性トラウマの克服のビフォー/アフター

トランスジェンダーの苦労話というと、差別されることを思い浮かべるかもしれませんが、けっこうあるのがセクハラです。

「本当は男なんだから平気だろ」「そんなことをされたいから女っぽくしてるんだろ」と言われたり、笑われたり、被害を受けても社会が被害者とみなしてくれないという状況があり、乱暴な男性からは手を出されやすい面もあります。

私(女子の容姿だったとき)も男性から強引な扱いを受けたことがあります。力づくで服を脱がされそうになることは数回ありました。子供の頃にもありました。

ここから、本題です。軽度の性トラウマの克服を経験した私が、克服のビフォー/アフターを語ってみようと思います。男性の腕力をもつ私ですら、こんなことが起きるのですから不思議です。(過去の出来事は変えられませんが、トラウマという状態は解消可能である前提の話です。その「状態」の例ね)

克服前はこんな感じです。

無言で身体を触ってくるような男性に対して拒絶の対応が遅れます。拒絶はするのですが、一瞬遅れてしまうのです。戦うか逃げるか助けを求めるか、のような選択も鈍っていました。

一方で、「隣に座ってもいいですか?」というように、フツーに近づいてくる真摯なナンパ君に対しては、とても冷たい態度で拒絶、撃退してしまうのです。

そして、身体を触ってくる人が今度来たら、手首をつかんでひねり上げてやるっ、といつも考えているのですが、いざとなると拒むのが下手です。

克服後はこんな感じです。

無言で触ってくるような人に対しては、瞬間的に離れたり、止めたりします。まあ、だいたい近づいてきた感じから、反射的に対応します。そもそも、そういう人をあまり近づけません。

一方で、真摯なナンパ君に対しては、まんざらでもなく、「モテる私」を楽しみます。ちゃっかりお飲み物をおごってもらったり。

克服前の状態(トラウマ状態)のとき、何が起こっていたのでしょうか。

たとえていうなら警報器が機能停止している状態です。(警報器が鳴りっぱなしと喩える人もいます。どっちにしても警報器が役にたっていないのです)

ただし、精神的な「異常」ではありません。

警報器が機能停止しているので、危険な人が近づいてきても瞬発的な対応ができません。慌てながら「これは危険な状態だ。拒んだほうがいいぞ」と頭で考えてから対処するので、対応が下手だったのです。

一方で、警報器が機能停止しているので、普段から警戒心びんびんです。玄関の鍵が壊れているとおちおち眠れないのと同じ。

人が通りかかっただけど、不審者かもしれないと感じます。

紳士なナンパ君が近づいてくると、「あやしいやつ来たーっ」と反応してしまうのです。

警報器が機能停止しているので、常に警戒体制。そのくせ、いざというときの対応が鈍い。

いつも空気と闘っているので、本当の敵が現われたときに闘うことも逃げることもできない。

そんな感じです。喩えですけどね。

その状態を、神経系の状態で説明する専門家もいます。

私は、警報器が機能停止するのは、何かを置き去りにしたことと捉えます。それを救出して、再び警報器を通常に取り戻すとき、加害者よりも大きな存在としての自分を取り戻すのだと思います。とくに性がからむ場合には。

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