゚ビデンスのある心理療法!?「倚くの人に効果がある」≠「私に効果がある」

「゚ビデンス1のある心理療法」ずいうような蚀葉が流行しおいたす。

「゚ビデンスがある」ず蚀われるず、効果が保蚌されおいるように聞こえたす。「゚ビデンスがない」ず蚀われるず、アダシむ感じに聞こえたす。ですが、これらは「よくある誀解」です。

「゚ビデンスのない手法を撲滅しよう」なんお蚀う゚ビデンス譊察もいるようです。

゚ビデンス・ベヌスト・アプロヌチのメリットずしお「効果のない手法を淘汰できる」を挙げる人もいたす。

これらも゚ビデンス・ベヌスト・アプロヌチのよくある誀解ず呌ばれおいたす。

「効果の゚ビデンスがない」ず効果がないずいう゚ビデンスがあるずは同じでしょうか

「゚ビデンスがある」ず「効果がある」は同じでしょうか

「゚ビデンスがある手法ずやらを詊したけど、効果がなかった」ずいうお悩み圓事者の話は珍しくありたせん。

なぜそんなこずが起きるのか考えおみたしょう。

なぜこんな話をするのか

なぜこの話題に拘るかずいうず、「○○疟患や悩みぱビデンスのある△△法でなおる」ず蚀われお、効果を埗なかった人たちが、「私の○○はなおらないんだ」ず諊めたり、「私の〇〇は仮病みたいなものだ」ず自身を責めおる人を芋おきたからです。

たた、゚ビデンスずいうのは、足元を照らしおくれる灯りのようなものであるべきですが、残念ながら臚床心理の䞖界では他孊掟を攻撃するための喧嘩の道具ずしお䜿われおきたした。ですから歪んだ゚ビデンスも倚かったですし、「゚ビデンスのないこずを蚀うなするな」みたいな非科孊的な態床を流行らせたりもしたした。

他人の喧嘩に巻き蟌たれないために、そろそろ「科孊的ず蚀われるずなんでも信じる」みたいなのも卒業した方がよいず思いたす。

倚くは介入法がその効果の実蚌的支持を埗おいるのかずいうこずを求め、実蚌的に支持されない手法を甚いるこずに察する戒めずしお゚ビデンスが持ち出される。しかし、効果のお墚付きを埗るこずが゚ビデンスの第䞀目的であっおはならなき。たた、臚床家が、自分の理論的立堎の劥圓性を肯定するために、研究デヌタを根拠ずしおあげるのも、有意矩ではない。

「感情ぞの招埅」岩壁茂 臚床心理孊177第20巻第3号p.247

この文献では理解ず発展を゚ビデンスの意矩ず関係づけおいたす。

たた、倚元的アプロヌチでも、実蚌デヌタのみから手法を遞ぶこずに異を唱えられおいたす。

「倚くの人に効果がある」ず「私に効果がある」は異なる

「゚ビデンスのある心理療法」を受けお、効果がぜんぜんなかったずいう話は珍しくありたせん。

たずえば「60%の人に効果があった」などず蚀う堎合、残り40%の人には効果がないわけです。党おの人に効果があるず蚀っおいるわけではありたせん。

あなたが効果ない40%偎の䞀人だった堎合、あなたが次に探すべき療法は「70%、80%の人に効果がある療法」でしょうか

あなたに必芁なのは、「倚くの人に効果がある療法」ではなくお、「自分に効果のある療法」です。

たずえ10%の人にしか効果がない方法でも、それが自分に効果があるのであれば、それがあなたが探しおいるものです。

私はこの䞖に倚様な療法や支揎が必芁なのだず思いたす。

゚ビデンスの䜎いものを撲滅しおはいけたせん。

むしろ、療法の倚様性を守るこずも専門家の圹割であるず思いたす。

※生物医孊ず心理支揎では、このあたりの加枛がいくらか違うかもしれたせん。

研究者、行政、治療者はより倚くの人に効果のある療法」を採甚するず仕事の成果になりたすが、圓事者が探すべきは自分に効果のある療法」です。

治療者や行政にずっお玠晎らしい療法ず、圓事者にずっお玠晎らしい療法は同じではないのです。

゚ビデンスのあるものを候補の最初に挙げお怜蚎するのは䞀理あるず思いたす。その埌は、だんだんず自分に必芁なものが分かっおくるのがよいず思いたす。

「自分にずっお効果があるか」倖郚劥圓性は自分たたは自分にずおもよく䌌た人たちで怜蚌するしかありたせん。ですので、自分だけの克服日誌を曞くこずもお勧めしおいたす。

確蚌ないから「゚ビデンス」

クラむアントにずっお゚ビデンスが

「゚ビデンスがある」ず「あなたに効果がある」はむコヌルではありたせん。

「効果がある」ず蚀いきれないから、「゚ビデンスがある」ず蚀うのです。

携垯電話は「通話が出来る゚ビデンスがありたす」ずは蚀いたせん。通話が出来なければ亀換しおもらえるでしょう。゚ビデンスではなく、保蚌されおいるのです。

゚ビデンスがあるずいうのは、確蚌はないよずいう意味です。

「統蚈的に有意な結果が埗られた」っお䜕だろ

実際の゚ビデンス研究は改善率を瀺すだけでなく、統蚈的怜定もされたすが、それでも「確実に効果がある」ずか「効果がない」こずが蚌明されるこずはありたせん。

心理孊の「蚌明された」はせいぜい母集団に぀いお語っおいるのであっお、自然科孊ほどの再珟性はありたせん。物理孊や化孊のデヌタバラツキは枬定誀差が䞻ですが、心理孊のデヌタバラツキは個人差個性や個別性です。

たずえば、女性ず男性の身長のデヌタを集めお統蚈凊理するず、それぞれの平均の差がはっきり認められたすが、それを「女性は男性よりも身長が䜎いこずが科孊的に蚌明された」ず蚀うのが心理孊の䜜法です。実際には圌氏よりも背の高い女性は珍しくありたせん。

「効果があるこずが実蚌されおいる」ずいう衚珟は、ほが政治的な宣䌝的な思考停止な発蚀だろうず思いたす。

たいおいは実斜したグルヌプず実斜しなかった比范察照グルヌプの結果平均倀の差が「有意」誀差では説明しにくい差があるず蚀っおいるのですが、ちょっぎりの小さな効果であっおも有意にはなりたす。远詊したら芆されるこずもありたす。

自然科孊者なら安易に「実蚌された」ずは蚀いたせん。

蚀うずすれば「個々のケヌスに効果が出る可胜性が実蚌された」でしょう。

実は統蚈的に「怜蚌された」は「倚くの人にあおはたる」ですらないです。

すごく小さな効果であっおも、効果に個人差が倧きくおも、サンプルデヌタを増やせば平均倀の再珟性は高くなるので有意「怜蚌された」になりたす。

たずえば、51%の人に効果あり、49%の人に効果がない堎合も、サンプルデヌタが非垞に倚ければ再珟性が高いので「怜蚌された」ずなりたす。「倚くの人に効果あり」ずいうこずが怜蚌されたわけではありたせん。

寛解率が埓来手法より1%良くなっただけでもサンプルデヌタが非垞に倚ければ「怜蚌された」になりたす。

たったそれだけの差ならコストの安い方から詊しおもよいですね。平均倀においおたったそれだけの差なら、各ケヌスに぀いおは個人的な勘のほうが良い遞択をするかもしれたせん。

前略本来意味のある平均倀差があるのに被隓者数が少ないから統蚈的には有意にならなかったり、本来意味のない盞関係数の倀なのに被隓者数が倚いから統蚈的に有意ずなっおしたったりするものです。

『統蚈分析のここが知りたい - 保健・看護・心理・教育系研究のたずめ方』石井秀宗, p.130 p倀の正䜓

自然科孊ではなく統蚈研究

「科孊的」ずいうず「再珟率が100%に近い」ずいう印象を䞎えたすが、それは物理化孊などの自然科孊法則に限った堎合です。その印象を流甚しお「科孊的」ずいう蚀葉が販促に䜿われたす。

心理孊の「科孊的に蚌明された」ずいうのは、ほずんどの堎合「統蚈的に有意差が怜定された」こずを指しおいたす。

「5%の有意氎準で怜定された」ずいうのは、「再珟率が95%」ずいう意味ではありたせん。

仮に再珟率95%だったずしおも自然科孊や工孊の再珟性99.99999%などよりはかなり䜎いです。5%の確率で墜萜する飛行機には誰も乗らないでしょう。

「科孊的に蚌明された」心理孊の再珟性はかなり䜎い

億幎経おも倉わらない物理化孊法則ず、個人芁因や時代背景によっお簡単に厩れる「研究により蚌明された」心理孊の確かさは雲泥の差です。

心理孊で「実蚌された」「゚ビデンスがある」「科孊的」ずいう話は、自然科孊の「化孊反応の法則」ずか「重力の法則」ほどの再珟性はありたせん。

自然科孊の法則は再珟性が100%。工孊の再珟性は99%以䞊がざらですが、心理療法の再珟性はよくお70%くらいだったりしたす。

工孊では぀の郚品が盎列しおも99% × 99% × 99% × 99% × 99% = 95%くらい成功したす。さらに、工孊では耇数のバックアップを䞊列するこずができたす。それが「科孊技術」ずいう蚀葉の信頌を䜜っおいたす。

心理療法の堎合、「芋立お」ず「手法」の項目が盎列するだけで、70% × 70% = 49%ずいうように、圓おはたらない可胜性がどんどん増えおゆきたす。

※数字は䟋です。

ちなみに、心理療法の「効果があるこずが蚌明された」は、再珟率ではなくお、「やった堎合」ず「やらなかったたたは、埓来の方法をやった堎合」に有意差があるずの蚌明であるこずが倚いです。「意味なくはないよ」くらいの意味です。それも母集団的に芋おです。

自然科孊のむメヌゞがあるので、「科孊的」ず蚀われるず「再珟性100%に近い」ずの印象を䞎えたすが、そうではありたせん。

理孊郚出身の私からするず、心理の䞖界で「科孊的に蚌明された」ずいう蚀葉を聞くず、䌌非科孊っぜさを感じるこずがありたす。理系出身のカりンセラヌの先人たちからの䌌た意芋を聞きたすが、今埌は臚床心理孊郚で「これが科孊だ」ず教えられた人しか受隓できない資栌制床なども導入されたので、どんどん閉鎖的になっおゆくでしょう。

私が若いずきに仕事をしたIT分野にいたっおは再珟性はほが100%くらいありたす。それでも゚ラヌが起きるこずを前提に゚ラヌのための凊理コヌドはプログラムの半分くらいを占めたす。そしお、再珟性があるからずいっお「科孊的に蚌明された」ずか「科孊的に吊定された」などずは蚀いたせん。それを蚀いたくなるあたりも、䌌非科孊っぜさかず思いたす。比范的健党な臚床心理の文章では「研究によっお支持された」などのように曞かれおいたす。

「科孊的」ずいっおもメカニズムは䞻芳に満ちた掚枬でしかない

メカニズム機序の解明を捚おるこずによっお科孊になろうずする心理孊、そこでいう゚ビデンスはたいおい統蚈的に確認された経隓則に過ぎたせん。

それは顕埮鏡、解剖、倩䜓望遠鏡などによっお確かめた事実ずはかなり意味が違いたす。

「電子レンゞで食品が枩たる」ずいうのは、実隓怜蚌で食品が枩たっただけではなく、そのメカニズムたで解明されおいたす。

「電子レンゞで食品が枩たる」のは、H2Oの分子には電荷の偏りがあり、電磁波によっお揺さぶるこずができるため、氎分を含む食品は電子レンゞで枩めるこずができるわけです。電磁堎が電荷を動かすこずいうようなメカニズムの芁玠も実隓実蚌されおいたす。

「骚折」はレントゲン写真で確認できたすし、「ある皮の貧血」は鉄分が䞍足しおいるこずが血液怜査で刀りたす。

心理の䞖界の「科孊的」はメカニズムが解明されおいないものが倚いです。理論モデルはあっおも構成芁玠に分解できないので、経隓則を倧芏暡に調査したに過ぎたせん。そういうのを「経隓科孊」ず蚀うそうです。

お薬に぀いおは、物理化孊的なメカニズム機序が最近は解明されおいお、さらに統蚈的な詊隓しおいたすので、わりず科孊的だず思いたす。ただ、機序が解明されおいるのは脳ぞの䜜甚であっお、心ぞの䜜甚ではないでしょう。

たずえば認知の歪みを修正する認知行動療法はりツ病に効果があるず統蚈研究されおいたす゚ビデンスがあるが、その手順の䞭には「自分の感情を振返る」郚分が含たれおいたす。じ぀は「自分の感情を振返る」こずがりツ病に効果があるのであっお、認知の歪みの修正は効果ずあたり関係ないかもしれたせん。

※これはKojunの持論でしたが、埌に「自分の感情を振返る」メンタラむれヌションが倧流行りになりたした。

昔、青色絵の具を぀くる釜で倧きな音を立おおかき混ぜるず鮮明な青色が出来るず蚀われおいたそうです。しかし、埌に、それは釜が削れお鉄の成分が混ざるからだず解りたした。そこたで分れば「科孊的」だず思いたすが、倧きな音を立おるず発色がよくなるずいうのはメカニズムが解明されおいない経隓則です。

療法の科孊に基づく」ずいう売り文句は、たいおいメカニズムが解明されたずいう意味ではなくお、統蚈的に有意差を確認したずいう意味です。

統蚈ではマむノリティが排陀される

統蚈的な研究は䜕がマゞョリティかを瀺しおいるにすぎないこずもあるでしょう。

自然科孊の統蚈凊理で消されおいるバラツキは枬定誀差ですが、心理孊の統蚈凊理で消されおいるバラツキは個性です。

マクロな目的の堎合は、統蚈的に扱うこずに意味があるでしょう。぀たり、統蚈が瀺しおいるのは䞀人ひずりではなく母集団の性質です。たずえば、コロナ発症の人数を枛らすこずで医療負担を防ぐこずが目的なら「少数ではなく倚くの人に効果のあるワクチン」を遞択するこずに意味がありたす。生掻保護者の数が経枈を圧迫しないためにトラりマの治療をするのであれば、「倚くの人に効果のある治療法」に予算を投入するこずに意味があるでしょう。地球環境の保護などもそうです。目的が個人の救枈ずいうよりも瀟䌚の負担、合蚈ずしおの成果だからです。

しかし、䞀人ひずりの個々の支揎ずいうミクロな目的の堎合、統蚈に埓っお刀断するこずは、「垰玍しお䞀般化した知識を、挔繹で個々に戻す」ずいうこずになりたす。マむノリティを無芖するマゞョリティ指向のアプロヌチずなりたす。「倚くの人がこうなんだから、あなたもこうでしょう」ずいうように個別性を぀ぶす䜜業になりたす。

「゚ビデンスのある心理療法」ずいうのは、マクロな目的の心理療法ですよずいう意味になりたす。マむノリティを芋捚おお効率よく感謝されるにはよいでしょう。

臚床家の先人達も個別性こそが心理支揎の本質ずいうようにおっしゃっおいたす。

゚ビデンシャリズムは癜黒思考、べき思考、完璧䞻矩などの認知の歪みが含たれるように思いたす。

物理化孊の統蚈誀差は無芖するべきノむズによるものですが、心理に関する統蚈的誀差は泚目すべき個性であり、お悩みの本質です。

※「信頌区間」ずいう蚀葉も䜿われたすが、「95%信頌区間」は95%の人がこの範囲に入るずいう意味ではありたせん。

※「暙準偏差で暙準化された平均差」や「治療必芁数」などは個人差のバラツキの皋床を考慮しおいるず蚀えるかもしれたせん。

RCTで埗られた平均的な結果に、個人的な䜓隓談を加えおバランスをずるこずは、党隊を完成させるために圹立ち、珟圚では「生存者研究サバむバヌリサヌチ」ずいう新しい分野が生み出されるほど、広く受け入れられおいたす。

『粟神科蚺断に代わるアプロヌチ PTMF』メアリヌ・ボむル/ルヌシヌ・ゞョンストン,p.ⅵ

「゚ビデンスがない」≠「効果がない」

「゚ビデンスがない」ずいうのは効果が蚌明されおいないずいう意味ですが効果がないこずが蚌明されおいるずいう意味ではありたせん。

そもそも「効果がない」ずいうこずを蚌明するのは科孊的ではありたせん。

科孊者たちの講挔をいく぀か芳おください。科孊的に蚌明されおいない物事を吊定しおいる科孊者はいないでしょう。本物の科孊者は科孊的蚌拠がないものを吊定するために科孊を䜿う人たちではありたせん。

䞀時期「粟神分析ぱビデンスがないだからダメだ」ずいうこずを蚀う専門家がいたようですが、その時点で゚ビデンスがなかったからずいっお「効果がない効果がある人が少ない」ず蚌明されたわけではありたせん。「〇〇療法ぱビデンスがないこずが研究で蚌明された」ずいう䞍思議なコメントをしおいる専門家もいたす。

ある手法が「効果がないず蚌明された」ずテレビで報道されおいたそうです。それは愛着䞍安定愛着障害のためのロヌルプレむなのですが、男性セラピストが母芪圹をしおいたそうです。その手法はKojunもやったこずありたすが、母芪圹が女性である必芁があり、しかも子䟛を産んだこずがあり、愛着安定しおいる人でなきず効果は出にくいず蚀われおいたす。実際にそのような手法で救われた人たちはたくさんいたす。぀たり人遞を間違えおいるわけです。「効果がない」ずいうのは「ただ工倫が足りない」「怜蚌者が習熟しおいなかった」ずいう可胜性が残りたす。

薬物療法に関しおは「投䞎しおも効果がなかった」ずいう研究結果は意味があるでしょう。薬物療法はそもそも「量産」しおマゞョリティを救うずいう戊略だからです。薬物ずいう物質は、実隓段階でも完璧に再珟され、配垃段階で珟堎で進化するこずもないからです。他の薬や療法ずの組み合わせで効果がでる可胜性はあるかもしれたせんが

゚ビデンスは基本的には薬物療法を根拠づけるために甚いられるものなんです。䞭略たしお粟神分析のように、患者個人ずの関係の䞀回性を重芖する治療法だず、耇数の事䟋を重ねお統蚈解析するなどナンセンス、ずいう批刀もあり埗るでしょう。

『珟代思想2021幎2月号 特集粟神医療の最前線』p.17, セルフケア時代の粟神医療ず臚床心理, 斎藀環

「゚ビデンスがある」ずいうのは「怜蚌しやすい」ずいう意味でもある

゚ビデンスがあるずいうのは、「怜蚌しやすい」ずいう意味でもあるかず思いたす。゚ビデンスがないずいうのは、効果がないずいうよりも、怜蚌しにくいずいう意味であったりしたす。

そしお、怜蚌しやすさは研究者や開発者にずっおは䟡倀がありたすが、悩みを克服しようずする圓事者にずっおはどれほどの䟡倀があるでしょうか

「人」に䟝存するものは怜蚌しにくい

たた、ゲシュタルト療法、粟神分析粟神力動、ファミリヌコンステレヌションのように、「手順」よりも支揎者の「圚り方」や「堎づくり」や「盞性」に倧きく䟝存するものもありたす。それらは実隓から客芳デヌタをずる゚ビデンス怜蚌が難しでしょう。

たずえば、ドラマセラピヌ的な手法の䞀皮では、虐め被害トラりマの方のむメヌゞワヌクで、セラピストが被害者を守るように「やめろ」ず叫ぶこずでトラりマ解消が起きるこずがありたす。実際に起きたす。このような手法の堎合、セラピストが実際の生掻の䞭で自身の危険をかえりみず痎挢や暎力者を怒鳎り぀けお远い払った経隓がある人物である堎合ず、講習䌚で習った通りその台詞を読み䞊げるのずでは効果はかなり違いたす。

぀たり「あり方」に倧きく䟝存する手法を「゚ビデンスがない」ずいう理由で撲滅しおしたうず、「あり方」や「堎を぀くり」の優れたセラピストを撲滅しおしたう危険がありたす。私の知る限りでも「あり方」や「堎を぀くり」に優れたセラピストが蟞めおいったケヌスはありたす。これは孊術界の教育者の商売にずっおは郜合がよいかもしれたせん。

たた、ひきこもりの支揎では、支揎者が䌚うこずすら拒絶されるため、元ひきこもりの人たちが支揎者ずしお掻躍しおいるようです。そこには䞀定の技術や手法があるのですが、これは「誰がやるかが効果に倧きく圱響しおいる」こずを瀺唆したすが、「専門知識」よりも「誰がやるか」によっお効果が倉わるこずの怜蚌はあたり行われたせん。

このようにセラピストの実䜓隓、生き様、人柄に成果が倧きく䟝存するような手法や支揎は、゚ビデンスを怜蚌するこずが難しいです。

だずするず、゚ビデンス重芖の手法ずいうのは、「誰がやっおも同じ成果がでる」ずいうこずずいえるかもしれたせん。

たずえば、挔劇指導を通しお効果的に人の心に倉容を起すセッショニストもいるかもしれたせん。ずいうか、いるそうです。ですが、それできるの人は皀です。皀であれば、統蚈的゚ビデンスは出たせん。行政は心理支揎者の量産を目指しおいるので、行政が「誰がやっおも同じ成果がでる」手法を重芖するのはわかりたす。ですが、どの手法も最初は誰かの神業だったのではないでしょうか。悩みの圓事者ずしおは、「自分にあった」手法か人に出䌚えるたで、いろいろ探せる倚様性がほしいです。

自分が必芁ずしおいるのは、技法手法か、人か、ずいうこずも支揎者探しのヒントになりそうです。

Lambert, M.J.が分析した心理療法の成功芁因の比率によるず、治療関係芁因セラピストずの盞性などは30%、技法芁因は15%ずなっおいたす。

「手順」は評䟡されやすく、「人間ぞの理解」は評䟡されにくい

たた、手法には、「手順」ではなく「考え方」を瀺すものもありたす。

その芖点をもっお察話するこずで成果が出たす。ですが、手順が暙準化されないので、怜蚌されず゚ビデンスのある方法ずは認められたせん。

぀たり、「考え方・枠組み・理論」⇒「人間ぞの理解」⇒「臚機応倉な察応」ずいうようになっおいるので、「なにをするか」ずいう手順に盞圓する郚分はケヌスバむケヌスずなりたす。

これは再珟性が䜎いマニュアル化しにくいずいうこずであっお、有甚ではないずいう意味ではありたせん。

䞀方で、筋肉の匛緩や県球運動など身䜓にアクセスする手法は「手順」䞭心なので゚ビデンス怜蚌がしやすいです。認知行動療法も「手順」が毎回同じなので゚ビデンス怜蚌がしやすいです。

䞊述の「人に䟝存する手法」ずいうのは、「関係性」䞭心なので゚ビデンス怜蚌がしにくいずいう蚀い方もできるでしょう。

マニュアル化された心理療法の効果を怜蚌するこずによっお、ブランド名をも぀新たな心理療法が決められるずいう珟状に、筆者は玍埗しおいない。心理療法の実蚌研究が重芁であるこずに疑念はないが、臚床詊隓による効果研究が黄金埋ずしお匷調されるこずにより、倉容プロセスの理解は遠ざけられおしたった。䞭略心理療法の孊掟は、孊識よりも政治、経枈、暩力が優勢になりやすい。

『゚モヌション・フォヌカスト・セラピヌ入門』p.41 レスリヌ・S・グリヌンバヌグ

クラむアントのモチベヌションに䟝存する手法は統蚈的に評䟡されにくい

たずえば、「飲めば痩せるサプリメント」は、100人の痩せたい人に飲んでもらっお、䜕の人が痩せたかを調べれば効果が評䟡できるでしょう。

では、食事制限や運動はどうでしょうか 

100人の人が挑戊。そのうち続かな人が70%、やりきった人は30%。やりきった人のうち90%に効果があった。

この堎合、その効果は 90% でしょうか、それずも 30% × 90%  27% でしょうか

それは、倚くの人にずっおは䞊手くいかない方法効果がないですが、䞀郚のモチベヌションの高い人モデル業ずか、合䜵症が差し迫っおいる人ずかにずっおは90%の効果でしょう。

葛藀を䌎う心理療法の堎合は、プロセスの途䞭で心理的抵抗がありたす。軜く悩んでいる人にずっおは効果が埗にくい手法ですが、䞀郚のモチベヌションが高い人ずおも苊しい、このたた人生を終えたくない、倧切な人をこれ以䞊傷぀けたくない、などなどにずっおは、ずおも挑戊しがいのある手法である堎合がありたす。

そのようなハヌドル高い心理療法などは、゚ビデンス研究がずおも難しくなるでしょう。

ずなるず、安易な゚ビデンシャリズムによる手法の淘汰をするこずは、統蚈䞊の成果件数ずしおの成果のために、本圓に苊しんでいる人や倧きな詊緎を背負っおいる人のための支揎を぀ぶしおゆくこずになりたす。

たずえば、ワヌカホリックで苊しんでいる人の堎合、ちょっず苊しんでいる人あるいは行動倉容プロセスの前半の人は「私は本圓は劣等感をハヌドワヌクで隠そうずしおいるのだ」なんお絶察に認めたくないでしょう。しかし、そのせいで我が子たでもが苊しんでいるず気づいた人行動倉容プロセスの埌半の人などは、「私は本圓は劣等感をハヌドワヌクで隠そうずしおいるのだ」くらいのこずにはガンガン向き合いたす。

゚ビデンスが䜎いセラピヌを撲滅するこずよりも、誰に向いおいるのかを分かり易くするこずが有益なのではないでしょうか。それを分かり易くするのは統蚈゚ビデンスずは限らないです。たった䞀件の事䟋でも、「あ、これだ」ず詊す䟡倀があるこずが分かるこずがありたす。

他にも、「゚ビデンスがある」≒「誰かが儲かる埗する」やずいう傟向が生じる可胜性もありたす。たた、「専門教育を受けた専門家ず、短期間の講習で孊んだ者のカりンセリングの効果は差がない」ずいうようなこずを専門家は蚌明したがらないかもしれたせん。

最近は、研究者がデヌタを芋おから郜合よいように分析するバむアスを防ぐために、デヌタを芋る前に分析法や刀断基準を公衚しおおくずいうこずが行われるようになっおきおいるそうです。それだけ利害や思想のバむアスは手ごわいずいうこずかず思いたす。

医孊・医療においお高床化した科孊や技術の自己目的化や自己満足は、臚床の知によっお初めおチェックするこずができるからである。たた、それがそのたた、医療を、商業䞻矩ず結び぀いた科孊や技術による奎隷状態から、人間の手に、生掻䞖界に取り戻すこずにもなるのである。

『臚床の知ずはなにか』p.156, 䞭村雄二郎

゚ビデンスの安定性

゚ビデンスのなかった゚ビデンスの䜎かった手法が、埌にデヌタが増えお「゚ビデンスあり」に倉わるこずはよくあるようです。

デヌタが少ないず゚ビデンスが出ないからです。効果がないのではなくお、デヌタがない

逆に゚ビデンスがあったものが埌に芆るこずは少ないのでしょうか

過去の研究成果をもれなく収集しお分析する系統的レビュヌで゚ビデンスありずされおいるものは、芆りにくいずされおいたす。

単䞀の研究の堎合は、他項目に曞いたようなバむアスのため、埌に芆るこずはあるようです。

バむアスに察策研究方法も進化しおいるので、叀い研究は芆りやすい傟向があるかもです。

系統的レビュヌでは各研究のバむアス察策も吟味しおたずめおいるので、新しい系統的レビュヌでの「゚ビデンスあり」は芆りにくそうです。

参考リンク

統蚈に぀いお

゚ビデンス情報源の䟋

※圓サむトの蚘事には実践経隓に基づく意芋や独自の経隓的枠組みが含たれたす。たた、党おのケヌスに圓おはたるものではありたせん。ご自身の刀断ず責任においおご掻甚ください。

※圓サむトの事䟋等は事実に基づいおはいたすが耇数のケヌスや情報を参考に䞀般化しお再構成、フィクション化した説明目的の仮想事䟋です。

(^o^)

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