ウーンデッド・ヒーラーのピアジェ風発達

子どもの発達過程と似たプロセスが、人生の中で様々に再現されることがあります。ウーンデッド・ヒーラー(傷ついた癒し手)(傷つき体験の当事者が心理支援職になる適性を得ることがある)がどのように育つのか、経験則と発達心理学を参考にまとめてみました。科学的理論ではなくて、経験に基づく世界観です。

段階
1具体的な体験をもつ傷ついた者
2具体的な体験をふり返る体験を語る者、セラピーを受ける者
3体験を場面に臨機応変に応用する傷ついた癒し手
(Wounded Healer)
4言葉や概念を使って考える論じる者、理論に人を当てはめる者
※傷ついた癒し手の発達を経験則に従ってピアジェ発達理論風にまとめてみた

ここでは、その傷つき体験の問題、病気、トラウマが解消したかどうかは論じないことにします。

傷つき体験がある人が誰でも癒し手(心理支援職)に向いているわけではないと思います。貴重な体験ではありますが、ひとまずは段階1になると考えるとわかりやすいかと思います。「自分が幸せでないと人を助けることなんてできないでしょ」などなどと言われるのはこの段階を主に指しているのだと思います。

段階3は、自分がもつ実感ある体験をもとにしながらも、自分とは異なる人に対して思うことができる段階です。オハジキを使って足し算ができるようなものです。オハジキを見たり触ったりした体験が必要ですが、今までしたことのない足し算も「考える」ことができるようになります。古風な心理セラピストのトレーニング(クライアント体験、セラピー実習)、内省的実践はこれに当たります。自分という具体的なものに触れる経験です。

段階4は、体験的に知りもしないことについて、論理や知識を使って推測する段階です。大人はここが発達しているおかげで、形骸化、偏見、机上の空論、正論などに生み出します。古風な心理セラピストのトレーニングでは、それまでに大人になるために獲得してしまった段階4だけで世界を見る癖を手放すことが大きな課題となります。セラピー中に知識を思い出そうとしていると、先輩から「おい、どこを見てるんだ。クライアントを観ろ(流儀によっては、クライアントと自分を観ろ)」と言われたりします。

いわゆる心理学の知識を覚えると、段階1~3を経ていなくても段階4っぽいことをやれてしまいます。それは、心理以外の分野で段階1~3を経験して言語を獲得しているからです。

傷ついた癒し手(wounded healer)とは、段階1~3が詰まっている心理支援者と言えるのではないかと思います。

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