってみては?」

Cl「腹立つわー。おおっ!? 私ほんとうは怒っていたのかもっ」

そうして、何年間も泣き続けた離婚トラウマが解消したりします。

「本当は泣きたかったのではなくて、怒りたかったのですね」という感じですね。

このセッションは15分程度。それくらい簡単なことなのです。

しかし、周囲の人から「あなたは怒るような人ではない」などと言われて、解くチャンスを逃してきた人が相談に来ます。

ちなみに、そのような周囲の人たちもまた、自己一致していないのかもしれません。心理セラピストも似たような件について自己一致してないと、そのような対応をしてしまいます。

自己不一致は簡単には解けない

一方で、こんな人もたくさんいます。

Th「拳を握りしめていますね」
すると、手のひらをさっと開きます。

Th「声を荒げていますね」
すると、急に声のトーンを下げます。

「私は怒っていない」という意識に、行動の方を合わせたわけです。

深層心理を隠すために、意識と行動を一致させてしまいました。心身症になりそうですね。

自己不一致が作り出すもの

「どうして今、席から立ちあがったのですか?」
「それは・・・、トイレに行こうと思ったんですよ!」

そして、本当は行きたくないトイレに行きます。もしくは、実際にトイレに行きたくなります。

そのようにして、偽りの現実までもが作り出されてゆきます。

「行きたくないトイレに行く」「日程の都合を悪くする」に始まり、非真実は広がってゆきます。それは「やりたくないことをする」「したいことをしない」「仲間を嫌いになる」「有害な人を引き寄せる」「出逢いがない」などのことを作り出したりもします。

念のために申し上げますが、Kojunは「嘘はけしからん」と裁こうとしているのではありません。クライアントの要望に従って、善し悪しに無関心に不一致(かもしれないことろ)をほぐしてゆくのです。不一致を解くのはクライアント自身です。

心理セラピストを探すとき

また、先述の離婚トラウマのカウンセラーや、失恋長引く人の友人が「あなたは怒るはずない」と言い聞かせるのも、じつはその助言者の自己不一致がそうさせていることが多いです。

ですから心理カウンセラーや心理セラピストは自己一致できることが求められるわけです。

しかし、自己一致している心理セラピストは、嫌いなクライアントを嫌いと思えるような人ですから、ちょっと変った雰囲気です。

心理セラピストを探す人は、その変った雰囲気を見分けるようになるとよいでしょう。悪い意味で変な人を信じてはいけませんよ。

そのためにはあなたが自己不一致を…あ、鶏と卵。

それでも半分は闇にしておく

自己不一致が作り出すその非真実の世界は、ある程度は許容する必要もあるかと思います。世界の半分は闇でよいのかもしれません。

不一致を解こうと頑張るセラピストも多くいますが、Kojunはクライアントが解きたければ解くだろうと思っています。なので、(不一致が解けることによる)心理セラピーの成果は約束しません。クライアントが好きなように選べるようにガイドするだけです。

自己一致は視界をよくする

一方で、自己一致を増やすことで得られる真実の世界は、あなたが本当に求めているものかもしれません。

自己不一致が作り出す非真実が減るのですから、視界がよくなります。

よくクライアントが「霧が晴れたようだ」と言うのは、そのことでしょう。

心理セラピーでは、全ての非真実を暴こうとするわけではありません。

お悩みのポイントのみについて、ご自身で光を投げかけてもらいます。それを批判的にではなく、面白くやるのです。

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