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科学主義の落とし穴

  • 2024-03-11

人の心は自然科学で理解できるのか

私は自然科学(と科学哲学)を学んだことがあります。そんな人に心理を扱えるわけないと言う人もいますが、物理化学の出身の心理の専門家はけっこういます。 心理セラピーを学ぶ人たちに興味をもたれる反還元主義について書いてみます。 還元主義の限界 還元主義とは部品に分解することで理解できるという考え方です。正 […]

  • 2023-07-19

エビデンスと自分エビデンス – 心理セラピーの選択と効果

統計的エビデンスがある心理セラピーについて 心理セラピー(心理療法)の効果エビデンスというのは、一般的には効果の有無や大きさを調べた統計によるものです。それは母集団(主に平均値)について語るものです。(バラツキが考慮されてないわけでもないですが、それでも母集団と個は別のものです) 統計的エビデンスは […]

  • 2023-03-20

心理療法のエビデンスが含む意味

ある心理セラピー(心理療法)に効果エビデンスがある(統計的に成績がよい)とされるとき、次の2つの情報を含んでいるように思います。 効果エビデンスのWhat情報 たとえば、認知行動療法のエビデンスは、「自動思考や中核信念を変更することで、悩みが解消する」という原理が多くの対象者に成り立つことを示唆して […]

  • 2022-10-01

なぜマニュアル化されない心理療法があるのか?

感情体験を重視する力動的なセラピー、本人主導を重視する人間性アプローチというのは、手順よりもセラピストの生き様などが影響を与えやすいものです。それゆえ、マニュアル化、標準化しにくく、さらに効果検証、エビデンス研究が困難です。 そのことを具体的なイメージで説明してみましょう。 例1:マニュアル化すると […]

  • 2022-08-23

「科学的な心理療法」を選ぶときの注意点

自然科学を専攻した私からすると、臨床心理分野でやたらと「科学的」がアピールされるのには違和感があります。 理学部で「この理論/方法は科学的です」という言葉はそれほど聞かれませんでした。 「科学的です」は魔法の言葉 今日、「科学的です」と言われると、人はそれだけが正解だと思い込み、他の可能性を考えなく […]

  • 2022-03-27

「広義PTSD」という言葉を使う理由

私のところで扱う虐め被害や性暴力被害のPTSDについて、少し以前から広義PTSDという表記にしています。医学的診断名と区別するためですが、それについてちょっと書いてみます。 ※追記 かつてはショックトラウマと呼んでいたのですが、それに戻してもよいかなと思っています。 流行りの症状-診断名-療法選択モ […]

  • 2022-02-25

「人」を見るか「数字」を見るか

心理支援は統計的な効果検証であるエビデンスに基づくものでなければならないというのが流行しています。 あちこちの職場や家庭でも「エビデンスはあるんですか?」と言うのが流行ったそうですが、違和感を感じます。 エビデンスがあることを後押しに使うのではなくて、エビデンスがないことを人を黙らせたり、なにかを止 […]

  • 2021-11-13

心の問題はもつれた糸

心の問題の解決というのは、もつれた糸を解くことに似ていると思います。 失敗やハズレの心理セラピーというのも、実はプロセスになっていることがあるように思います。 つまり、試行錯誤ってことです。 最近の心理支援では、臨床心理学に正しい答えを求める風潮があります。答えは教科書に書いてあると信じる立場です。 […]

  • 2021-04-09

心理学は科学か?

物理学や化学を学んだ理学部出身の私ですが、どちらかというと心理学は科学ではないと思っています。とくに人の悩みを解決する臨床心理学や心理セラピーなどは、科学である必要はないと思っています。 心理学を馬鹿にしているわけではありません。馬鹿にしていたら心理セラピストやらないでしょ。「馬鹿にしている」と怒り […]

  • 2021-01-20

エビデンスのある心理療法!?:「多くの人に効果がある」≠「私に効果がある」

「エビデンスのある心理療法」というような言葉が流行しています。 「エビデンスがある」と言われると、効果が保証されているように聞こえます。「エビデンスがない」と言われると、アヤシイ感じに聞こえます。ですが、これらは「よくある誤解」です。 「エビデンスのない手法を撲滅しよう」なんて言うエビデンス警察もい […]

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