朝のカフェでママが少女を叱ってました。
その叱り方に異変を感じました。
くっと引っ張って身体にショックを与えながら責めている。犬の首輪を引いてつけるような動作が気になりました。
甘えている泣き方ではなく、声が小さい。
うちでは感情任せに叩いてるかもしれません。
私も仕事がら、おやっとアンテナが反応してしまいます。
別の席にいた婦人が立ち上がって近づいて、しばらく何か話しかけていました。
ママは聞く耳をもったようで、「はい、すみません」と言って少女を連れて出てゆきました。
婦人はそのあと席に戻り独りでコーヒー飲んでました。その戦士っぽい雰囲気は、カウンセラーかもしれないと思いました。まあ、これは勝手な推測で、当たってないかもしれないのですけど、その感じをもつベテランのカウンセラーに覚えがあります。
心理セラピーのある手法では、イメージプレイのなかで、加害的な親や、暴力加害者からクライアント(来談者)を守る言動をセラピストがすることがあります。
私のセラピーのアシスタント参加や見学で、それを見た人もいると思います。
その手順を覚えても、どれほどのセラピストが実際の暴力・虐め・虐待の場面に出くわしたときに、本当に立ちはだかることができるでしょうか?
実際にはにはできもしないのに、セラピールームの中だけで、習った台詞を言ったりしてないだろうかと思います。
心理職の国家試験で、こういうの(暴力現場に居合わせたらどうするかなど)はテストされません。テストする方法もないですけど。
かつて私が助けを求めたときに、人はみんな逃げました。多くの実際の場面で、誰も助けてくれなかったからトラウマになっていることも多いのです。
本当に誰かを助けたり、立ちはだかることができる人が、世のセラピストの数ほどいるとは思えません。
なんせ、パンを盗んだ同僚が失職するのを眺めていられるくらいですから。
私はイメージワークではなく、実場面で虐めや痴漢に立ち向かったことはあります。
上述の婦人の例のように親子に明確に割って入ったことまではないと思います。虐待しているママから心理戦をしかけられたことはありますけど。
自分がだいたいどれくらいのことが出来るのか、出来ないのか知っています。
虐めに「やめろ」と立ちはだかるくらいはできそうですが、津波に対してそれはできません。だから、虐め被害のトラウマと災害のトラウマはセラピー(心理療法)のやり方が違ってくるのです。
そんな臨床以前の実体験なしに、心理学のお勉強なんかしているから、虐め被害トラウマに効果のあった方法を災害トラウマに適用しようとしたり、昆虫恐怖症に効果のあった療法を性暴力被害による恐怖症に適用しようとしたり、してしまうのかもしれません。
私は性的加害者を叱って土下座させる自信がなんとなくあります。実際にしたことありますから。だから、性的被害や虐めなどのトラウマに効果のあるロールプレイができます。
その婦人の近くに行って、お顔をもう一度見てみました。優しいというよりは、戦士だなと思いました。
今日は大事な日でした。