人には承認欲求というのがあって、誰しも褒められたいと思っている、と言われています。
では、褒められると幸せになるのでしょうか。
「褒められると不安になる」、「褒められるのが苦手」という人もいます。
褒めることについては、いろんな側面があるのですが、ここで1つの視点を提供してみます。
自他を大切にする褒めかた、についてです。
かすかな緊張を感じさせる褒めかた
「すごく上手いですね」
「イケメンですね」「美人ですね」
「優秀ですね」
このように褒められたとき、嬉しさとともに、かすかな緊張を感じませんか?
なぜかというと、それは承認されていながらも、その評価が奪われる心配がついてくるからです。
これらは、優劣、相対的モノサシが前提となっている、”競争的な褒め言葉”と言えます。
優秀と評価され、それに喜びを感じると、その地位を守らなくてはならなくなります。
そこに”もっと優秀な人”が現れると、自分は優秀ではなくなってしまいます。そういった事態への心構えをしたり、もっともっと優秀になろうとしたりというようなことが起きます。
競争的な褒め言葉は、喜ばせながら、苦しめるという性質があります。タイミングや人によって、ケースバイケースですが、そういう面もあるということです。
自他を大切にする、非競争的な褒めかた
では、絶対的モノサシによる、”非競争的な褒め言葉”というのを選んでみてはいかがでしょうか。
同じ言葉でも解釈次第ではありますが、一般的にはこのような言葉が該当します。
「楽しい人ですね」
「ほっとします」
「面白いですね」
「面白い」という評価を受けたあと、そこにもっと面白い人が現れても、自分が面白くない人にはなりません。面白い人がもう一人増えるだけです。これだと、緊張や駆り立ては感じにくいのではないでしょうか。
ですが、解釈次第です。「面白い」を「たくさん笑いをとれる」と解釈すると、競争になります。
女王様からの情報によると
余談ですが、ナイトワークの女王様から聞いた話によると、M男さん(マゾ性癖の男性)で「おまえ、キモいんだよ」と言ってもらいたいというリクエストが結構あるそうです。
そういえば、「キモい」は絶対的モノサシです。
自分以外にキモい人が現れても、自分がキモくなくなるわけではありません。「おまえもキモイな」になるだけです。
たとえネガティブな言葉であっても、”かまってもらう”、”気にしてもらう”ことがニーズなのかもしれません。いや、ネガティブな言葉は、むしろ他者との比較ではなくてゼロとの比較なので、基本的に絶対的です。
もしかしたら、M男さんは普段はポジティブな相対評価の世界で「優秀な営業成績」とか「社会的地位が高い」とか褒められて苦しんでいる・・・なんてこともあるかもしれません。
自分や他人を褒めるとき、あなたはどのような言葉を使っていますか?
褒められたときの緊張感など、自分の微細な気持ちに気づくようになると、自他を大切にする第一歩になります。
そんな一生ものの気づく能力は、無料のメール講座でもお伝えしています。
褒められるのが苦手などの、手放したい何かがある方は、心理コンサルティングのご案内からお問合せください。