社交不安・対人不安が解消した人たち

社交不安について、次のような解説がよくあるそうです。

「不安は必要なものであり、なくすことは困難。よって、不安と適切に付き合ってゆくことが治療目標である」

最近は「with 〇〇」が流行っていますので、「with 社交不安」も今風かもしれません。

しかし、深層セラピーをしていると、解消しちゃう不安の感情パターンもありますから、「不安」はなくならないですが、「不安で苦しい」はなくなる場合もあります。

ニュアンスが難しいですね。

※器質的な(脳の個性としての)不安気質については、「適切に不安と付き合う」ことが中心課題となるかもしれません。偏桃体(感情に関わる脳の部位)に不安気質の要因があるとする研究もあるようです。

特定の刺激や場面に対して過剰に不安反応が出る場合などは、解消することがあります(解消した人たちはいます)。とくにあがり症みたいなのは、解消する可能性が高いと思います。

なにが言いたいかというと、一般的な解説を読んで「私の不安/社交不安は解消しないんだ」と諦める必要はないかもしれませんよということです。

ただ、深層心理セラピーのなかでも、「こわくない」ではなく「こわくてもよい」が自己との対話に必要となることが多いです。

ですので、不安を否定せずに受け入れるというのは、方法として間違いではないと思います。ですが、なくならないのかというと、けっこうなくなったりします。

また、「対人不安はなくさなくてよいのですよ」と声をかけるパラドックス手法で対人不安が減ることもあります。

その悩みの解決は、対人的に不安にならなくなる場合と、不安になることを気にしないようになる(「また緊張しちゃった、あはは」)場合があります。

この後者は「不安と上手く付き合ってゆく」というのとニュアンスがかなり違いますねと言いたいのです。

症状の観点から観察していると、「不安と適切に付き合ってゆくことを覚えた」ように見えるのかもしれません。

職場で人とすれ違うだけで逃げ出したくなるくらいの辛い毎日だった人が、その辛さを思い出せないくらい変化するのを見ると、とてもじゃないけど「適切に不安と付き合うようになった」という表現とは違う感じがします。

適切に不安と付き合うことは「治療目標」というよりは「治療手段」なんじゃないかなという印象をもっています。

※「治療」という言葉は必ずしも医療行為を意味してません。

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