一緒にいる人が薬になる、人薬(ひとぐすり)

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もう1つのセラピーともいえる、人薬(ひとぐすり)について書きます。

精神リハビリ施設などで、他の患者さんたちと一緒にいることで、ウツなどが改善に向かうことを「人薬(ひとぐすり)」と言ったりします。なんとか療法が効くなんて言っているケースの多くも、実はそれを実践している施設やグループにおける人薬の効果だったりするかもしれません。

この人薬という効果は、ウツに限らず、人生の苦難を乗り越えること全般に重要な効果を果たすように思います。

人から癒しを得るということですが、それはいわゆる「受容」というもので、「こんな私でも赦される」みたいなことが回復のベースになるということかもしれません。

底を蹴るために、どーんと沈むことを赦されてみるという感じでもあります。

精神リハビリ施設での私の体験からすると、それは「ウツは誰にでも起こり得ることだよ」とか「それは生き方を変えるためのサインだね」「それは弱いということではないですよ」などと言ってもらって、ホッとすることとは違うと思います。

世間から批判の目に晒されてきた(晒されているように感じている)人にとって、肯定してもらってホッとするのは、緊急処置として必要なことかと思います。そうして、ちょっと余裕が出来たところで、回復へ向けての行動をとり始めます。

ですが、ウツ状態の人が、そんな風に肯定の声をかけ合うのは人薬ではないと思います。

ウツの場合でいうと、「オレたち経済的損失だよな」「私たちは社会にとってマイナス。あはははは」くらい言い合えるような仲間が出来て、はじめて回復がはじまるように思います。これが私の人薬のイメージです。

ですので、必要なのは、意識高い系の人たちからの励ましではなくて、「底」を体験している人たちとの笑い合える場です。

 
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