話を聴いてもらっただけでは解決しない苦悩

たとえば、あがり症の人がいたとします。

A群の支援者(講師、教師、コーチ)は、あがらないようになることを勧めます。「これであなたも人前で話せる」セミナー。「殻を破れ」、「コンフォートゾーンから出てみよう」。

しかしながら、あがり症の人にとってそれが逆効果だったりします。

そこで、B群の支援者(ロジャーズ流カウンセラー等)は、否定しない、変えようとしない、を徹底します。共感的、肯定的に話を聴きます。

不登校に対して、大学生のアルバイトを使って学校へ連れてゆくというのがありましたが、それはA群的ね。最近の「そっとしときましょう」はB群的ですね。

さて、Kojunの心理セラピーはC群です。

あがり症のメカニズム仮設に基づいて、解決を目指します。「あがることは悪いことだ」という信念があがり症の根本なので、「あがることを赦す」というプロセスを促します。

A群の支援者行動や考え方を変える
B群の支援者否定しない、変えようとしない
C群の支援者深層心理を変える

 

B群+本人の自然回復力により、同様の赦しのプロセスが起きる場合もあります。そうなるか、悪化するかは、ケースによります。

B群カウンセリングに数年通って回復しなかった人が、C群の私のところに来てセッション1回で回復したなんてことは、ままあります。

人気があるのはB群です。A群と相性悪い人たちは、A群的なおせっかいに苦しめられてきましたから、真逆のB群はホッとするでしょう。

C群はA群のように見えるので、ちょっと恐がられたりします。しかし、A群が苦手な人たちは、実は臆病でも、消極的でもなかったりするので、C群と相性よいことも多いのです。

A群は正す勇気を求めるのに対して、C群は正さない勇気を求めます。多くの人は、本人の内にA群を取り込んでいて、それによってなんとか自分を守っています。ですので、内なるA群を手放すには大きな抵抗があるのです。ですので、B群アプローチでは進展が遅かったり、悪化することもあります。

私のカウンセリングでは、クライアントのニーズを確認します。ただただ話を聴いてほしいのか、解決を求めるのか。私のクライアントはほとんど解決を求めると答えます。これはニッチな市場で、世のニーズとしては圧倒的に話を聴いてほしい人の方が多いようです。

みんなリンゴを取りにいったけど、立ち上がらない人がいます。A群は、「思い切って、立ち上がれ」と励まします。

しかしその人は、億劫なのではなくて、ギックリ腰なのです。これまでに何度か立ち上がろうとして、激痛に打ちのめされているのです。

そこで、B群が「私が話を聴きましょう」と言います。その人は自分を責めることをやめるかもしれません。

たいていは、そこで物語は終わりです。

C群はギックリ腰という仮設により、ギックリ腰の治療を提案するかもしれません。それは、アドバイスですが、「思い切って立ち上がれ」とは全く違います。あるいは、「立ち上がらずに、這いつくばってリンゴを取りに行く」生き方もあるよと例を示すかもしれません。「リンゴの未練とお別れする」方法もあります。

話を聴いてもらって共感されただけでは解決しない苦悩や違和感。そのようなものはあります。そして、それは重要な人生のテーマであることも。

さらに、C群のアプローチに対しても独特の苦痛を感じる人もいて、その場合はA〜Cのどれとも異なる対応が苦悩を和らげます。

※当サイトの記事には実践経験に基づく意見や独自の経験的枠組みが含まれます。また、全てのケースに当てはまるものではありません。ご自身の判断と責任においてご活用ください。

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