- 2022-07-07
「原因論の罠」と「目的論の罠」
過去を扱う心理セラピーなどへの批判にこのようなものがあります。 「過去の被虐待が原因だと指摘してもラクにならない」 はい、指摘しただけではラクにはなりません。指摘するだけでは心理セラピーとは言えないでしょう。 そこで、「原因」ではなく「目的」に注目しましょうというのが目的論です。 伝統的な精神分析が […]
過去を扱う心理セラピーなどへの批判にこのようなものがあります。 「過去の被虐待が原因だと指摘してもラクにならない」 はい、指摘しただけではラクにはなりません。指摘するだけでは心理セラピーとは言えないでしょう。 そこで、「原因」ではなく「目的」に注目しましょうというのが目的論です。 伝統的な精神分析が […]
暴力被害トラウマなどの場合は、恐怖や怒りの感情の扱いについて書いています。実際には様子をみながらカスタマイズして行います。 また、様々な手法があるので、ここに挙げていることが全てではありませんし、異なる立場をとるものもあります。 ここではよく知られたPE、CPT、IPTなどとは少し異なるところを挙げ […]
正論のアドバイスでは解決しない心の悩みには、直感を使った心理セラピーが使える場合があります。 ゲシュタルト療法の「図地反転」について、その具体的なイメージを書いてみます。(権威の引用ではなく私見です) ゲシュタルト療法はイメージワークっぽくやることが多いのですが、それでは文章で表現しにくいので、ここ […]
勉強会で話す機会がありましたので、ついでにブログにもゲシュタルト療法の「いまここ」について書いておきます。 以下は、実践経験からKojunなりの説明を書いてみます。 アダルトチルドレンというのは、心理セラピーにおいては過去を扱うということを意味しますので、「いまここ」といいながらも幼少期の感覚をいま […]
子どもの頃に起因する生き辛さをもつ人たちが心理セラピーに来ます。 何十年もかけて準備して来ます。 そのような心理セラピーを3幕構成で外観してみようと思います。 第1幕:主訴 クライアントが悩みを述べたり、心理セラピーで扱う悩みを決めたりします。 この時点で、Kojunはクライアントが望んでいる未来の […]
認知行動療法(CBT)については、狭義と広義の2つの意味があるようです。 狭義CBT ベック博士に由来する認知再構成法(CR)。カラム法とも。自分の感情の背後にある自動思考に気づき、「認知の歪み」を修正してゆくというもの。 広義CBT 実証的に効果が確かめられた心理療法の総称。 実証的に検証してゆく […]
自己啓発や(狭義の)認知行動療法ではなかなか変えることの出来ない、深層心理にあり人の人生を支配するものを中核信念と呼んだりします。 とくに悩みや病の原因となっている場合は、心理療法において「不適応スキーマ」とか「非合理な信念」とか呼ばれます。 取り除くべき悩みの原因というわけです。 私も中核信念を解 […]
人間性中心アプローチは、パーソンセンタードアプローチとも言われます。私は本人中心アプローチと言ったりもします。 その説明文を読んでも、漠然としているので、具体的な例を挙げて説明してみます。 手法を愛するセラピスト こんなことを言う治療者(カウンセラー、セラピスト)がいます。 「CBT(認知行動療法) […]
マインドフルネス、瞑想、ポージングなどは作為的な思考も含めて「なにもしない」状態をつくるんだけど。 「考えるな」という助言はあまり上手くいきません。 「雑念を否定してはいけません」というのも上手くいかないです。 瞑想などの実践について、よく聞かれる「無になるってことですか?」という質問に対して私は「 […]
Kojunは家族カウンセリングはしていないですが、家族を扱うカウンセリングは多いです。 個人内葛藤として扱うわけですが、家族システム論の方々が誤解しているほど、家族システムを無視しているわけではありません。 関係性を扱う家族カウンセリング 家族システム論には円環的因果律という考えがあります。たとえば […]
最近は福祉分野でもヤング・ケアラーが話題だそうですね。 ヤング・ケアラーって 幼くして親や兄弟などの世話をしてきた人のことですね。兄弟が障害者とか、親が精神的に不安定だったとか、様々な形があるのうです。 ですが、私が注目しているのは、いわゆる「介護者の苦労」というテーマではありません。 とくに、感情 […]
過去を扱う心理セラピーの心得について。 過去を扱う心理セラピーと、原因論はちょっと違います。 原体験のストーリーは原因ではありません。 原体験とは たとえば、目上の男性や警察官などに不必要に反抗的な反応パターンで苦しんでいる人の心理セラピーで、父親が母親を殴っているのを見ていた幼少体験を思い出し、そ […]
感情を解放するセラピーはセラピストを選ぶということを以前書きました。当たり前すぎて書き忘れていた大事なことを補足します。 感情の解放とは 解放というのは、抑圧や防衛機制などにより無意識に押し込められた本当の気持ち、隠れた感情を感じたり表現したりすることです。感情を出すわけです。これが「感情を出し切る […]
トラウマに限らずですが、個人の心理的な問題の解決支援には、いくつかの層があるように思います。それぞれについて書いてみます。 あなたが必要とする支援を探すヒントになるかもしれません。 報酬と罰で人を変えようとする これは叱る、説教するというアプローチです。家族が電灯を消さないことについて、叱って改めさ […]
肯定的とは正し急がないこと 私には心理セラピスト業界の好きなところと嫌いなところがあります。 好きなところは「正しさを強制してこない」ってとこです。 嫌いなところは「正しさを強制してくる」ってとこです。 「したくない」「したけどできない」「したくない自分を受け入れたい」などなどの、ありのままの自分を […]
Kojunの心理セラピーの客層は根本解決を探している人たちが殆どです。いろんか実践をしてきて、それはそれで役に立ったけど、根本解決ではなかったとおっしゃいます。 そのことは、深層心理セラピーということと関係しています。 深層心理を扱うことが根本解決につながるとはどういうことか、書いてみようと思います […]
以前にも書いていますが、もう一度書いておこうと思います。 たとえば、お悩みが「やっかいな対人反応パターン」だどします。その根本原因は無意識レベルのなにか、たとえばトラウマ、恐怖症、愛着不安定などなど)です。そして、それがつくられたきっかけが、たとえば「ネグレクト」や「家族機能不全」ですね。きっかけは […]
深層心理を扱うセラピーは気分が悪くなるというようなイメージもあるかもしれません。 たしかに、嫌ななにかを扱うわけですし、そこに触れがたきものが隠れているわけですから、抵抗はあります。ある程度のモチベーションがないと気持ち悪いかもしれません。モチベーションがないと全く向き合えないので。 ただ、実際にセ […]
悩みの解消だったり、心の成長における、「なおさない」「治療しない」というのは、どういう感じのことを言っているのか、もう1つ例を挙げてみたいと思います。 たとえば、暴力被害トラウマのケース。心理セラピーでトラウマは解消はします。ですが・・・ なおるんだけど、なおすわけではない。 「なおす」スタイルの例 […]
私はカウンセリングやセラピーの特徴として、よく「なおさない」だねと言われてきました。 で、私の「なおさない」というのは、どういう感じのことを言っているのか、例を挙げてみたいと思います。 「なおす」スタイル 世間から叩かれる不安を背負っている相談者の例です。 相談者が「僕は世間から叩かれているゲイです […]
心理セラピーに手応えがあったとき、Kojunがよく「その感覚をよく覚えておいてください」と言います。 それはせっかく解消したトラウマに戻ってしまうのを防ぐためです。 ※ここに書くのは、権威者による定義・解説の二次情報ではなくて、私の私見です。 「再決断」はコミット宣言ではない Kojunの心理セラピ […]
Kojunのところで取り入れている恐怖症の心理療法(心理セラピー)について。 そもそもそれは「恐怖症」なのか まず、「〇〇が恐い」が全て恐怖症であるとは見立てません。「見立て」はラベリングのためではなく、悩み解決の手法やアプローチ選ぶために行うのですが、「恐怖症」は認知の修正が有効そうなケースのこと […]
いまのところ、私の心理セラピーは子供向けには提供していません。 心理セラピーのスタイルが「自立を促す」ものだからです。それは「甘えるな」ということではなくて、大人の自分と子供の自分を共存させてゆくという意味です。最終的にセラピストが側にいなくてもよくなると言うとわかりやすいかもしれません。 ※ここで […]
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